私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

襲撃と逃亡①

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「ですから、お二人には万が一のことを考えてここから脱出してほしいんです。もし、あなた方に何かあれば……」

 その先のセリフは敢えて口にせず、アルマンは強く手を握り締めた。
どこか怯えているような……何かを恐れているような素振りを見せる彼の前で、私とアイリスは互いに頷き合う。

「状況は分かりました。そういうことなら、早く避難しましょう」

 ここに居ても騎士達のお荷物になってしまうため、アルマンの提案を受け入れた。
すると、彼はホッとしたように肩の力を抜いて扉の縁に手を掛ける。

「では、こちらへ」

 『一先ず、一階を目指します』と述べるアルマンに、私達はコクリと頷いた。
二階に居たままでは、玄関からの脱出も窓からの脱出も不可能なので。
『一階にはきっと敵も居るだろうけど、行かなきゃ』と奮起し、部屋を出た。
そして、アルマンに連れられるまま廊下を突き進むと、中央階段に辿り着く。

「────やっぱ、来たか」

 そう言って、階段の手すりから身を起こしたのは仮面を被った見知らぬ男性だった。
黒のローブに身を包み、剣を携える彼は同じような格好の仲間を何人か従えている。

 どうやら、待ち伏せされていたみたいね。
まあ、屋敷の状態と私達の身体能力を知っていれば逃亡を図るため階段へ来るのは分かるか。

 『むしろ、そう誘導されていた可能性も……』と考え、私は身構える。
アイリスやアルマンも臨戦態勢へ入り、相手の動向を見守っていた。

「なあ、一応聞くんだが────大人しく、投降するつもりはないか?」

 仮面の男性は少しばかり身を乗り出し、こちらに選択肢を与える。
と同時に、腕を組んだ。

「そしたら、お前らに危害は加えない。こっちの目的は暗殺じゃないからな」

 『ここは平和かつ穏便に行かないか?』と提案してくる仮面の男性に、私達は少し戸惑う。
ここまで派手に暴れておいて、身の安全を保証するようなことを言うなんて思わなかったから。
まあ、単にこちらを油断させるための罠かもしれないが。

「せっかくのお話ですが、遠慮しておきます」

 色々と不確定要素が多い上、相手のことを信用出来ないので提案を突っぱねた。
すると、仮面の男性は『チッ!』と舌打ちして剣を抜く。

「本当は怪我をさせずに、捕まえたかったんだが……しょうがない。強引に行くぞ」

 仲間に向かって指示を出し、仮面の男性は剣先をこちらに向けた。
かと思えば、一気に距離を詰めてくる。

「お二人とも、私から離れないでください」
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