42 / 43
第42話 アスタロトとの闘い
しおりを挟む
(三人称視点)
「ふっ……私の相手はお前等か」
エステルとレティシアの前に、魔王軍四天王の一角であるアスタロトが立ちはだかる。
その名にそぐわぬ、不気味なオーラをアスタロトは放っていた。ただならぬ敵であるという事は瞬時に伝わってくる。単身ではあるが、決して油断ならない相手であった。
「お前達の相手はこいつ等にしてもらおうか」
アスタロトは不気味な笑みを浮かべた。アスタロトは死霊術士(ネクロマンサー)である。死霊術(ネクロマンス)を使用するつもりなのだろう。
「『死霊術(ネクロマンス)』」
アスタロトは『死霊術(ネクロマンス)』を発動した。
「『アンデッドウォーリアー』『アンデッドナイト』『エルダーリッチ』」
『『『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』』』』
魔法陣が地面に描かれ、猛烈なうめき声が響き渡った。魔法陣から現れてきたのは複数体のアンデッド達だ。
『アンデッドウォーリアー』は両手に剣と斧を持った、接近戦に特化した大型のアンデッドモンスターである。どちらかというと、攻撃型のアンデッドモンスターだ。
『アンデッドナイト』は片手に剣を持ち、片方の手に盾を持ったアンデッドモンスターである。『アンデッドウォーリアー』が攻撃よりのアンデッドモンスターだとすると『アンデッドナイト』はどちらかというと、盾を持っている分、防御力によっている。
そして『エルダーリッチ』。これは大墳墓でカゲト達が闘った、リッチの上位版のようなアンデッドモンスターだ。強力な魔法攻撃を使用してくる。
「行け! 私の不死者(アンデッド)達よ!」
『『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』』
奇声を上げつつ、『アンデッドウォーリアー』と『アンデッドナイト』がエステルとレティシアに襲い掛かってくる。
キィン!
「くっ!」
エステルは迫りくる刃を自らの剣で受け止めた。甲高い音が響き渡る。こういう場合は前衛職であるエステルの役割みたいなものであった。前線に出て、刃を交えるのが彼女の仕事である。
キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン!
甲高い音が響き続ける。流暢にも聞こえるその音の連続はまるで楽器の演奏のようにも聞こえてきた。
いくら剣聖である彼女といっても、上位アンデッド二体を同時に相手にするのはなかなかに難儀しそうなものではあった。エステルは
当然のように、ただそれを黙って見ているエルダーリッチではなかった。エルダーリッチは呪文を唱え始める。エルダーリッチは魔法スキルを発動しようとしているのだ。
放たれるのは『暗黒魔法(ダークネス)』だった。暗黒の波動がエステルに襲い掛かってくる。
「させません! 『聖障壁(ホーリーウォール)』!」
レティシアは『聖障壁(ホーリーウォール)』を発動させる。聖なる光の壁にエステルは包まれる。そして、暗黒の波動はエステルの前で塵のようになって散っていった。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
間髪入れずに、エステルは『アンデッドウォーリアー』に斬りかかる。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
『アンデッドウォーリアー』は悲鳴を上げて、果てた。『アンデッドウォーリアー』と『アンデッドナイト』は二体で一体のような組み合わせだ。二体揃っていなければ、それほどの脅威にはならない。こうなればもはやこちらのものであった。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
続いて、エステルは『アンデッドナイト』に斬りかかる。
キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン!
しばらくは剣と盾で攻撃を凌いでいた『アンデッドナイト』ではあったが、地力は明らかにエステルの方が上であった。次第に限界がやってくる。『アンデッドナイト』の盾が吹き飛んだ。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
エステルの剣が『アンデッドナイト』に突き刺さる。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
『アンデッドナイト』が悲鳴を上げて果てた。
「『聖魔法(ホーリー)!」
レティシアは『聖魔法(ホーリー)』を放った。聖なる光がエルダーリッチに襲い掛かる。エルダーリッチは魔法こそ使えるが、HPや防御力はそう高くはない。攻撃が当たりさえすれば、割とあっさり死ぬタイプの敵でもあった。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
エルダーリッチが悲鳴を上げて果てる。
「くっ……こいつら、人間とエルフのくせに中々にやるではないか」
アスタロトは表情を歪める。アスタロトのLVは高いが、それでもアスタロト自体の戦闘能力はそう高くない。死霊術(ネクロマンス)により呼び出された不死者(アンデッド)の壁さえ突破できれば、勝つのはそう難しくはないはずだ。
戦況はこちらに分がある、そう思っていた。
だが、懸念点があった。そう、闇勇者ハヤトとカゲトとの闘いである。
強烈な光と闇のぶつかり合いを二人は感じた。
次回、闇勇者ハヤトとカゲトとの闘いに移っていく。
「ふっ……私の相手はお前等か」
エステルとレティシアの前に、魔王軍四天王の一角であるアスタロトが立ちはだかる。
その名にそぐわぬ、不気味なオーラをアスタロトは放っていた。ただならぬ敵であるという事は瞬時に伝わってくる。単身ではあるが、決して油断ならない相手であった。
「お前達の相手はこいつ等にしてもらおうか」
アスタロトは不気味な笑みを浮かべた。アスタロトは死霊術士(ネクロマンサー)である。死霊術(ネクロマンス)を使用するつもりなのだろう。
「『死霊術(ネクロマンス)』」
アスタロトは『死霊術(ネクロマンス)』を発動した。
「『アンデッドウォーリアー』『アンデッドナイト』『エルダーリッチ』」
『『『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』』』』
魔法陣が地面に描かれ、猛烈なうめき声が響き渡った。魔法陣から現れてきたのは複数体のアンデッド達だ。
『アンデッドウォーリアー』は両手に剣と斧を持った、接近戦に特化した大型のアンデッドモンスターである。どちらかというと、攻撃型のアンデッドモンスターだ。
『アンデッドナイト』は片手に剣を持ち、片方の手に盾を持ったアンデッドモンスターである。『アンデッドウォーリアー』が攻撃よりのアンデッドモンスターだとすると『アンデッドナイト』はどちらかというと、盾を持っている分、防御力によっている。
そして『エルダーリッチ』。これは大墳墓でカゲト達が闘った、リッチの上位版のようなアンデッドモンスターだ。強力な魔法攻撃を使用してくる。
「行け! 私の不死者(アンデッド)達よ!」
『『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』』
奇声を上げつつ、『アンデッドウォーリアー』と『アンデッドナイト』がエステルとレティシアに襲い掛かってくる。
キィン!
「くっ!」
エステルは迫りくる刃を自らの剣で受け止めた。甲高い音が響き渡る。こういう場合は前衛職であるエステルの役割みたいなものであった。前線に出て、刃を交えるのが彼女の仕事である。
キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン!
甲高い音が響き続ける。流暢にも聞こえるその音の連続はまるで楽器の演奏のようにも聞こえてきた。
いくら剣聖である彼女といっても、上位アンデッド二体を同時に相手にするのはなかなかに難儀しそうなものではあった。エステルは
当然のように、ただそれを黙って見ているエルダーリッチではなかった。エルダーリッチは呪文を唱え始める。エルダーリッチは魔法スキルを発動しようとしているのだ。
放たれるのは『暗黒魔法(ダークネス)』だった。暗黒の波動がエステルに襲い掛かってくる。
「させません! 『聖障壁(ホーリーウォール)』!」
レティシアは『聖障壁(ホーリーウォール)』を発動させる。聖なる光の壁にエステルは包まれる。そして、暗黒の波動はエステルの前で塵のようになって散っていった。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
間髪入れずに、エステルは『アンデッドウォーリアー』に斬りかかる。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
『アンデッドウォーリアー』は悲鳴を上げて、果てた。『アンデッドウォーリアー』と『アンデッドナイト』は二体で一体のような組み合わせだ。二体揃っていなければ、それほどの脅威にはならない。こうなればもはやこちらのものであった。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
続いて、エステルは『アンデッドナイト』に斬りかかる。
キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン! キィン!
しばらくは剣と盾で攻撃を凌いでいた『アンデッドナイト』ではあったが、地力は明らかにエステルの方が上であった。次第に限界がやってくる。『アンデッドナイト』の盾が吹き飛んだ。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
エステルの剣が『アンデッドナイト』に突き刺さる。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
『アンデッドナイト』が悲鳴を上げて果てた。
「『聖魔法(ホーリー)!」
レティシアは『聖魔法(ホーリー)』を放った。聖なる光がエルダーリッチに襲い掛かる。エルダーリッチは魔法こそ使えるが、HPや防御力はそう高くはない。攻撃が当たりさえすれば、割とあっさり死ぬタイプの敵でもあった。
『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
エルダーリッチが悲鳴を上げて果てる。
「くっ……こいつら、人間とエルフのくせに中々にやるではないか」
アスタロトは表情を歪める。アスタロトのLVは高いが、それでもアスタロト自体の戦闘能力はそう高くない。死霊術(ネクロマンス)により呼び出された不死者(アンデッド)の壁さえ突破できれば、勝つのはそう難しくはないはずだ。
戦況はこちらに分がある、そう思っていた。
だが、懸念点があった。そう、闇勇者ハヤトとカゲトとの闘いである。
強烈な光と闇のぶつかり合いを二人は感じた。
次回、闇勇者ハヤトとカゲトとの闘いに移っていく。
3
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる