駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜

あーもんど

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本編

兄弟の絆《フェリクス side》①

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◇◆◇◆

 ────シャノン皇太子殿下に連れられるままラニット公爵家を後にした僕は、皇城の牢屋へ閉じ込められた。
と言っても、貴族仕様なので物凄く快適だが。
高級ホテルの一室と見間違えてしまうほどに。

 でも、このような待遇を受けられるのは判決が下るまで。
今回の罪状からして、身分剥奪や労役は確実のため。
最悪、死刑だって有り得る。

 備え付けのソファに腰を下ろしつつ、僕は強く手を握り締める。
このまま死ぬのは、あまりにも虚しくて。
『結局何も成せなかったどころか、お門違いのことをしていたのだから』と思い返し、嘆息した。

「だけど、身の程知らずの僕には似合いの末路かもしれないね……」

 ────と、呟いた数週間後。
ついに裁判が終わり、僕は終身刑を下された。
それも、身分剥奪や労役は一切なしという条件で。

 破格にも、ほどがある……いや、普通の貴族同士のいざこざならこれくらいが妥当だけど、相手はラニット公爵家。
もっと重い罰を下されても、おかしくない。というか、それが普通。

 『一体、何がどうなって……?』と混乱しながら、僕はすっかり住み慣れた牢屋を眺める。
まだここに居る事実を通し、本当に終身刑だけで終わったことを実感して。
『もしや、デニス皇子殿下が裏から手を回してくれたんだろうか』と思案する中、不意に金髪を目にした。

「────やあ、令息」

 そう言って、檻越しにこちらを見下ろすのはシャノン皇太子殿下だった。
いつものようにニッコリ笑う彼は、スッと手を上げる。
すると、護衛達が一礼して少し離れた場所へ移動した。

「裁判、お疲れ様。終始毅然とした態度で、良かったよ」

 『一人で心細かっただろうに』と言い、シャノン皇太子殿下は労をねぎらう。
と同時に、スッと目を細めた。

「そのおかげか、判決も比較的良心的だったし」

「……それだけで、あの判決はないと思います」

 つい反論を口走る僕に対し、シャノン皇太子殿下は少しばかり目を剥く。
が、直ぐに元へ戻った。

「そうだね。君の言う通りだよ」
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