外れスキル【建築】持ちの俺は実家を追放される。辺境で家作りをしていただけなのに、魔王城よりもすごい最強の帝国が出来上がってた

つくも/九十九弐式

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第20話 クリスタルでスキルが進化する

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 俺達はミスリルの家に帰ってきた。

「ただいま……」

「はぁ……疲れました」

 ミスリルの家にはなぜか実家のような安心感があった。ぜんぜん実家ではないのに。今の実家に帰る方が余程心落ち着くかないであろう。

「……このクリスタルを家に備えれば、皆さんのLVが上がり、授かっているスキルがより強化されるはずです」

 東の塔から持ち帰ってきたクリスタルを手に持ち、リディアはそう語る。そして、リディアは家にクリスタルを備えたのだ。クリスタルは輝かしい光を放ち、俺達を照らし出した。

 俺達の身体の底から不思議な力が湧き上がってきたような、そんな気分になった。きっと錯覚ではない。俺達のLVがUPし、強くなったはずだ。

「これで皆さんのLVが上がり、スキルが強化されたはずです」

 リディアはそう語る。

「LVが上がり……スキルが強化がされたって、具体的に何が変わったんだ?」

 俺は尋ねる。

「使ってみればいいんではないでしょうか? きっと何かが変わったはずですよ」

 リディアに言われ、俺達はスキルを使用する。

 俺は早速、【建築(ビルド)】スキルを使用した。使用頻度が最も高い『ビルドハンマー』を作り出したのである。

「『ビルドハンマー』」

 いつものように、俺はスキルを発動した。しかし、作り出された『ビルドハンマー』はいつもとは変わっていたのである。

「この『ビルドハンマー』木製じゃない、ミスリル製になっている」

 俺の『ビルドハンマー』はいつもは木製(ウッド)だった。だが、今はミスリル製になっている。大きな変化を遂げていた。いや、進化というべきか。

「それがLVが上がり、スキルが進化したという事です」

 恐らくはスコップなど、他の【建築(ビルド)】スキルで作り出した道具も、ミスリル製へと進化している事だろう。これならば建築する際の作業効率が大幅に上がる。三人ではこの家は手狭になっていたところだ。ゆくゆくは拡張工事などもする必要があるだろう。その効率が今までよりも大幅に上がりそうだ……そんな確信が俺にはあったのだ。

 それだけではない。今までは非力な俺だったが、ミスリル製の道具であったのならばもっとやれるはずだ。戦闘面でも俺は今までよりももっと役に立てる、そんな気がしたのだ。

「そうか……これがスキルが進化したという事か……」

「私も試してみたいです! ……ですが、このまま家で試すと色々と痛めそうなので、外で試しましょうか」

「ええ……そうしましょう」

 こうして、俺達は一旦外に出た。そこでリノアの【大賢者】のスキルがどう進化したのか、試してみる事にしたのだ。

 ◇

目の前に置かれたのは余った木材だった。その木材を的にして、リノアは【大賢者】のスキルを発動する事にしたのだ。

「上級火炎魔法(ハイ・フレイム)!」

 リノアは今まで使用できなかった、より上級の火炎魔法——上級火炎魔法(ハイ・フレイム)を使用した。
 
 今までの火炎魔法(フレイム)よりも、より強力な凄まじい炎が的となった木材を襲い、一瞬で焼き尽くしたのだ。

「やりました! グラン様! 私のスキルも進化したみたいです!」

 恐らくはリノアの【大賢者】によりスキルの進化は火炎系魔法に留まらない。きっとあらゆる魔法の系統でスキル進化による恩恵があったに違いない。

 間違いなく、リノアの戦力も大幅に進化した。

「……これで皆さんのスキルは進化しました。これならばきっと、ドラゴン退治に出ても問題ないはずです」

 リディアはそう語った。

「だといいんだけどなぁ……」

 正直に言えば自信はなかった。普通のモンスターが相手ならともかく、相手はドラゴンなのだ。モンスターの中でも強力なドラゴンだ。スキルが進化したからといって、確実に倒せるという自信はなかった。

 きっと危険な状況になる可能性はありえた。だが、やるしかなかったんだ。俺達にはもう、前に進む以外にない。このまま家に閉じこもっていても、いつ魔王軍の危機が迫ってくるのか、わからないのだ。

 だから危険を顧みず、ドラゴン退治に挑むより他にない。

「とりあえず、どちらのドラゴン退治に向かいましょうか?」

 リノアは聞いた。

「どちらでもいいです……風の噂に聞いた所、どちらも出現するドラゴンは強力だと聞いています。どちらが先だから倒すのが楽とか……そういうのもないと思います」

「ふーん……なら」

 適当で良かった。

「南にいる、火竜(レッドドラゴン)の方から先に挑もうか……」

 俺達は爆薬の元になる火竜(レッドドラゴン)の鱗を手に入れる為、南の山へと向かった。

 だが、火竜(レッドドラゴン)が生息する南の山は実は火山であり、とても高温になる場所に生息していたのだ。

 ……だから、たどり着くだけで大変な難所だったのだ。

 火竜(レッドドラゴン)と対峙するより前に、天然の脅威が俺達に襲い掛かってきたのだ。

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