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第三章
婚約を破棄したい
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私───ジェイミー・ドローレンス伯爵令嬢は自室で一人頭を抱え込んでいた。
あんのっ....馬鹿王子っ!ディアナ様に危害を加えるなんて何考えてんのよ....!!
気づいている人も居るかもしれないが、私は第三王子ブラウン様の婚約者だ。
なにも好きで婚約者になった訳ではない。
我がドローレンス伯爵家は貧乏貴族として有名で、ダミアン陛下がそこにつけこんできたのだ。
『借金を肩代わりしてやるから、そちらの娘を一人寄越せ』と。
足元を見られてはどうしようもない。
お父様は利用価値が一番低い私をブラウン王子の婚約者としてダミアン陛下に差し出したのだ。
そばかすだらけの肌に大きな鼻がコンプレックスの私はブスと呼ぶに相応しいだろう。
今朝校門前でブラウン王子が私をブスと言ったとき、ちっとも傷付かなかった。
むしろ、そうでしょうねって納得したくらい。
こんなブスと結婚しなければならないブラウン王子も可哀想だが、あんな馬鹿王子と結婚しなければならない私だって十分可哀想だと思う。
馬鹿王子の妻となれば、降りかかる火の粉の量が凄いことになるでしょうね....。振り払っても振り払っても、また違う火の粉が降りかかる。気が休まることなんて無さそうだ。
それにブラウン王子と正式に結婚が決定したらお前とは縁を切る、とお父様に言われているのでドローレンス家の力は使えませんし...。
お先真っ暗です....。
はぁ、と深い溜め息をつく私の元へある人物が訪ねてきた。
「ジェイミーっ!ジェイミー、大変よ!」
この声は....お母様?
お母様は私の唯一の味方であり、理解者だ。
突然、どうしたんでしょう?
部屋の扉を開けて母を出迎えると、中へ入るよう促した。
母の頬はほんのりピンク色に染まっており、興奮状態なのが見てとれる。
「大変よっ!ジェイミー!ダミアン陛下がブラウン王子の責任を取る形で退位なさるそうよ!」
ダミアン陛下が退位?ブラウン王子の責任を取る形で?
まあ、確かにそれは大変な事態ですが私にはあまり関係ありませんし...。
母がここまで興奮している意味が分からない。
首をかしげる私に母は『もうっ!』と声をあげる。
何で分からないの?と言わんばかりの呆れ顔だ。
「ダミアン陛下が退位すれば、もうこの婚約を破棄しても誰も文句を言わないわ!あの馬鹿王子から解放されるのよっ!」
婚約を破棄出来る....?馬鹿王子から解放される....?
確かにこの婚約に賛成しているのはダミアン陛下だけだ。
当事者である私もブラウン王子もこの婚約には不満を持っている。
今まではダミアン陛下からの圧力があったため、仕方なくこの婚約を受け入れていたが邪魔者であるダミアン陛下さえ居なければ簡単に破棄することが出来る....!
母が何故こんなに興奮していたのかやっと理解し、私は跳び跳ねんばかりに喜んだ。
やったわ!これでやっとブラウン王子に解放される!
本人同士の合意とサインがあれば婚約は今すぐにでも解消可能。
「明日、ブラウン王子のお見舞いと題して会いに行きましょう!そして書類にサインしてもらうのよ!」
「そうですね!あちらもこの婚約に不満を持っていたみたいですし、すぐにサインしてくれるでしょう!」
私と母は互いに顔を見合わせ、にっこり微笑み合うと明日に備えて王宮に手紙を書いたりドレスを選んだりと準備を始めた。
あんのっ....馬鹿王子っ!ディアナ様に危害を加えるなんて何考えてんのよ....!!
気づいている人も居るかもしれないが、私は第三王子ブラウン様の婚約者だ。
なにも好きで婚約者になった訳ではない。
我がドローレンス伯爵家は貧乏貴族として有名で、ダミアン陛下がそこにつけこんできたのだ。
『借金を肩代わりしてやるから、そちらの娘を一人寄越せ』と。
足元を見られてはどうしようもない。
お父様は利用価値が一番低い私をブラウン王子の婚約者としてダミアン陛下に差し出したのだ。
そばかすだらけの肌に大きな鼻がコンプレックスの私はブスと呼ぶに相応しいだろう。
今朝校門前でブラウン王子が私をブスと言ったとき、ちっとも傷付かなかった。
むしろ、そうでしょうねって納得したくらい。
こんなブスと結婚しなければならないブラウン王子も可哀想だが、あんな馬鹿王子と結婚しなければならない私だって十分可哀想だと思う。
馬鹿王子の妻となれば、降りかかる火の粉の量が凄いことになるでしょうね....。振り払っても振り払っても、また違う火の粉が降りかかる。気が休まることなんて無さそうだ。
それにブラウン王子と正式に結婚が決定したらお前とは縁を切る、とお父様に言われているのでドローレンス家の力は使えませんし...。
お先真っ暗です....。
はぁ、と深い溜め息をつく私の元へある人物が訪ねてきた。
「ジェイミーっ!ジェイミー、大変よ!」
この声は....お母様?
お母様は私の唯一の味方であり、理解者だ。
突然、どうしたんでしょう?
部屋の扉を開けて母を出迎えると、中へ入るよう促した。
母の頬はほんのりピンク色に染まっており、興奮状態なのが見てとれる。
「大変よっ!ジェイミー!ダミアン陛下がブラウン王子の責任を取る形で退位なさるそうよ!」
ダミアン陛下が退位?ブラウン王子の責任を取る形で?
まあ、確かにそれは大変な事態ですが私にはあまり関係ありませんし...。
母がここまで興奮している意味が分からない。
首をかしげる私に母は『もうっ!』と声をあげる。
何で分からないの?と言わんばかりの呆れ顔だ。
「ダミアン陛下が退位すれば、もうこの婚約を破棄しても誰も文句を言わないわ!あの馬鹿王子から解放されるのよっ!」
婚約を破棄出来る....?馬鹿王子から解放される....?
確かにこの婚約に賛成しているのはダミアン陛下だけだ。
当事者である私もブラウン王子もこの婚約には不満を持っている。
今まではダミアン陛下からの圧力があったため、仕方なくこの婚約を受け入れていたが邪魔者であるダミアン陛下さえ居なければ簡単に破棄することが出来る....!
母が何故こんなに興奮していたのかやっと理解し、私は跳び跳ねんばかりに喜んだ。
やったわ!これでやっとブラウン王子に解放される!
本人同士の合意とサインがあれば婚約は今すぐにでも解消可能。
「明日、ブラウン王子のお見舞いと題して会いに行きましょう!そして書類にサインしてもらうのよ!」
「そうですね!あちらもこの婚約に不満を持っていたみたいですし、すぐにサインしてくれるでしょう!」
私と母は互いに顔を見合わせ、にっこり微笑み合うと明日に備えて王宮に手紙を書いたりドレスを選んだりと準備を始めた。
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