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第33話 国王に褒賞される
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「うわー……人がいっぱい……それに、大きいお城ですー」
馬車に乗った俺達は人間の国アークライトを訪れていた。流石は来賓という事もあり、相応の待遇を用意されているようだ。初めて人間の国を訪れるリディアは興奮気味に馬車の窓から外の様子を眺めていた。
対するリノアは二回目の訪問である……最初の時程驚きはしないだろう。至極落ち着いた様子で馬車に乗っていた。
「着きました……ここがアークライトの王城です」
こうして俺達は馬車を降りた。
「国王がお待ちです。付いてきてください」
使者に従い、俺達は国王の元へ向かうのであった。
◇
「国王陛下! 魔王軍を退けた英雄達をお連れしました!」
「おお、誠か!」
俺達は国王のいる広間へと通される。そこにいたのは白髪をし、白髭を伸ばしたいかにも国王といった風貌の男だった。
「……人間が一人、それからエルフにドワーフか……ん?」
「お久しぶりです……国王陛下」
俺は頭を下げる。ロズベルグ家の本来の世継ぎであった俺は国王とも面識があったのだ。神聖な儀式、国のイベント、そういった時にロズベルグ家も参列する機会が多かった。ただの一般庶民よりは大分国王と接する機会は多かったのである。
「そなたはロズベルグ家の……」
「グランと申します。国王陛下」
「おお……グラン殿か。なぜそなたがここに……何か事情があって、ロズベルグ家を出ていったとは聞き及んでおるが……」
出ていったか……。体裁を気にする実父クレイはあまり、俺が外れスキルを授かり、実家を追い出されたという事実を隠したかったのだろう。
表向きは俺が個人的な事情で自ら出ていったという体裁を取り繕っているようだ。いくら外れスキルを授かったからと言って、自らの息子を追い出したとあってはバツが悪いのだろう。
「ええ……色々と理由があって。今は国を出て、北の辺境に住んでいます」
「北の辺境に……なぜそんな辺鄙なところに。何やら深い事情がありそうだのぉ」
国王は話題を切り替える。
「まあよい……話したい事もあるだろう。いくら国王だからと言って、何もかもを包み隠さず話なければならぬという事もあるまい。話したくない事があるなら話さないままでよい。それでは本題に移ろうか」
国王は本題に入ったようだ。
「そなた達、三人が魔王軍を退けたというのは本当か?」
「……はい。一応はそうなるかと思います」
「どのようにして僅か三人であの魔王軍を退けることができたのか……誠に不思議ではあるが。そなた達三人が国を大いなる危機から救った英雄である事に間違いはない……褒賞はどのようなものを望むか? 大抵の望みは叶えてやれるぞ」
ある程度、国王の対応は予想できた。これに対するこちらの出方もあらかじめ考えてある。想定通りだった。
「お言葉に甘えさせて頂きます。国王陛下。それでしたら僅かばかりのお金と……それから、この国に出入りする自由をお願いします。こちらにいるエルフとドワーフのリノアとリディアにも同じように……」
「ふむ……エルフとドワーフに対する迫害は未だに根強いから言っている事はわかるが、グラン殿、なぜそなたまでそのような事を申し付けてくるのだ?」
国王は首を傾げた。
「それは……色々と察して頂けると助かります」
「ふむ。良いだろう。深く詮索はしないでおこう。それだけで良いのか?」
「ええ……それだけで構いません」
「良かろう……その二つの褒美に関しては滞りなく手配しておく。報奨金に関しては既に用意していたのだ……もってこい」
「はっ!」
国王は使者に命令をする。
使者は既に報奨金に関しては用意をしていたようだ。
「こちらをどうぞ」
俺は使者から袋を受け取る。袋にはずっしりとした重みがある。まさか……これは全部金貨なのか? 金貨だとしたら、相当な金額になる。例えるならそうだ。一等地にある一軒家だったら問題なく買えるほどの金額に。
「……中を見てもよろしいでしょうか? 国王陛下」
「勿論、構わぬ」
「では……」
袋の中を見やる。中には輝かしい金貨がビッシリと詰まっていたのである。
「不足かね? 足りなければ欲しいだけの金額を用意しよう」
「い、いえ! これだけ頂ければ十二分です!」
俺は答える。
「何も遠慮する事などない……そなた達は国を救い、大勢の国民を救った英雄なのだからな。それだけの報いを受ける権利があるのだ」
「いえ、もう十分です。何も俺達も褒美が欲しくて魔王軍と闘ったわけではありませんから……」
「こ、国王陛下!」
一人の兵士が俺達のいる広間に飛び込んでくる。
「どうした?」
「ロズベルグ家の方々が面会をしたいと申し上げています……」
「ふむ……一体、どのような用件かはわからぬが。ロズベルグ家と王族は旧知の仲である……通すが良い」
「はっ!」
しばらくして広間にロズベルグ家の面々が姿を現したのだ。
実父クレイ。そして義弟ヘイト。それから……ロズベルグ家とは直接の関係はないが、ヘイトが囲っている貴族の娘が三名。
俺達は思いもせぬ再会を果たす事となる。
馬車に乗った俺達は人間の国アークライトを訪れていた。流石は来賓という事もあり、相応の待遇を用意されているようだ。初めて人間の国を訪れるリディアは興奮気味に馬車の窓から外の様子を眺めていた。
対するリノアは二回目の訪問である……最初の時程驚きはしないだろう。至極落ち着いた様子で馬車に乗っていた。
「着きました……ここがアークライトの王城です」
こうして俺達は馬車を降りた。
「国王がお待ちです。付いてきてください」
使者に従い、俺達は国王の元へ向かうのであった。
◇
「国王陛下! 魔王軍を退けた英雄達をお連れしました!」
「おお、誠か!」
俺達は国王のいる広間へと通される。そこにいたのは白髪をし、白髭を伸ばしたいかにも国王といった風貌の男だった。
「……人間が一人、それからエルフにドワーフか……ん?」
「お久しぶりです……国王陛下」
俺は頭を下げる。ロズベルグ家の本来の世継ぎであった俺は国王とも面識があったのだ。神聖な儀式、国のイベント、そういった時にロズベルグ家も参列する機会が多かった。ただの一般庶民よりは大分国王と接する機会は多かったのである。
「そなたはロズベルグ家の……」
「グランと申します。国王陛下」
「おお……グラン殿か。なぜそなたがここに……何か事情があって、ロズベルグ家を出ていったとは聞き及んでおるが……」
出ていったか……。体裁を気にする実父クレイはあまり、俺が外れスキルを授かり、実家を追い出されたという事実を隠したかったのだろう。
表向きは俺が個人的な事情で自ら出ていったという体裁を取り繕っているようだ。いくら外れスキルを授かったからと言って、自らの息子を追い出したとあってはバツが悪いのだろう。
「ええ……色々と理由があって。今は国を出て、北の辺境に住んでいます」
「北の辺境に……なぜそんな辺鄙なところに。何やら深い事情がありそうだのぉ」
国王は話題を切り替える。
「まあよい……話したい事もあるだろう。いくら国王だからと言って、何もかもを包み隠さず話なければならぬという事もあるまい。話したくない事があるなら話さないままでよい。それでは本題に移ろうか」
国王は本題に入ったようだ。
「そなた達、三人が魔王軍を退けたというのは本当か?」
「……はい。一応はそうなるかと思います」
「どのようにして僅か三人であの魔王軍を退けることができたのか……誠に不思議ではあるが。そなた達三人が国を大いなる危機から救った英雄である事に間違いはない……褒賞はどのようなものを望むか? 大抵の望みは叶えてやれるぞ」
ある程度、国王の対応は予想できた。これに対するこちらの出方もあらかじめ考えてある。想定通りだった。
「お言葉に甘えさせて頂きます。国王陛下。それでしたら僅かばかりのお金と……それから、この国に出入りする自由をお願いします。こちらにいるエルフとドワーフのリノアとリディアにも同じように……」
「ふむ……エルフとドワーフに対する迫害は未だに根強いから言っている事はわかるが、グラン殿、なぜそなたまでそのような事を申し付けてくるのだ?」
国王は首を傾げた。
「それは……色々と察して頂けると助かります」
「ふむ。良いだろう。深く詮索はしないでおこう。それだけで良いのか?」
「ええ……それだけで構いません」
「良かろう……その二つの褒美に関しては滞りなく手配しておく。報奨金に関しては既に用意していたのだ……もってこい」
「はっ!」
国王は使者に命令をする。
使者は既に報奨金に関しては用意をしていたようだ。
「こちらをどうぞ」
俺は使者から袋を受け取る。袋にはずっしりとした重みがある。まさか……これは全部金貨なのか? 金貨だとしたら、相当な金額になる。例えるならそうだ。一等地にある一軒家だったら問題なく買えるほどの金額に。
「……中を見てもよろしいでしょうか? 国王陛下」
「勿論、構わぬ」
「では……」
袋の中を見やる。中には輝かしい金貨がビッシリと詰まっていたのである。
「不足かね? 足りなければ欲しいだけの金額を用意しよう」
「い、いえ! これだけ頂ければ十二分です!」
俺は答える。
「何も遠慮する事などない……そなた達は国を救い、大勢の国民を救った英雄なのだからな。それだけの報いを受ける権利があるのだ」
「いえ、もう十分です。何も俺達も褒美が欲しくて魔王軍と闘ったわけではありませんから……」
「こ、国王陛下!」
一人の兵士が俺達のいる広間に飛び込んでくる。
「どうした?」
「ロズベルグ家の方々が面会をしたいと申し上げています……」
「ふむ……一体、どのような用件かはわからぬが。ロズベルグ家と王族は旧知の仲である……通すが良い」
「はっ!」
しばらくして広間にロズベルグ家の面々が姿を現したのだ。
実父クレイ。そして義弟ヘイト。それから……ロズベルグ家とは直接の関係はないが、ヘイトが囲っている貴族の娘が三名。
俺達は思いもせぬ再会を果たす事となる。
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