私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

突撃②

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 私は主に結界の破壊を担当していたから、あんまり戦っている実感がないわね。
でも、下手に前へ出ても迷惑を掛けるだけだし、仕方ない。
何より、ヴィンセントが私の様子を凄く気にしているから。
もしも、私が敵に向かっていったら自分の役目を放棄して守りに来るかもしれない。

 『さっき分断された時だって、かなり動揺していたし』と考え、私は自重する。
────と、ここで奥の部屋……恐らく祈祷室から数人の子供・・が、姿を現した。
それぞれ、剣や杖を手に持った状態で。

 もしかして、あの子達は────。

「貴様ら、血統魔法・・・・を使って時間を稼げ!絶対に誰も通すな!」

 教皇聖下は武装も何もしていない……ただ、血統魔法の媒介を持っただけの子供達に、『戦え』と命じた。
それが、どれほど理不尽で……残酷なことか、想像もせず。

 なんて、自分勝手な人なの……良心の欠片もない。

 人体実験に手を出すくらいだから、常識人じゃないのは分かっていたものの……ここまで下衆とは思わず、つい嫌悪感を前面に出してしまう。
『腸が煮えくり返るとは、このことか』と実感しつつ、私は祈祷室の中へ消えた教皇聖下を見据えた。
その瞬間、自分とよく似た銀髪が視界を遮る。

「えっ?アイリス?」

 どんどん前へ進んでいく妹を前に、私はポカンとした。
が、直ぐに平静を取り戻し、彼女の後を追う。
『一体、何をするつもりなの!?』と困惑する中、最前列まで躍り出た。
と同時に、アイリスが鞭や剣を仕舞う。

「初めまして、私はアイリス・レーナ・エーデル────貴方達を助けに来たの」

 少しばかり身を屈め、アイリスはふわりと柔らかく微笑んだ。
子供達の警戒心を解すように。
でも、あんまり効果はないようで……訝しむような目を向けられてしまった。
表情を硬くして縮こまる子供達を前に、アイリスは小さく肩を竦める。

「いきなり、こんなことを言われても信じられないわよね。だけど、本当よ。その証拠として、貴方達を苦しめてきた人間達をたくさん倒してきたわ」

 『ほら、後ろに気絶している神官が何人か居るでしょう?』と言い、アイリスは後方を指さす。
すると、子供達はそれぞれ少し背伸びして状況を把握した。
その途端、少しだけ……本当に少しだけ、肩から力を抜く。
どこか期待するような……希望の光を見出したかのような様子で。

「だからね、もう貴方達が神殿の言うことを聞く必要なんてないの。私達だって、被害者とは戦いたくないし……出来れば、手に持っているものを下ろしてほしい」
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