僕の彼女が【自称】守護霊になりました。

あかつき双。

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4. やっぱり学校は危険です。

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 「なあ、彼女の、葬式に行かんかったのかあ?
  ほんとは好きじゃなかったんじゃないのか?ただぼっちから抜け出す道具、だったんじゃないのか?」

 ああ、なんでこんなやつらがいるのか。言い返すことまでも呆れる。

はたから見ることしかできない彼女の顔は、酷く憎悪に満ちた顔をしていた。
きっと僕もそんな顔をしているのだろう。

 たしかに僕は独りだ、彼女がいなければ。しかし、葬式に行かなかったのはショックでその場から動けなかったから。好きじゃないないわけがない。
 そう言えばよかったものの、僕は口を開かずに、冷たい眼差しで見てしまっていた。
それに腹が立ったのか、僕の胸倉をつかんできた。

 「あ?お前、なんだよその目は?」

 彼女に目線を向けた。

 「お前、どこみてんだよ?」


 
 悪霊、だった。



   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そのあとのことはよく覚えていない。
ただ、冬華が悪霊になって、あいつを殺そうとした。
そのことだけが鮮明に、記憶の中をたどっている。
そして、彼女が今までにないほどの重苦し気にしていたことも。
あの瞬間、先生が教室に入ってこなければ、どうなっていただろう。
きっと取り返しのつかないことになっていたに違いない。
 
「つかれたぁー…。」
 
彼女はいつも通り明るい表情に戻っている。
今は昼休憩中。僕と幽霊の彼女しかいない屋上で横になっているところだ。

「やっぱり学校危険だよ!つかさ!」

「冬華が急に暴走しかけたからだろー。僕は別にあのままボコボコされてよかったのに。」 
 
「よくない!!」

身体を起こそうとすると、彼女が急に顔を近づけてきた。驚きでコンクリートに頭を打つ。

「よくないよ!つかさが幸せになってくれないと!」

真面目そうな顔でまじまじと見てくる。
ズキズキと痛む後頭部を抑えながら、身体をもう一度起こした。

「わかったわかった!!とにかく、呪い殺しはしないように。」

「はーい。」


 ため息をこぼしたとき、ちょうど予鈴が鳴った。
出入口の扉を開き、階段を降りる。
屋上まで三、四段のすぐのところで、一人、すれ違った。
幽霊の彼女を見ていた、気がする。
振り返り、その人の背中を見る。

気のせいだと思い、教室に戻ることにした。
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