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ダウジングで温泉を掘り当てる
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それは旅の途中の事だった。目的地はリーシアの実家である。
「はぁ……」
リーネは溜息を吐く。
「いかがされましたか?」
「い、いえ。何でもないです」
リーネの溜息の意味をエルクは察した。このところリーネは暗い表情をしている。疲労の回復などはエルクのポーションを飲めば済む問題ではあるがそれでも魂の回復まではできない。
乙女にとって死活問題とも言える入浴の問題があった。旅先で町などもない以上、入浴ができていない。リーネはしきりに自身の体臭を気にしていた。
「ははっ。リーネさん、気にしなくてもいいですよ。臭いませんから」
「せ、先生! 気にするなっていうのは無理です!」
「そうですね。でしたら、ここら辺で入浴しますか」
「え? 入浴」
エルクは分銅のようなマジックアイテムを取り出す。これはダウジングに使うものだ。エルクが錬成したマジックアイテムである。
「このマジックアイテムはダウジングに使うものです」
「ダウジング?」
「見ていればわかります。ここら辺には温泉が湧き出るようです。それをダウジングで見つけます」
「お、温泉? そんなものがわかるんですか?」
「わかりました。ここです。ここを掘れば温泉ができます」
エルクは温泉を掘り当てる。そこを錬成したドリルで掘ると瞬く間に立派な温泉ができた。
「わーーーーーーーー! すっ、すごいですっ! 流石先生です!」
エルクは水温を確かめる。
「適温です。そして水質も問題ありません。体力及び精神力に大きな回復効果がある事でしょう」
「早速入りましょう」
「わっ!」
躊躇いなくリーネは服を脱ぎ始める。
「? どうしたんですか? 先生」
「い、いきなり服を脱ぎ始めないでください。私がいるんですよ」
「え? 先生も一緒に入るんじゃないんですか?」
「は、入りません。私は後で一人で入ります」
「もしかして先生、私達を女として意識しているんですか?」
冒険者学校を卒業した皆15歳を超えている。その身体は凹凸ができており、女性として十分な魅力を持っていた。とても童女と同じように接する事はできない。
「あ、当たり前じゃないですか」
「えー。私は一緒に先生と入りたいな。ねー、イシス、リーシア」
「私は別に気にしない。むしろ先生となら一緒に入りたい」
「私も先生となら気にしないです」
「……な、何を言ってるんですか」
「ダメですか? 先生? 私達と一緒に入りたくないですか?」
「は、入りたくないわけではないんですが。私達は元教師と教え子という立場以上に、その前に男と女であり、色々と倫理的にまずい気が」
「い、いいから、せっかくですし先生も一緒に入りましょう。その方が時間の節約にもなりますし」
流されるようにエルクは三人と混浴する事となる。
温泉は半透明で白濁色をしていた。その為、あまり見えないようになっている。
「はぁ……極楽極楽」
「はぁ……」
エルクは溜息を吐く。流されるままに混浴する事になった自分の意思の弱さを情けなく思う。錬金術に全てを捧げたつもりではあるが、それでも男として情欲の全てを捨て去る事はできなかったようだ。
「最高です。こんな森の中なのに、温泉に入る事ができるなんて」
「うん。これも先生のおかげ」
「ありがとうございます、先生」
「そうですか。喜んでくれて嬉しいです」
「きゃっ! 先生! 今何か動きませんでしたか!」
「森には動物など多く生きています。動物か何かでしょう。モンスターかもしれませんが。それよりリーネさん、私に抱きつかないでください。柔らかいものが腕に当たっています」
「そ、そうでしたか。すみません。けど、やっぱり何か動いている気がします。気配がします」
「こ、怖いです! 先生!」
リーシアも抱きついてきた。
「わ、私も!」
イシスも抱きついてきた。柔らかい膨らみが腕に心地よい感触を与えてきた。
「どうやら動物やモンスターの類いではないようです」
「え?」
「姿を現しなさい」
「くっくっく。ただの錬金術師かと思ったら、とんでもない奴じゃないか。我々の存在を気取るとは」
一人の女が現れてきた。黒装束の女だ。そのような恰好をした女は複数人現れてきた。
「きゃっ! 誰ですか! あなた達は!」
「暗殺者? ・・・・・・いえ、呪術師」
「そう、我々は王国アーガスに使える呪術師の集団。そのエキスパートよ」
呪術師の女は語る。
「このタイミングを待っていたわ。あなたが何も纏わなくなる瞬間。マジックアイテムも何もなければ、私達の呪術に対する、対抗手段はないでしょうよ。今から私達があなたの心(ハート)を虜にしてあげる。私達の言うことを何でも聞いて、国王陛下に傅くただの下僕にしてあげるわ」
「やはりあの国王の差し金でしたか。諦めるとは思いませんでしたが、随分と手段を選ばなくなりましたね」
「・・・・・・くらいなさいっ! 私達の洗脳の呪術を!」
呪術師達は洗脳の呪術を放つ。しかし、何も起きない。
「な、なぜ! なぜ効かないの! 私達の洗脳の呪術は完璧だったはず!」
「ええ。あなた達の洗脳の呪術は完璧でした。ですが、この温泉の水質を分析して気づいた事があるのです。それは」
『状態異常回復効果』この温泉にはHPやMPの回復だけでなく、状態異常も回復してしまう効果があったのだ。洗脳とは言わば魅了(チャーム)の状態異常変化に過ぎない。
故にこの温泉に入っている以上、状態異常はすぐに回復されてしまうのだ。
「いかがですか? 無駄ですが、まだやりますか」
「くっ! し、失敗よ。今日のところは撤退するわ!」
呪術師の集団は逃げ帰っていった。
「流石先生です!」
「だから、抱きつかないでください、リーネさん。柔らかいものが当たってきます」
「すごいです。先生、何もしないで敵が逃げ帰っていきました!」
「私の力ではありません。ただの温泉の効果で。だから抱きつかないでください。柔らかいものが当たってきてます」
「二人ともずるい。私も!」
どさくさに紛れてイシスも抱きついてくる。
「全くこの子達は私の自制心は無限だとでも思っているのでしょうか」
エルクは溜息を吐く。旅の途中教え子に手を出すなんていう、事態にならない事を節に祈っていた。
「はぁ……」
リーネは溜息を吐く。
「いかがされましたか?」
「い、いえ。何でもないです」
リーネの溜息の意味をエルクは察した。このところリーネは暗い表情をしている。疲労の回復などはエルクのポーションを飲めば済む問題ではあるがそれでも魂の回復まではできない。
乙女にとって死活問題とも言える入浴の問題があった。旅先で町などもない以上、入浴ができていない。リーネはしきりに自身の体臭を気にしていた。
「ははっ。リーネさん、気にしなくてもいいですよ。臭いませんから」
「せ、先生! 気にするなっていうのは無理です!」
「そうですね。でしたら、ここら辺で入浴しますか」
「え? 入浴」
エルクは分銅のようなマジックアイテムを取り出す。これはダウジングに使うものだ。エルクが錬成したマジックアイテムである。
「このマジックアイテムはダウジングに使うものです」
「ダウジング?」
「見ていればわかります。ここら辺には温泉が湧き出るようです。それをダウジングで見つけます」
「お、温泉? そんなものがわかるんですか?」
「わかりました。ここです。ここを掘れば温泉ができます」
エルクは温泉を掘り当てる。そこを錬成したドリルで掘ると瞬く間に立派な温泉ができた。
「わーーーーーーーー! すっ、すごいですっ! 流石先生です!」
エルクは水温を確かめる。
「適温です。そして水質も問題ありません。体力及び精神力に大きな回復効果がある事でしょう」
「早速入りましょう」
「わっ!」
躊躇いなくリーネは服を脱ぎ始める。
「? どうしたんですか? 先生」
「い、いきなり服を脱ぎ始めないでください。私がいるんですよ」
「え? 先生も一緒に入るんじゃないんですか?」
「は、入りません。私は後で一人で入ります」
「もしかして先生、私達を女として意識しているんですか?」
冒険者学校を卒業した皆15歳を超えている。その身体は凹凸ができており、女性として十分な魅力を持っていた。とても童女と同じように接する事はできない。
「あ、当たり前じゃないですか」
「えー。私は一緒に先生と入りたいな。ねー、イシス、リーシア」
「私は別に気にしない。むしろ先生となら一緒に入りたい」
「私も先生となら気にしないです」
「……な、何を言ってるんですか」
「ダメですか? 先生? 私達と一緒に入りたくないですか?」
「は、入りたくないわけではないんですが。私達は元教師と教え子という立場以上に、その前に男と女であり、色々と倫理的にまずい気が」
「い、いいから、せっかくですし先生も一緒に入りましょう。その方が時間の節約にもなりますし」
流されるようにエルクは三人と混浴する事となる。
温泉は半透明で白濁色をしていた。その為、あまり見えないようになっている。
「はぁ……極楽極楽」
「はぁ……」
エルクは溜息を吐く。流されるままに混浴する事になった自分の意思の弱さを情けなく思う。錬金術に全てを捧げたつもりではあるが、それでも男として情欲の全てを捨て去る事はできなかったようだ。
「最高です。こんな森の中なのに、温泉に入る事ができるなんて」
「うん。これも先生のおかげ」
「ありがとうございます、先生」
「そうですか。喜んでくれて嬉しいです」
「きゃっ! 先生! 今何か動きませんでしたか!」
「森には動物など多く生きています。動物か何かでしょう。モンスターかもしれませんが。それよりリーネさん、私に抱きつかないでください。柔らかいものが腕に当たっています」
「そ、そうでしたか。すみません。けど、やっぱり何か動いている気がします。気配がします」
「こ、怖いです! 先生!」
リーシアも抱きついてきた。
「わ、私も!」
イシスも抱きついてきた。柔らかい膨らみが腕に心地よい感触を与えてきた。
「どうやら動物やモンスターの類いではないようです」
「え?」
「姿を現しなさい」
「くっくっく。ただの錬金術師かと思ったら、とんでもない奴じゃないか。我々の存在を気取るとは」
一人の女が現れてきた。黒装束の女だ。そのような恰好をした女は複数人現れてきた。
「きゃっ! 誰ですか! あなた達は!」
「暗殺者? ・・・・・・いえ、呪術師」
「そう、我々は王国アーガスに使える呪術師の集団。そのエキスパートよ」
呪術師の女は語る。
「このタイミングを待っていたわ。あなたが何も纏わなくなる瞬間。マジックアイテムも何もなければ、私達の呪術に対する、対抗手段はないでしょうよ。今から私達があなたの心(ハート)を虜にしてあげる。私達の言うことを何でも聞いて、国王陛下に傅くただの下僕にしてあげるわ」
「やはりあの国王の差し金でしたか。諦めるとは思いませんでしたが、随分と手段を選ばなくなりましたね」
「・・・・・・くらいなさいっ! 私達の洗脳の呪術を!」
呪術師達は洗脳の呪術を放つ。しかし、何も起きない。
「な、なぜ! なぜ効かないの! 私達の洗脳の呪術は完璧だったはず!」
「ええ。あなた達の洗脳の呪術は完璧でした。ですが、この温泉の水質を分析して気づいた事があるのです。それは」
『状態異常回復効果』この温泉にはHPやMPの回復だけでなく、状態異常も回復してしまう効果があったのだ。洗脳とは言わば魅了(チャーム)の状態異常変化に過ぎない。
故にこの温泉に入っている以上、状態異常はすぐに回復されてしまうのだ。
「いかがですか? 無駄ですが、まだやりますか」
「くっ! し、失敗よ。今日のところは撤退するわ!」
呪術師の集団は逃げ帰っていった。
「流石先生です!」
「だから、抱きつかないでください、リーネさん。柔らかいものが当たってきます」
「すごいです。先生、何もしないで敵が逃げ帰っていきました!」
「私の力ではありません。ただの温泉の効果で。だから抱きつかないでください。柔らかいものが当たってきてます」
「二人ともずるい。私も!」
どさくさに紛れてイシスも抱きついてくる。
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