20 / 36
第20話 クリスタルでスキルが進化する
しおりを挟む
俺達はミスリルの家に帰ってきた。
「ただいま……」
「はぁ……疲れました」
ミスリルの家にはなぜか実家のような安心感があった。ぜんぜん実家ではないのに。今の実家に帰る方が余程心落ち着くかないであろう。
「……このクリスタルを家に備えれば、皆さんのLVが上がり、授かっているスキルがより強化されるはずです」
東の塔から持ち帰ってきたクリスタルを手に持ち、リディアはそう語る。そして、リディアは家にクリスタルを備えたのだ。クリスタルは輝かしい光を放ち、俺達を照らし出した。
俺達の身体の底から不思議な力が湧き上がってきたような、そんな気分になった。きっと錯覚ではない。俺達のLVがUPし、強くなったはずだ。
「これで皆さんのLVが上がり、スキルが強化されたはずです」
リディアはそう語る。
「LVが上がり……スキルが強化がされたって、具体的に何が変わったんだ?」
俺は尋ねる。
「使ってみればいいんではないでしょうか? きっと何かが変わったはずですよ」
リディアに言われ、俺達はスキルを使用する。
俺は早速、【建築(ビルド)】スキルを使用した。使用頻度が最も高い『ビルドハンマー』を作り出したのである。
「『ビルドハンマー』」
いつものように、俺はスキルを発動した。しかし、作り出された『ビルドハンマー』はいつもとは変わっていたのである。
「この『ビルドハンマー』木製じゃない、ミスリル製になっている」
俺の『ビルドハンマー』はいつもは木製(ウッド)だった。だが、今はミスリル製になっている。大きな変化を遂げていた。いや、進化というべきか。
「それがLVが上がり、スキルが進化したという事です」
恐らくはスコップなど、他の【建築(ビルド)】スキルで作り出した道具も、ミスリル製へと進化している事だろう。これならば建築する際の作業効率が大幅に上がる。三人ではこの家は手狭になっていたところだ。ゆくゆくは拡張工事などもする必要があるだろう。その効率が今までよりも大幅に上がりそうだ……そんな確信が俺にはあったのだ。
それだけではない。今までは非力な俺だったが、ミスリル製の道具であったのならばもっとやれるはずだ。戦闘面でも俺は今までよりももっと役に立てる、そんな気がしたのだ。
「そうか……これがスキルが進化したという事か……」
「私も試してみたいです! ……ですが、このまま家で試すと色々と痛めそうなので、外で試しましょうか」
「ええ……そうしましょう」
こうして、俺達は一旦外に出た。そこでリノアの【大賢者】のスキルがどう進化したのか、試してみる事にしたのだ。
◇
目の前に置かれたのは余った木材だった。その木材を的にして、リノアは【大賢者】のスキルを発動する事にしたのだ。
「上級火炎魔法(ハイ・フレイム)!」
リノアは今まで使用できなかった、より上級の火炎魔法——上級火炎魔法(ハイ・フレイム)を使用した。
今までの火炎魔法(フレイム)よりも、より強力な凄まじい炎が的となった木材を襲い、一瞬で焼き尽くしたのだ。
「やりました! グラン様! 私のスキルも進化したみたいです!」
恐らくはリノアの【大賢者】によりスキルの進化は火炎系魔法に留まらない。きっとあらゆる魔法の系統でスキル進化による恩恵があったに違いない。
間違いなく、リノアの戦力も大幅に進化した。
「……これで皆さんのスキルは進化しました。これならばきっと、ドラゴン退治に出ても問題ないはずです」
リディアはそう語った。
「だといいんだけどなぁ……」
正直に言えば自信はなかった。普通のモンスターが相手ならともかく、相手はドラゴンなのだ。モンスターの中でも強力なドラゴンだ。スキルが進化したからといって、確実に倒せるという自信はなかった。
きっと危険な状況になる可能性はありえた。だが、やるしかなかったんだ。俺達にはもう、前に進む以外にない。このまま家に閉じこもっていても、いつ魔王軍の危機が迫ってくるのか、わからないのだ。
だから危険を顧みず、ドラゴン退治に挑むより他にない。
「とりあえず、どちらのドラゴン退治に向かいましょうか?」
リノアは聞いた。
「どちらでもいいです……風の噂に聞いた所、どちらも出現するドラゴンは強力だと聞いています。どちらが先だから倒すのが楽とか……そういうのもないと思います」
「ふーん……なら」
適当で良かった。
「南にいる、火竜(レッドドラゴン)の方から先に挑もうか……」
俺達は爆薬の元になる火竜(レッドドラゴン)の鱗を手に入れる為、南の山へと向かった。
だが、火竜(レッドドラゴン)が生息する南の山は実は火山であり、とても高温になる場所に生息していたのだ。
……だから、たどり着くだけで大変な難所だったのだ。
火竜(レッドドラゴン)と対峙するより前に、天然の脅威が俺達に襲い掛かってきたのだ。
「ただいま……」
「はぁ……疲れました」
ミスリルの家にはなぜか実家のような安心感があった。ぜんぜん実家ではないのに。今の実家に帰る方が余程心落ち着くかないであろう。
「……このクリスタルを家に備えれば、皆さんのLVが上がり、授かっているスキルがより強化されるはずです」
東の塔から持ち帰ってきたクリスタルを手に持ち、リディアはそう語る。そして、リディアは家にクリスタルを備えたのだ。クリスタルは輝かしい光を放ち、俺達を照らし出した。
俺達の身体の底から不思議な力が湧き上がってきたような、そんな気分になった。きっと錯覚ではない。俺達のLVがUPし、強くなったはずだ。
「これで皆さんのLVが上がり、スキルが強化されたはずです」
リディアはそう語る。
「LVが上がり……スキルが強化がされたって、具体的に何が変わったんだ?」
俺は尋ねる。
「使ってみればいいんではないでしょうか? きっと何かが変わったはずですよ」
リディアに言われ、俺達はスキルを使用する。
俺は早速、【建築(ビルド)】スキルを使用した。使用頻度が最も高い『ビルドハンマー』を作り出したのである。
「『ビルドハンマー』」
いつものように、俺はスキルを発動した。しかし、作り出された『ビルドハンマー』はいつもとは変わっていたのである。
「この『ビルドハンマー』木製じゃない、ミスリル製になっている」
俺の『ビルドハンマー』はいつもは木製(ウッド)だった。だが、今はミスリル製になっている。大きな変化を遂げていた。いや、進化というべきか。
「それがLVが上がり、スキルが進化したという事です」
恐らくはスコップなど、他の【建築(ビルド)】スキルで作り出した道具も、ミスリル製へと進化している事だろう。これならば建築する際の作業効率が大幅に上がる。三人ではこの家は手狭になっていたところだ。ゆくゆくは拡張工事などもする必要があるだろう。その効率が今までよりも大幅に上がりそうだ……そんな確信が俺にはあったのだ。
それだけではない。今までは非力な俺だったが、ミスリル製の道具であったのならばもっとやれるはずだ。戦闘面でも俺は今までよりももっと役に立てる、そんな気がしたのだ。
「そうか……これがスキルが進化したという事か……」
「私も試してみたいです! ……ですが、このまま家で試すと色々と痛めそうなので、外で試しましょうか」
「ええ……そうしましょう」
こうして、俺達は一旦外に出た。そこでリノアの【大賢者】のスキルがどう進化したのか、試してみる事にしたのだ。
◇
目の前に置かれたのは余った木材だった。その木材を的にして、リノアは【大賢者】のスキルを発動する事にしたのだ。
「上級火炎魔法(ハイ・フレイム)!」
リノアは今まで使用できなかった、より上級の火炎魔法——上級火炎魔法(ハイ・フレイム)を使用した。
今までの火炎魔法(フレイム)よりも、より強力な凄まじい炎が的となった木材を襲い、一瞬で焼き尽くしたのだ。
「やりました! グラン様! 私のスキルも進化したみたいです!」
恐らくはリノアの【大賢者】によりスキルの進化は火炎系魔法に留まらない。きっとあらゆる魔法の系統でスキル進化による恩恵があったに違いない。
間違いなく、リノアの戦力も大幅に進化した。
「……これで皆さんのスキルは進化しました。これならばきっと、ドラゴン退治に出ても問題ないはずです」
リディアはそう語った。
「だといいんだけどなぁ……」
正直に言えば自信はなかった。普通のモンスターが相手ならともかく、相手はドラゴンなのだ。モンスターの中でも強力なドラゴンだ。スキルが進化したからといって、確実に倒せるという自信はなかった。
きっと危険な状況になる可能性はありえた。だが、やるしかなかったんだ。俺達にはもう、前に進む以外にない。このまま家に閉じこもっていても、いつ魔王軍の危機が迫ってくるのか、わからないのだ。
だから危険を顧みず、ドラゴン退治に挑むより他にない。
「とりあえず、どちらのドラゴン退治に向かいましょうか?」
リノアは聞いた。
「どちらでもいいです……風の噂に聞いた所、どちらも出現するドラゴンは強力だと聞いています。どちらが先だから倒すのが楽とか……そういうのもないと思います」
「ふーん……なら」
適当で良かった。
「南にいる、火竜(レッドドラゴン)の方から先に挑もうか……」
俺達は爆薬の元になる火竜(レッドドラゴン)の鱗を手に入れる為、南の山へと向かった。
だが、火竜(レッドドラゴン)が生息する南の山は実は火山であり、とても高温になる場所に生息していたのだ。
……だから、たどり着くだけで大変な難所だったのだ。
火竜(レッドドラゴン)と対峙するより前に、天然の脅威が俺達に襲い掛かってきたのだ。
12
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる