嘘つきの義妹に婚約者を寝取られ、婚約破棄されましたが、何故か隣国の王子に求婚されています。私の作った薬が必要と言われても、もう遅いです!

つくも/九十九弐式

文字の大きさ
23 / 57

【義妹SIDE】国王にアイリスを追い出した罪を問われる

「こ、国王陛下!! い、一体どういったご用件でしょうか!?」

 ディアンナ達は王国の国王陛下に呼び出された。威厳のある国王が目の前にいる。
 目つきが怖い。何かに怒っているようだった。

「我が国には疫病が蔓延している。そして隣国では薬師アイリスの手腕により、落ち着きを取り戻しているらしい」

「そ、それがどうかしたのでしょうか? 国王陛下」

 父は慄いていた。

「なぜじゃ! なぜアイリスが我が国ではなく隣国へ行ったのじゃ! 一体どうしてなのじゃ!」

「そ、それは……」

 (な、なんですの! ま、またあの根暗女ですの! 私が何をしたというんですの! それだけの事で婚約者も失い、屋敷も失ったのですのよ!)

 ディアンナは表情を歪めた。

「お前達の責任は重いぞ。薬師アイリスという、優秀な人材を流出させた罪。おかげで我が国は疫病で多くの死人も出ている!」

「そ、そんな! 国王陛下! 私達が悪いというのですか!」

 父は嘆いた。

「うむ。そうなるな。だが安心せい。諸君らが行った罪は直接的な罪ではない。意図して犯した罪ではない。禁固刑などといった刑罰は与えはしない」

 良かった。と胸を撫でおろす父だが、結局はその事に関して、何らかの責任。罰が与えられるのは確実であるようだった。

「これより薬師アイリスを国外流出させた罪に対して与える刑罰を発表する。ギルバルト家よ!! 貴様達から伯爵家の資格をはく奪する!」

 国王は宣言した。

「な、なんですってーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 国王の前であるにかかわらず、ディアンナは叫んだ。

「そ、そんな国王陛下!! それじゃあ私達は平民になれというんですの!!」

 もはや屋敷を失い、伯爵家の地位を失ってしまったらもうディアンナ達には何も残っていない。完全にゼロである。

「うむ。そうなるな。そしてさらには、制裁金金貨100枚も要求する!」

「な、なんですって!! 金貨100枚までですの!! そんなの!! あんまりですわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 ディアンナは嘆いた。今のギルバルト家に金貨100枚は払えない。完全に借金である。

「それでは今回の謁見は終わりだ。後は役人が滞りなくやってくれるだろう」

 こうして国王との謁見の時間は過ぎていった。

 そんな、そんな、そんな事って。ディアンナは嘆いた。しかし、嘆いてももはや現実は何も変わらなかった。

 こうしてディアンナは全てを失い、落ちるところまで落ちていったのである。だが、これはまだディアンナが転落沼に足が漬かった状態である。
 
 底はまだまだ深い。両肩から頭までずっぽしと漬かるまで、もうしばらくの時間を必要とした。



 
感想 121

あなたにおすすめの小説

婚約者は妹のような幼馴染みを何より大切にしているので、お飾り妻予定な令嬢は幸せになることを諦めた……はずでした。

待鳥園子
恋愛
伯爵令嬢アイリーンの婚約者であるセシルの隣には『妹のような幼馴染み』愛らしい容姿のデイジーが居て、身分差で結婚出来ない二人が結ばれるためのお飾り妻にされてしまうことが耐えられなかった。 そして、二人がふざけて婚姻届を書いている光景を見て、アイリーンは自分の我慢が限界に達そうとしているのを感じていた……のだけど!?

『お前の針仕事など誰でもできる』——なら社交界のドレスの裏地を、めくってごらんなさい

歩人
ファンタジー
「地味な針仕事しかできない令嬢は要らない」——公爵家の嫡男にそう言い渡された伯爵令嬢ティナは、 裁縫道具だけを持って屋敷を出た。その翌週、社交界が凍りつく。王妃の夜会服も、公爵令嬢の舞踏会 ドレスも、第一王女の外交用ローブも——仕立てた職人が消えたのだ。しかもティナが十年かけて縫った 全てのドレスの裏地には、二重縫いで隠された署名が残されていて——。 辺境の小さな仕立て屋で穏やかに暮らすティナの元に、王都から使者がやってくる。

家出を決行した結果

恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。 デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。 自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。 ※なろうさんにも公開しています。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

王妃の条件、貴族学校成績優秀の妹が駄目な理由

キャルキャル
恋愛
すぐに読めるざまぁ話

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。