私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

教皇聖下の捜索《ヴィンセント side》③

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「……ちょっと手荒だけど、扉を破壊して押し入るとしよう」

 おもむろに手のひらを突き出し、僕は一歩後ろへ下がった。

「総員、戦闘準備。何が起こっても、対処出来るようにして」

「「「了解」」」

 ルパート殿下をはじめ、こちらの仲間は一様に武器を構える。
どことなく物々しい雰囲気を放つ彼らの前で、僕は小さく息を吸った。

「────ウォーターショット」

 水魔法の詠唱を口にすると、手のひらから勢いよく水が噴出する。
竜巻並みの威力を持つソレは、あっという間に扉を吹き飛ばし、中の様子を露わにした。

「────どうやら、僕達が当たりを引いたようですね」

 扉の向こうに広がる空間から教皇聖下を発見し、僕は内心苦笑する。
だって、こちらの懸念など全部無駄に終わったから。

 どうやら、教皇聖下は何の細工も罠も仕掛けず真っ直ぐここへ来たみたいだね。

 『色々警戒していたのが馬鹿らしい』と感じる中、ルパート殿下達は部屋へなだれ込んだ。
かと思えば、小さく息を呑む。

「これは……死体・・か?」

 ルパート殿下は教皇聖下の足元に注目して、眉を顰めた。
状況からして、その死体を作ったのは……殺したのは教皇聖下以外、有り得ないからだろう。
『何故、今そんなことを?』と訝しむ彼を前に、僕も中へ入って様子を確認する。

「……見たところ、まだ死んで間もないようですね」

 教皇聖下の足元に転がる男性の死体を見つめ、僕は『心做しか、聖下に似ているような……』と頭を捻った。
その瞬間、教皇聖下がこちらを振り向く。
────手に持った黒い杖を構えて。

「ふふふふふ……はははははっ!皆さん、一歩遅かったようですなぁ!」

 追い詰められた状況にも拘わらず、教皇聖下は何故か余裕そうだった。
悲壮感や焦燥感など、微塵もない。
その原因は多分────

「自分も血統魔法・・・・を使えるようになった程度で、有利に立ったつもりですか?」

 ────手に持っている杖だろう。
要するに、教皇聖下は自分の身内・・・・・を血統魔法の餌食にしたのだ。

 非常におぞましいことだけど……そう考えれば、全て辻褄は合う。

 大量の血を流して亡くなった男性を前に、僕は一つ息を吐く。
逃亡や潜伏より反撃を取ってくれたのは有り難いが、これはさすがに後味悪いので。
『どうしようもない人間なのは、知っていたけど……』と辟易する中、教皇聖下はニヤニヤと笑う。

「おっと、我が弟を材料にして作った血統魔法を侮られては困ります。これは他のガラクタと違って、とても優秀なんですから」
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