外れスキル【建築】持ちの俺は実家を追放される。辺境で家作りをしていただけなのに、魔王城よりもすごい最強の帝国が出来上がってた

つくも/九十九弐式

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第21話 南の火山で火竜と闘う

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「うっ……ううっ……………………………………………………………………………」

 普通、山というのは登れば登る程涼しくなる。そういう風になっているのだ。だが、この山は例外的だった。頂上からはマグマが噴出している火山である。であるが故に登れば登る程暑くなるという……普通の山とは真逆の現象が起きてきた。

 俺は暑さのあまり、項垂れる。

「グ、グラン様…………、大丈夫ですか?」

 リノアが俺を心配して、声をかけてくる。だが、無論彼女だって暑いはずだ。エルフだから暑さを感じないとか、そういう事もないとも思う。

 心の持ちようで何とかなる次元を超えた、まるで沸騰してしまうのではないかと感じる程にこの火山は暑かったのだ。

「だ、大丈夫じゃないけど……何とか耐えるしかないだろ」

「お水をどうぞ、グラン様……火竜(レッドドラゴン)と闘うよりも前に力尽きては元も子もありません」

 リノアはそう言って、俺に水を差しだしてくる。

「サンキュー……リノア。ぐぴぐぴぐぴ……ぷはーっ! 生き返った!」

 俺は水を勢いよく飲んだ。だが、問題があったのだ。水といえども有限だったのだ。この火山に泉があるわけがない。沸騰してしまうからだ。雨も降るわけがないし、飲み水を新たに入手する事は不可能だったのだ。

 水は貴重なのだから、大事に飲まなければならないのだ。

「……ですがグラン様。わかっているとは思いますが水には限りがあります」

「わかってるよ……リノア、そんな事」

「しばらくはこれで我慢してください……氷結魔法(コールド)」

 リノアは俺に氷結魔法(コールド)を放った。当然のように威力は抑えてはいるが……。

 ヒューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 リノアの魔法により、猛烈な寒風が俺に襲い掛かってくる。

 だが、十分寒かった。冷たい風は俺が今火山にいる事を忘れさせる程であった。

「……ありがとう、リノア。け、けどもう十分だよ。十分涼しくなった」

「そうですか……お役に立てたのなら幸いです」

「もうすぐ、この火山の頂上に着きます。そこに火竜(レッドドラゴン)が生息しているそうです」

 リディアがそう言った。

 火山の頂上に着いた俺達は、ついに目的の火竜(レッドドラゴン)と遭遇する事になったのだ。

 そして、リディアの言った通り、南の火山の頂上に火竜(レッドドラゴン)が生息していたのである。

 全身を赤い鱗で纏った、大きなドラゴン。翼を持った大トカゲのようなモンスターが火山の頂上を闊歩していたのだ。

 そして火竜(レッドドラゴン)は侵入者である俺達に気づいた。そして両翼を大きく広げ、雄たけびを発したのだ。

 ガ、ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

「うっ、ううっ!」

 雄たけびは凄まじかった。この火山中に響き渡る程に、巨大な雄たけびであった。あまりにうるさく、鼓膜が響くのを感じた。俺達は思わず耳を塞ぐのであった。

 こうして俺達と火竜(レッドドラゴン)の闘いが始まったのである。

「気を付けてください! グラン様!」

 こちらの状況などお構いなく、火竜(レッドドラゴン)は攻撃し始めてきた。繰り出してきたのは炎の息吹(ブレス)だ。

 ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

 紅蓮の炎が俺に襲い掛かる。凄まじい勢いの炎であった。今までの『ビルドハンマー』は木製であった為、耐え切れなかっただろう。だが、俺の【建築(ビルド)】スキルは進化を果たしたのだ。今の俺の『ビルドハンマー』はミスリル製だった。今の俺は前の俺とは違う。きっとやれるはずだ。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

俺は【建築(ビルド)】スキルを発動した。手にはミスリル製の『ビルドハンマー』が作り出される。

「はあっ!」
 
 俺は進化した『ビルドハンマー』を振るう。ミスリル製の『ビルドハンマー』は火竜(レッドドラゴン)の炎の息吹(ブレス)にも負けず、掻き消す事に成功したのである。

「凄いです! グラン様!」

 そう、リノアが言った。

「次も来ます」

 そう、リディアが注意を促す。炎の息吹(ブレス)がかき消されるや否や、別の手段で攻撃してきたのである。火竜(レッドドラゴン)はその巨体からは想像もできない程に俊敏な動きで間合いを詰めてきた。そして、繰り出してのはその鋭利な爪(クロー)による攻撃であった。

「うわっ!」

 キィン!

 俺はその攻撃により、吹き飛ばされた。明らかに俺の力ではドラゴン相手には力負けしているようだ。

 ド―――――――――――――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

 俺は壁に叩きつけられた。

「ぐはあっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 壁に叩きつけられた俺は大きなダメージを負った。口から血が吐き出される。

「グラン様!」

 リノアが叫ぶ。

「お、俺に構うな……リノア……今、奴の注意は俺に向いている……ドラゴンに有効な魔法攻撃を放てるのは君しかいない……リノア、君がトドメを指すんだ」

 俺は大きなダメージを負いつつも、自分の救助よりもドラゴンへの攻撃を優先させる事にした。

 進化したリノアの【大賢者】のスキルであれば、きっとドラゴンを打倒する事ができるはずだ。

「は、はい! グラン様!」

 リノアは進化した【大賢者】のスキルを発動させる。強力な魔法攻撃が放たれるはずだ。

「上級氷魔法(ハイ・フロスト)!」

 リノアは火竜(レッドドラゴン)の弱点属性である氷属性の魔法攻撃を放った。その威力は凄まじかった。絶対零度に近い、極寒の冷波が火竜(レッドドラゴン)を襲うのだ。

 グ、グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

 火竜(レッドドラゴン)は長い、長い断末魔を上げて果てた。リノアの上級氷魔法(ハイ・フロスト)により、一瞬でカチンコチンの氷漬けになってしまったのだ。

「グラン様! ……待っててください。すぐに回復魔法(ヒーリング)をかけます。いえ、今の私なら、上級回復魔法(ハイ・ヒーリング)だって使えます……一瞬でその傷を癒す事ができますから」

 リノアが俺に駆け寄ってきた。そして慌てて回復魔法(ヒーリング)をかけてくる。

「あ、ありがとうリノア……凄い勢いで傷が治っていくよ」

 俺の傷は瞬く間に癒えていった。体力(HP)が回復した俺は、立ち上がるのであった。

 倒れたドラゴンから、俺達はアイテムを入手する。
======================================
入手アイテム

アイテム名。火竜(レッドドラゴン)の鱗。×100。火竜(レッドドラゴン)の鱗。爆発性があり、装備類や道具によく使われる。砲丸の爆薬としても使用する事ができる。

======================================

 俺はアイテムポーチに火竜(レッドドラゴン)の鱗を入れた。こうして問題なく、目的のアイテムを入手する事に成功したのである。

「よし……これで南の火山での目的は達成できたな」

「ですね! やりましたね! グラン様!」

 リノアは喜んだ。

「残るは北の山へ行って、そこにいるドラゴンを倒して、アダマンタイトを入手するだけです」

 そう、リディアが言った。

「よし! これで最後だ! 北の山へ行こう! そうすればリディアが砲台を作ってくれるはずだ!」

 こうして俺達は北の山へ向かうのであった。しかし、そこで更なる試練が襲い掛かってくるのであった。俺達の試練の時が続く。
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