私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

パーティーの準備③

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 自身の胸元に手を添えて一礼するアルマンを前に、私はハッとする。

「ヴィンセントの?じゃあ、貴方がエーデル公爵家に配置された護衛の方?」

「はい、その通りです」

 『話が早くて、助かります』と言い、アルマンは一歩後ろへ下がった。
かと思えば、いきなり懐から短剣を取り出す。

「時間がないため、お話はこれくらいで」

 そう言うが早いか、アルマンは一瞬だけ私達の視界から消えた。
いや、廊下の奥へ行ったと言った方が正しいか。
『えっ?何?』と困惑する私達を置いて、彼はそこで何かする。

 音だけじゃ断定は出来ないけど、多分────廊下で、誰かと戦っている。
怒号や悲鳴、衝突音が僅かに聞こえるから。

 『一体、何が起こっているの?』と戸惑いを覚える中、アルマンが戻ってきた。
手や短剣に、返り血を付けた状態で。

「お二人とも、早くこちらへ。安全なところまで、お連れします」

 『ここは危険です』と主張するアルマンに、私とアイリスは直ぐに返事出来なかった。
だって、あまりにも唐突で……何がなんだか、分からないため。

「あの、まずは状況を説明していただけませんか?」

 『概要だけでもいいので』と要請すると、アルマンは少し無言になる。
が、直ぐに口を開いた。

「一刻を争う事態なので、率直に申し上げます────屋敷に侵入者が現れました」

「「!?」」

 ハッと大きく息を呑む私とアイリスは、互いに顔を見合わせる。
『侵入者!?』と視線だけで、問い掛け合いながら。

「現在、エーデル公爵家の騎士や私の部下が応戦しているものの、あまりいい戦況とは言えません。なにせ、あちらはところ構わず魔法を使っているので。建物の保全や味方の安全など、色々と制約の多い我々では対処し切れません」

 アルマンは自身の額に手を当てて、小さくかぶりを振った。
と同時に、こちらを見据える。

「ですから、お二人には万が一のことを考えてここから脱出してほしいんです。もし、あなた方に何かあれば……」
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