12 / 37
第一章
怒りと軽蔑《カーティス side》
────一方、その頃の僕はと言うと……用意された客室で、父と母に怒られていた。
「なんてことをしてくれたんだ!カーティス!このままでは、カラミタ王国は終わりだ!」
そう言って、目くじらを立てるのは────カラミタ王国の国王である、カイル・キャンベルだった。
僕と同じ金髪碧眼の美男子で、子持ちとは思えないほど若々しい美貌を保っている。
憤怒の表情を浮かべる彼は、床に正座する僕を忌々しげに睨みつけた。
「も、申し訳ありません……」
「謝罪など、後でいい!今はこの状況をどうするのか、考えろ!リナの暴走を止められなかったお前には、その義務がある!」
「は、はい……」
父上の無茶振りとしか思えない命令に、僕は内心頭を抱える。
責任も何も、リナをエスポワール王国に連れて来たのは父上だろう……!!
確かにリナの暴走を止められなかった僕にも責任はあるが、そもそもの原因は不正入国に手を貸した父上にある!なのに、父上と来たら……!自分のことは棚に上げて、僕を叱りつけるから、困ったものだ!
「カーティス、打開策を考える前に一つ確認しておきたいことがあるのだけど……あの子とそういう関係になっていたのは、事実なの?仲がいいのは知っていたけど、体の関係まであるなんて聞いてないわよ」
ソファの上で、偉そうにふんぞり返る美女─────ケイト・キャンベルは冷たい目でこちらを見下ろす。
海のように綺麗な青髪とエメラルドのように美しい緑の瞳を持つ彼女は、僕の実母にしてカラミタ王国の王妃でもある。
昔から口うるさい人で、曲がったことが大嫌い。側妃たちとの後宮争いもあり、母は常にピリピリしていた。
特にリナの母親────レイチェルには当たりが強い。
と言うのも、陛下の寵愛を独占しているから。父上がリナに甘いのも、愛する女性との子供だから……。
それをよく思わない母上は、リナと仲良くする僕にもいつも腹を立てていた。
でも、リナがまだ子供だからか表立って責められることはなかったけど……。
でも────体の関係を持っているとなれば、話は変わってくる。
さすがに母上も許してはくれないだろう。
「母上、これは……その……えっと……」
「何をそんなに悩んでいるの?これは『はい』か『いいえ』の簡単な質問だと思うのだけれど」
「そ、それは……」
曖昧な返事ばかりで明確な答えを出そうとしない僕に、母上は呆れたように溜め息を零した。
軽蔑を込めた冷たい眼差しに、僕は萎縮してしまう。
「真っ先に体の関係を否定しないってことは、あの子の話は本当だったみたいね……まさか、貴方がここまで落ちぶれているとは思わなかったわ。次男だからと甘やかし過ぎたようね」
「は、母上!これは……!」
「言い訳なんて聞きたくないわ。貴方にはガッカリよ」
幻滅したと言わんばかりに首を振り、母上はソファから立ち上がる。
そして、そのまま隣の部屋へと行ってしまった。
「なんてことをしてくれたんだ!カーティス!このままでは、カラミタ王国は終わりだ!」
そう言って、目くじらを立てるのは────カラミタ王国の国王である、カイル・キャンベルだった。
僕と同じ金髪碧眼の美男子で、子持ちとは思えないほど若々しい美貌を保っている。
憤怒の表情を浮かべる彼は、床に正座する僕を忌々しげに睨みつけた。
「も、申し訳ありません……」
「謝罪など、後でいい!今はこの状況をどうするのか、考えろ!リナの暴走を止められなかったお前には、その義務がある!」
「は、はい……」
父上の無茶振りとしか思えない命令に、僕は内心頭を抱える。
責任も何も、リナをエスポワール王国に連れて来たのは父上だろう……!!
確かにリナの暴走を止められなかった僕にも責任はあるが、そもそもの原因は不正入国に手を貸した父上にある!なのに、父上と来たら……!自分のことは棚に上げて、僕を叱りつけるから、困ったものだ!
「カーティス、打開策を考える前に一つ確認しておきたいことがあるのだけど……あの子とそういう関係になっていたのは、事実なの?仲がいいのは知っていたけど、体の関係まであるなんて聞いてないわよ」
ソファの上で、偉そうにふんぞり返る美女─────ケイト・キャンベルは冷たい目でこちらを見下ろす。
海のように綺麗な青髪とエメラルドのように美しい緑の瞳を持つ彼女は、僕の実母にしてカラミタ王国の王妃でもある。
昔から口うるさい人で、曲がったことが大嫌い。側妃たちとの後宮争いもあり、母は常にピリピリしていた。
特にリナの母親────レイチェルには当たりが強い。
と言うのも、陛下の寵愛を独占しているから。父上がリナに甘いのも、愛する女性との子供だから……。
それをよく思わない母上は、リナと仲良くする僕にもいつも腹を立てていた。
でも、リナがまだ子供だからか表立って責められることはなかったけど……。
でも────体の関係を持っているとなれば、話は変わってくる。
さすがに母上も許してはくれないだろう。
「母上、これは……その……えっと……」
「何をそんなに悩んでいるの?これは『はい』か『いいえ』の簡単な質問だと思うのだけれど」
「そ、それは……」
曖昧な返事ばかりで明確な答えを出そうとしない僕に、母上は呆れたように溜め息を零した。
軽蔑を込めた冷たい眼差しに、僕は萎縮してしまう。
「真っ先に体の関係を否定しないってことは、あの子の話は本当だったみたいね……まさか、貴方がここまで落ちぶれているとは思わなかったわ。次男だからと甘やかし過ぎたようね」
「は、母上!これは……!」
「言い訳なんて聞きたくないわ。貴方にはガッカリよ」
幻滅したと言わんばかりに首を振り、母上はソファから立ち上がる。
そして、そのまま隣の部屋へと行ってしまった。
あなたにおすすめの小説
本当に妹のことを愛しているなら、落ちぶれた彼女に寄り添うべきなのではありませんか?
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアレシアは、婿を迎える立場であった。
しかしある日突然、彼女は婚約者から婚約破棄を告げられる。彼はアレシアの妹と関係を持っており、そちらと婚約しようとしていたのだ。
そのことについて妹を問い詰めると、彼女は伝えてきた。アレシアのことをずっと疎んでおり、婚約者も伯爵家も手に入れようとしていることを。
このまま自分が伯爵家を手に入れる。彼女はそう言いながら、アレシアのことを嘲笑っていた。
しかしながら、彼女達の父親はそれを許さなかった。
妹には伯爵家を背負う資質がないとして、断固として認めなかったのである。
それに反発した妹は、伯爵家から追放されることにになった。
それから間もなくして、元婚約者がアレシアを訪ねてきた。
彼は追放されて落ちぶれた妹のことを心配しており、支援して欲しいと申し出てきたのだ。
だが、アレシアは知っていた。彼も家で立場がなくなり、追い詰められているということを。
そもそも彼は妹にコンタクトすら取っていない。そのことに呆れながら、アレシアは彼を追い返すのであった。
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
甘やかされて育ってきた妹に、王妃なんて務まる訳がないではありませんか。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラフェリアは、実家との折り合いが悪く、王城でメイドとして働いていた。
そんな彼女は優秀な働きが認められて、第一王子と婚約することになった。
しかしその婚約は、すぐに破談となる。
ラフェリアの妹であるメレティアが、王子を懐柔したのだ。
メレティアは次期王妃となることを喜び、ラフェリアの不幸を嘲笑っていた。
ただ、ラフェリアはわかっていた。甘やかされて育ってきたわがまま妹に、王妃という責任ある役目は務まらないということを。
その兆候は、すぐに表れた。以前にも増して横暴な振る舞いをするようになったメレティアは、様々な者達から反感を買っていたのだ。
熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください。私は、堅実に生きさせてもらいますので。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアルネアには、婚約者がいた。
しかし、ある日その彼から婚約破棄を告げられてしまう。なんでも、アルネアの妹と婚約したいらしいのだ。
「熱烈な恋がしたいなら、勝手にしてください」
身勝手な恋愛をする二人に対して、アルネアは呆れていた。
堅実に生きたい彼女にとって、二人の行いは信じられないものだったのである。
数日後、アルネアの元にある知らせが届いた。
妹と元婚約者の間で、何か事件が起こったらしいのだ。
妹と再婚約?殿下ありがとうございます!
八つ刻
恋愛
第一王子と侯爵令嬢は婚約を白紙撤回することにした。
第一王子が侯爵令嬢の妹と真実の愛を見つけてしまったからだ。
「彼女のことは私に任せろ」
殿下!言質は取りましたからね!妹を宜しくお願いします!
令嬢は妹を王子に丸投げし、自分は家族と平穏な幸せを手に入れる。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※短編です。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4800文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。