私に成り代わって嫁ごうとした妹ですが、即行で婚約者にバレました

あーもんど

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第二章

葬式と提案《ルパート side》①

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◇◆◇◆

 ────皇城崩壊未遂事件より、早一ヶ月。
私は事後処理やら第二皇子派の貴族の粛清やらに追われ、なかなか自由な時間を取れなかった。
出来れば、今はエーデル公爵家の……アイリス嬢の傍に居てやりたいんだが。
家族の死に相当ショックを受けていた彼女を思い出し、私は『大丈夫だろうか』と心配する。

 先日、前公爵達の葬式が執り行われたと聞いたが……それで、少しは気持ちに区切りをつけられただろうか。

 などと考えつつ、私は真っ黒な正装に身を包んだ。
二番目の兄とメリッサ皇妃殿下の葬式に出席するために。
『最後の挨拶くらい、しておかないとな』と思案する中、私は馬車へ乗り込んで墓地へ向かった。
そして、先に現地へ到着していた一番目の兄やヴィンセントと合流すると、棺桶に近づく。

「……なんか、妙な気分だね」

 一番目の兄は棺桶に入った二番目の兄とメリッサ皇妃殿下を見下ろし、苦笑いした。
かと思えば、そっと目を伏せる。

「二人のことは今でも恨んでいるのに、死に顔を見ていると……少し悲しくなる。とても、毒を吐く気分にはなれないよ」

 複雑な心境を露わにする一番目の兄は、一つ息を吐いた。
エメラルドの瞳に憂いを滲ませる彼の前で、ヴィンセントは小さく肩を竦める。

「血は争えない、ということでしょう」

「えっ?」

「お人好しの母君に似たんじゃないか、という話です」

「!」

 一番目の兄は大きく目を見開き、ヴィンセントのことを凝視した。
動揺を露わにしながら。

「……クライン小公爵は母上と面識ない筈だよね?どうして、そんなこと知っているんだい?」

 戸惑った様子で質問を投げ掛け、一番目の兄は小首を傾げる。
と同時に、ヴィンセントがスッと目を細めた。

「とある人から、聞いたんですよ」

「とある人……それって、もしやクライン公爵夫人のことかい?」

 『もしくは、公爵か……』と候補を上げる一番目の兄に、ヴィンセントはニッコリ微笑む。

 どうやら、答えを言うつもりはないようだな。

 長年の付き合いである程度ヴィンセントの性格や習性を理解しているため、私はそう判断した。
────と、ここで兄付きの従者が綺麗な箱を持ってやってくる。

「エレン殿下、こちら頼まれていた品です」
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