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馬車に乗った私とエド王子は王城にたどり着きます。
すごく大きな王城でした。
エド王子は私に命を救われたことを両親、つまるところは国王と王妃に告げると、二人は私を温かく出迎えてくれます。
私の目の前にいるのがその国王と王妃です。二人とも若々しく、美しい見た目をしています。
やはり美醜は遺伝するものなのでしょう。
「よくぞお越しくださいました。聖女アリエル様」
「道中、息子が命を救われたようで感謝しておりますわ」
二人は私にそう、感謝の言葉を述べてきます。
「いえ。どういたしまして。人として当然の事をしたまでです」
「そして息子から話は聞いております。何でも聖女アリエル様は隣国を追われたそうです。ですが、それはこちらにとって僥倖だったかもしれません」
「ええ。我が王国は聖女の力を欲しているのです。どうか、我が王国であなた様の聖女としての力を存分に発揮してはいただけないでしょうか?」
「無論、報酬は望むだけお支払いします。金貨100枚でも200枚でも」
「それは年間での報酬という事でしょうか?」
「そんなとんでもない! ひと月の報酬であります」
私は驚きました。金貨1枚で一般家庭が一か月生活できるほどの金額なのです。ですから金貨100枚と言えば、もう100か月、数年は生活できてしまいます。
「そのほかに、できる事はなんなりとお手伝いさせていただきますわ。聖女様の望む環境、条件を極力整えてみせます」
「どうか、お願いします聖女アリエル様! どうか私達の王国に力を貸してください」
「どうかお願いします! 聖女アリエル様」
国王と王妃がそう言って頭を下げてきます。
「はぁ……」
「僕からもよろしく頼むよ。アリエル様。僕達は聖女としての君の力を必要としているんだ」
そうエド王子が私にまばゆいばかりの笑みを浮かべてきます。その笑みで何人の少女を虜にしてきたのでしょうか。想像もできない程の数でありましょう。
迷うまでもありませんでした。
「いいでしょう。元々路頭に迷っていたところなのです。私の聖女としての力、貴国のお役に立てるのでしたら、尽力したい次第であります」
「それは本当でありますか! 聖女アリエル様」
「ええ。本当です」
「やったわ! あなた!」
「ああ! これで我が王国は安泰だ」
二人は大喜びします。
やれやれ。大げさなんですから。私はため息を吐きます。
こうして私は隣国で聖女として働き始める事になったのです。
すごく大きな王城でした。
エド王子は私に命を救われたことを両親、つまるところは国王と王妃に告げると、二人は私を温かく出迎えてくれます。
私の目の前にいるのがその国王と王妃です。二人とも若々しく、美しい見た目をしています。
やはり美醜は遺伝するものなのでしょう。
「よくぞお越しくださいました。聖女アリエル様」
「道中、息子が命を救われたようで感謝しておりますわ」
二人は私にそう、感謝の言葉を述べてきます。
「いえ。どういたしまして。人として当然の事をしたまでです」
「そして息子から話は聞いております。何でも聖女アリエル様は隣国を追われたそうです。ですが、それはこちらにとって僥倖だったかもしれません」
「ええ。我が王国は聖女の力を欲しているのです。どうか、我が王国であなた様の聖女としての力を存分に発揮してはいただけないでしょうか?」
「無論、報酬は望むだけお支払いします。金貨100枚でも200枚でも」
「それは年間での報酬という事でしょうか?」
「そんなとんでもない! ひと月の報酬であります」
私は驚きました。金貨1枚で一般家庭が一か月生活できるほどの金額なのです。ですから金貨100枚と言えば、もう100か月、数年は生活できてしまいます。
「そのほかに、できる事はなんなりとお手伝いさせていただきますわ。聖女様の望む環境、条件を極力整えてみせます」
「どうか、お願いします聖女アリエル様! どうか私達の王国に力を貸してください」
「どうかお願いします! 聖女アリエル様」
国王と王妃がそう言って頭を下げてきます。
「はぁ……」
「僕からもよろしく頼むよ。アリエル様。僕達は聖女としての君の力を必要としているんだ」
そうエド王子が私にまばゆいばかりの笑みを浮かべてきます。その笑みで何人の少女を虜にしてきたのでしょうか。想像もできない程の数でありましょう。
迷うまでもありませんでした。
「いいでしょう。元々路頭に迷っていたところなのです。私の聖女としての力、貴国のお役に立てるのでしたら、尽力したい次第であります」
「それは本当でありますか! 聖女アリエル様」
「ええ。本当です」
「やったわ! あなた!」
「ああ! これで我が王国は安泰だ」
二人は大喜びします。
やれやれ。大げさなんですから。私はため息を吐きます。
こうして私は隣国で聖女として働き始める事になったのです。
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