私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

パーティーの準備②

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「大事なのは、どうすることで自分の……もしくは家の利益を得られるか、よ。言葉は所詮、手段に過ぎないのだから」

 貶すのもおだてるのも突き詰めれば、相手を自分の思い通りに動かすため。
と言ったら悪女みたいだけど、社交界で生き残るには必要なスキルだった。

「とはいえ、あまり気分のいいものじゃないからそういう手法を使うかどうかはアイリスの裁量に委ねるわ。ただ、相手の言葉に乗せられて損だけはしないように話術を覚えてもらいたいの」

 自分と同じアメジストの瞳を見つめ、私は懸念を明かした。
正直、直情型のアイリスだと貴族達のオモチャにされそうだったので。
簡単に騙されるアイリスの未来を想像する中、彼女はもう一度資料を手に取る。

「分かった。頑張る────けど、そろそろお腹空いた」

 『何か食べたい』と要請するアイリスに、私は少しばかり目を見開く。
と同時に、掛け時計へ視線を向ける。

 あら、もう夜の十時を回っているのね。なら、お腹が空いてもおかしくないわ。

 『すっかり、講義に夢中になってしまった』と反省しつつ、私は視線を前に戻した。

「じゃあ、今日はここまでにしましょうか」

 『夕食にしよう』と提案すると、アイリスはすかさず首を縦に振る。

「お祖父様も誘って食堂に行こう、お姉様」

 ゆっくりとソファから立ち上がり、アイリスは扉の方へ向かっていった。
その道すがら、机の引き出しに資料を仕舞う。

「アイリス。残念だけど、お祖父様は今日皇城に行っているから一緒に食事出来ないの」

 『多分、泊まり掛けになると言っていたわ』と話し、私はこのまま真っ直ぐ食堂へ向かうよう促した。
────と、ここで部屋の扉が勢いよく開く。
まだ私もアイリスも、ドアノブに触れていないのに。
ビックリして扉の方に視線を向けると、紺髪の男性が立っていた。

「あ、貴方は……」

「ヴィンセント様の部下のアルマンです」

 警戒している私達に気づいたのか、紺髪の男性────改め、アルマンは自己紹介を行った。
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