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第一章
作戦会議《カーティス side》
は、母上に嫌われてしまった……いや、軽蔑されたと言った方が正しいだろうか?まあ、なんにせよ……悪いのは僕だ。母上を責めることは出来ない……。
それでも、やっぱり実の母に拒絶されるのは辛いけど……。
「ケイトのことはとりあえず、放っておくとして────カーティス」
「は、はい!父上!」
突然名前を呼ばれた僕は、慌てて顔を上げる。
怯えた様子で身を固くする僕に、父上は呆れたように溜め息を零した。
「恐らく、近日中に我が家とホールデン王家との話し合いの場が設けられる。そこでお前とリナの関係について、言及されるだろう。だから、とにかく知らぬ存ぜぬで押し通せ。どうせ、相手に証拠はないのだ。リナの妄言だったと証言すればいい」
「わ、分かりました……ですが、リナはそれで納得するでしょうか?無駄に正直……というか、嘘を付けない子なので『妄言なんかじゃない!』と否定するのでは?」
リナは僕のことが大好きだから、事実を否定されれば、きっと激怒する筈だ。たとえ、それが嘘だったとしても……。
昨日のようにまたペラペラと詳細を話されては、困る。
一抹の不安を覚える僕に、父上は『大丈夫だ』と言うように首を横に振った。
「話し合い当日は適当な理由をつけて、リナを欠席させる予定だ。だから、失言をされる心配はない」
「そうでしたか……なら、安心です」
僕がホッと胸を撫で下ろす中、父は言葉を続けた。
「とりあえず、婚約解消だけは絶対に阻止せねばならん。結婚式中止についてはこちらに非がある故、舐められない程度に下手に出ろ。分かったな?」
「はい、父上」
ニーナは最初から僕に親切だったし、大なり小なり好意を抱いていることだろう。そこを上手く利用すれば、破談は何とか避けられる筈……。
─────と呑気に考える僕だったが、後日現実はそう甘くないと思い知らされることになる。
何故なら、ニーナは─────僕のことなんて、これっぽっちも愛していないから。彼女が僕に親切してくれた理由は、愛なんて美しいものではなく、ただの同情心。
そんな大きな勘違いにも気づけず、僕は父の命令に盲目的に従った。
それでも、やっぱり実の母に拒絶されるのは辛いけど……。
「ケイトのことはとりあえず、放っておくとして────カーティス」
「は、はい!父上!」
突然名前を呼ばれた僕は、慌てて顔を上げる。
怯えた様子で身を固くする僕に、父上は呆れたように溜め息を零した。
「恐らく、近日中に我が家とホールデン王家との話し合いの場が設けられる。そこでお前とリナの関係について、言及されるだろう。だから、とにかく知らぬ存ぜぬで押し通せ。どうせ、相手に証拠はないのだ。リナの妄言だったと証言すればいい」
「わ、分かりました……ですが、リナはそれで納得するでしょうか?無駄に正直……というか、嘘を付けない子なので『妄言なんかじゃない!』と否定するのでは?」
リナは僕のことが大好きだから、事実を否定されれば、きっと激怒する筈だ。たとえ、それが嘘だったとしても……。
昨日のようにまたペラペラと詳細を話されては、困る。
一抹の不安を覚える僕に、父上は『大丈夫だ』と言うように首を横に振った。
「話し合い当日は適当な理由をつけて、リナを欠席させる予定だ。だから、失言をされる心配はない」
「そうでしたか……なら、安心です」
僕がホッと胸を撫で下ろす中、父は言葉を続けた。
「とりあえず、婚約解消だけは絶対に阻止せねばならん。結婚式中止についてはこちらに非がある故、舐められない程度に下手に出ろ。分かったな?」
「はい、父上」
ニーナは最初から僕に親切だったし、大なり小なり好意を抱いていることだろう。そこを上手く利用すれば、破談は何とか避けられる筈……。
─────と呑気に考える僕だったが、後日現実はそう甘くないと思い知らされることになる。
何故なら、ニーナは─────僕のことなんて、これっぽっちも愛していないから。彼女が僕に親切してくれた理由は、愛なんて美しいものではなく、ただの同情心。
そんな大きな勘違いにも気づけず、僕は父の命令に盲目的に従った。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
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