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第一章
確信
◇◆◇◆
「おお、これは見事だな」
私の顔より大きい吸血花を見つめ、思わず感嘆の声を漏らす。
ここまで立派なものは、久々に見たから。
やはり、魔力が豊富だとサイズも華やかさも段違いだな。
と感心しながら私は吸血花の茎を掴み、思い切り引き抜いた。
開花後の吸血花は根を下ろした生物に執着しないため、根っこまであっさり回収出来る。
私はソレを、次元と次元の狭間である亜空間に投げ入れた。
ここなら枯れることも成長することもなく、物を保管出来るから。
まあ、亜空間の座標を忘れたら二度と会えなくなるため、注意は必要だが。
グルグルと渦を巻くように歪んだ空間を一瞥し、私はパンパンッと手の汚れを落とす。
と同時に、亜空間を閉じた。
「さて、用事も済んだし帰るか」
誰に言うでもなく呟くと、私は右手をスライドするようにして顔の前を遮る。
その途端、私の顔はロイドからイザベラに戻った。
『これでよし』と満足しながら、私は転移魔法を使用する。
座標はもちろん、アルバート家の食堂だ。
『いちいち、正門から入るのは面倒だからな』と思いつつ、私は辺りを見回す。
ちゃんと片付けられているな。氷像の奴らも撤収したようだし、
「あとは食事だけか」
『今度も毒入りだったら、お仕置きだ』と心の中で呟き、私はテーブルの上にあるベルを手に取った。
と同時に、リンリンリンリンリンと適当に鳴らす。
そのままドスッと椅子に腰掛け、待つこと二十秒……メイドと料理長がワゴンを押して、すっ飛んできた。
「お、おかえりなさいませ、ご主人様ぁぁぁああああ!」
「お、おおおおおおおお、お待たせしました!」
二人は鬼気迫る勢いでテーブルに料理を並べ、グラスに水を注ぐ。
『ぜぇぜぇ……』と荒々しく呼吸する彼らの前で、私はスプーンを手に取った。
どれどれ……毒は入っていないな。料理も出来立てだし、凄く美味しそうだ。
「ご苦労。もう下がっていいぞ。あと、明日は……いや、もう今日か。とにかく、一日ゆっくり休め」
睡眠不足で体調を崩されても厄介なため、私は『早く寝ろ』と言い渡す。
しっ!しっ!と手を振って追い払う私に対し、料理長とメイドはポカンとしていた。
「休んで……いいんですか?」
「ああ。執事やメイド長には、私の方から伝えておく」
「えっ……?私達、怒られないんですか……?」
「毒のことか?それなら、気にするな。カルロスに言われて、仕方なくやっただけだろう?」
『顔面蒼白な貴様らを見たから、分かる』と話し、私はスープを口に含んだ。
「つい最近までカルロスの言いなりだった貴様らが、反抗出来るとは思っていない。よって、今回は許す。ただし、次はないと思え」
「は、はい……!」
「ありがとうございます……!」
床に伏して感謝する二人は、ちょっと涙ぐみながら立ち上がる。
そして、さっさと退場する────かと思いきや、何かを思い出したかのようにそっとこちらへ近づいてきた。
「あ、あの……これ、黒い服の方々から預かったものなのですが……」
「あっ!不要であれば、こちらで処分します……!」
おずおずと手紙を差し出す料理長と廃棄の手伝いを申し出るメイドに、私はチラリと目を向ける。
黒い服というと……あの暗殺集団か。
わざわざ自分達の痕跡を残していくなんて、どういう風の吹き回しだ?
『何かトラップでも仕掛けられているのか?』と疑うものの、彼らの性格上それはないと考える。
私の実力を知った上で喧嘩を吹っ掛けてくるほど馬鹿じゃないだろう、と。
「寄越せ」
クイクイと人差し指を動かし、風を巻き起こすと、料理長の手から手紙を奪い取る。
宙に浮くソレを一瞥し、私は再度彼らに休むよう通告した。
半ば風で背中を押すようにして部屋から追い出すと、私は手紙を開封する。
無論、魔法で。
まだ小さいこの手では、何かと不便だからな。
『動かしにくい』とボヤきつつ、私は封筒から出てきた便箋を眺めた。
書き殴るようにして並べられた文字の羅列に、私はスッと目を細める。
「あいつら、こんな情報まで持っていたのか」
『出し惜しみとは生意気な』と文句を言いながらも、私の口元は緩んでいた。
だって、ようやく────イザベラの親の仇が誰なのか、確信を持てたから。
まあ、何の捻りもない結末だったがな。
「つまらん」
一番有力な容疑者が犯人だったため、私はここぞとばかりに溜め息を零す。
でも、復讐するべき相手を特定出来たのは有り難かった。
と言っても、手紙に書かれているのは状況証拠からくる憶測ばかりで物的証拠など一切ないが。
「だが、私にはこれで充分だ」
元より証拠など……証明などする気がなかったため、限りなく黒に近いグレーで問題なかった。
イザベラに求められたのは、あくまで復讐だから。
もちろん、真相を解明して社会的に殺す手法もあるため、一概にこれが正しいとは言えないが。
でも、相手の立場や地位を考えると力技で強引に事を進めた方がいい。
「さて、次の段階に移るか」
パチンッと指を鳴らして、私は保険のために掛けておいた魔法を解除した。
粋な計らいをしてくれた奴らに感謝しながら、亜空間へ手紙を放り込む。
じゃあ、まずは下準備からだな。
────ということで、私はここ一週間ほど美容とオシャレに励んだ。
その甲斐あってか、すっかり肌ツヤも戻り、ドレスやアクセサリーを身につけても見劣りしなくなる。
『つい先日まで洋服に着せられている印象だったからな』と思いつつ、私は鏡に映る自分を見つめた。
黒の騎士服を見事に身こなし、銀髪を結い上げる少女はいつもより凛々しく見える。
ふむ……まだ子供だから迫力は足りないが、侮れられることはないだろう。
『なかなかいい出来だ』と頬を緩め、私は椅子から降りる。
そして、メイド達に労いの言葉を掛けると────パーティーの招待状を持って、皇城に向かった。
無論、転移魔法で。
馬車だと、一時間は掛かるからな。
『面倒臭い』とボヤきながら、私は衛兵に招待状を見せた。
本当は直接会場に転移したかったのだが、『さすがにそれは……』と執事に止められたため、仕方なく手順を踏む。
一応爵位が公爵だからか、思ったよりすんなり門を開けられ、会場へ案内された。
豪華絢爛と言うべき内装や食事を一瞥し、私は隅で待機する。
注目を避けるため、衛兵には『入場の宣言などしなくていい』と言ったが……この格好だと、さすがに目立つか。
容姿もまだ子供だし。
などと考えていると、一人の貴婦人が心配そうに声を掛けてくる。
「こんにちは、お嬢さん。見たことのないお顔だけど……もしかして、お母さんとはぐれちゃった?お名前を教えてくれたら、探してくるわよ」
『お名前、言えるかな?』と優しく問い掛けてくる貴婦人に、私はスッと目を細めた。
「名はイザベラ・アルバート」
「!?」
「母はもう居ない。ついでに後見人も、な。まあ、迷子ではないから安心してくれ」
『気遣い感謝する』と言い残し、私はこの場を離れる。
すると、周囲に居た人々が声を潜めて話し始めた。
「ねぇ、アルバートって……」
「ええ、先週悲劇に見舞われたギャレット一家の本家筋よ」
「じゃあ、あの子は両親だけでなく面倒を見てくれた親戚まで失ったのね……」
「お可哀想に……今日だって、多分アルバート家とギャレット家を代表して参加したのよ」
事の真相を知らない貴婦人達は、こちらに同情的な眼差しを向けた。
『まだあんなに小さいのに……』と哀れみ、若干涙ぐむ。
くくくっ……真実を知ったら、きっとひっくり返るだろうな。
『その光景はちょっと見てみたい』と悪戯心を刺激されるものの、私は我慢。
どうせなら、あいつの前で暴露してやりたいから。
『どんな反応をするのか、見物だな』と頬を緩める中、
「ご来場の皆様、静粛に願います!」
と、衛兵の大声が木霊した。
ハッとしたように口を閉ざす貴族達の前で、彼は背筋を伸ばす。
そして手に持った槍をコンッと床に叩きつけ、素早く敬礼した。
「ヴァルテン帝国の太陽イーサン・アダム・ヴァルテン皇帝陛下とエステル・ピクシー・ヴァルテン皇后陛下、並びに第一、第二、第三皇子殿下の入場です!」
「おお、これは見事だな」
私の顔より大きい吸血花を見つめ、思わず感嘆の声を漏らす。
ここまで立派なものは、久々に見たから。
やはり、魔力が豊富だとサイズも華やかさも段違いだな。
と感心しながら私は吸血花の茎を掴み、思い切り引き抜いた。
開花後の吸血花は根を下ろした生物に執着しないため、根っこまであっさり回収出来る。
私はソレを、次元と次元の狭間である亜空間に投げ入れた。
ここなら枯れることも成長することもなく、物を保管出来るから。
まあ、亜空間の座標を忘れたら二度と会えなくなるため、注意は必要だが。
グルグルと渦を巻くように歪んだ空間を一瞥し、私はパンパンッと手の汚れを落とす。
と同時に、亜空間を閉じた。
「さて、用事も済んだし帰るか」
誰に言うでもなく呟くと、私は右手をスライドするようにして顔の前を遮る。
その途端、私の顔はロイドからイザベラに戻った。
『これでよし』と満足しながら、私は転移魔法を使用する。
座標はもちろん、アルバート家の食堂だ。
『いちいち、正門から入るのは面倒だからな』と思いつつ、私は辺りを見回す。
ちゃんと片付けられているな。氷像の奴らも撤収したようだし、
「あとは食事だけか」
『今度も毒入りだったら、お仕置きだ』と心の中で呟き、私はテーブルの上にあるベルを手に取った。
と同時に、リンリンリンリンリンと適当に鳴らす。
そのままドスッと椅子に腰掛け、待つこと二十秒……メイドと料理長がワゴンを押して、すっ飛んできた。
「お、おかえりなさいませ、ご主人様ぁぁぁああああ!」
「お、おおおおおおおお、お待たせしました!」
二人は鬼気迫る勢いでテーブルに料理を並べ、グラスに水を注ぐ。
『ぜぇぜぇ……』と荒々しく呼吸する彼らの前で、私はスプーンを手に取った。
どれどれ……毒は入っていないな。料理も出来立てだし、凄く美味しそうだ。
「ご苦労。もう下がっていいぞ。あと、明日は……いや、もう今日か。とにかく、一日ゆっくり休め」
睡眠不足で体調を崩されても厄介なため、私は『早く寝ろ』と言い渡す。
しっ!しっ!と手を振って追い払う私に対し、料理長とメイドはポカンとしていた。
「休んで……いいんですか?」
「ああ。執事やメイド長には、私の方から伝えておく」
「えっ……?私達、怒られないんですか……?」
「毒のことか?それなら、気にするな。カルロスに言われて、仕方なくやっただけだろう?」
『顔面蒼白な貴様らを見たから、分かる』と話し、私はスープを口に含んだ。
「つい最近までカルロスの言いなりだった貴様らが、反抗出来るとは思っていない。よって、今回は許す。ただし、次はないと思え」
「は、はい……!」
「ありがとうございます……!」
床に伏して感謝する二人は、ちょっと涙ぐみながら立ち上がる。
そして、さっさと退場する────かと思いきや、何かを思い出したかのようにそっとこちらへ近づいてきた。
「あ、あの……これ、黒い服の方々から預かったものなのですが……」
「あっ!不要であれば、こちらで処分します……!」
おずおずと手紙を差し出す料理長と廃棄の手伝いを申し出るメイドに、私はチラリと目を向ける。
黒い服というと……あの暗殺集団か。
わざわざ自分達の痕跡を残していくなんて、どういう風の吹き回しだ?
『何かトラップでも仕掛けられているのか?』と疑うものの、彼らの性格上それはないと考える。
私の実力を知った上で喧嘩を吹っ掛けてくるほど馬鹿じゃないだろう、と。
「寄越せ」
クイクイと人差し指を動かし、風を巻き起こすと、料理長の手から手紙を奪い取る。
宙に浮くソレを一瞥し、私は再度彼らに休むよう通告した。
半ば風で背中を押すようにして部屋から追い出すと、私は手紙を開封する。
無論、魔法で。
まだ小さいこの手では、何かと不便だからな。
『動かしにくい』とボヤきつつ、私は封筒から出てきた便箋を眺めた。
書き殴るようにして並べられた文字の羅列に、私はスッと目を細める。
「あいつら、こんな情報まで持っていたのか」
『出し惜しみとは生意気な』と文句を言いながらも、私の口元は緩んでいた。
だって、ようやく────イザベラの親の仇が誰なのか、確信を持てたから。
まあ、何の捻りもない結末だったがな。
「つまらん」
一番有力な容疑者が犯人だったため、私はここぞとばかりに溜め息を零す。
でも、復讐するべき相手を特定出来たのは有り難かった。
と言っても、手紙に書かれているのは状況証拠からくる憶測ばかりで物的証拠など一切ないが。
「だが、私にはこれで充分だ」
元より証拠など……証明などする気がなかったため、限りなく黒に近いグレーで問題なかった。
イザベラに求められたのは、あくまで復讐だから。
もちろん、真相を解明して社会的に殺す手法もあるため、一概にこれが正しいとは言えないが。
でも、相手の立場や地位を考えると力技で強引に事を進めた方がいい。
「さて、次の段階に移るか」
パチンッと指を鳴らして、私は保険のために掛けておいた魔法を解除した。
粋な計らいをしてくれた奴らに感謝しながら、亜空間へ手紙を放り込む。
じゃあ、まずは下準備からだな。
────ということで、私はここ一週間ほど美容とオシャレに励んだ。
その甲斐あってか、すっかり肌ツヤも戻り、ドレスやアクセサリーを身につけても見劣りしなくなる。
『つい先日まで洋服に着せられている印象だったからな』と思いつつ、私は鏡に映る自分を見つめた。
黒の騎士服を見事に身こなし、銀髪を結い上げる少女はいつもより凛々しく見える。
ふむ……まだ子供だから迫力は足りないが、侮れられることはないだろう。
『なかなかいい出来だ』と頬を緩め、私は椅子から降りる。
そして、メイド達に労いの言葉を掛けると────パーティーの招待状を持って、皇城に向かった。
無論、転移魔法で。
馬車だと、一時間は掛かるからな。
『面倒臭い』とボヤきながら、私は衛兵に招待状を見せた。
本当は直接会場に転移したかったのだが、『さすがにそれは……』と執事に止められたため、仕方なく手順を踏む。
一応爵位が公爵だからか、思ったよりすんなり門を開けられ、会場へ案内された。
豪華絢爛と言うべき内装や食事を一瞥し、私は隅で待機する。
注目を避けるため、衛兵には『入場の宣言などしなくていい』と言ったが……この格好だと、さすがに目立つか。
容姿もまだ子供だし。
などと考えていると、一人の貴婦人が心配そうに声を掛けてくる。
「こんにちは、お嬢さん。見たことのないお顔だけど……もしかして、お母さんとはぐれちゃった?お名前を教えてくれたら、探してくるわよ」
『お名前、言えるかな?』と優しく問い掛けてくる貴婦人に、私はスッと目を細めた。
「名はイザベラ・アルバート」
「!?」
「母はもう居ない。ついでに後見人も、な。まあ、迷子ではないから安心してくれ」
『気遣い感謝する』と言い残し、私はこの場を離れる。
すると、周囲に居た人々が声を潜めて話し始めた。
「ねぇ、アルバートって……」
「ええ、先週悲劇に見舞われたギャレット一家の本家筋よ」
「じゃあ、あの子は両親だけでなく面倒を見てくれた親戚まで失ったのね……」
「お可哀想に……今日だって、多分アルバート家とギャレット家を代表して参加したのよ」
事の真相を知らない貴婦人達は、こちらに同情的な眼差しを向けた。
『まだあんなに小さいのに……』と哀れみ、若干涙ぐむ。
くくくっ……真実を知ったら、きっとひっくり返るだろうな。
『その光景はちょっと見てみたい』と悪戯心を刺激されるものの、私は我慢。
どうせなら、あいつの前で暴露してやりたいから。
『どんな反応をするのか、見物だな』と頬を緩める中、
「ご来場の皆様、静粛に願います!」
と、衛兵の大声が木霊した。
ハッとしたように口を閉ざす貴族達の前で、彼は背筋を伸ばす。
そして手に持った槍をコンッと床に叩きつけ、素早く敬礼した。
「ヴァルテン帝国の太陽イーサン・アダム・ヴァルテン皇帝陛下とエステル・ピクシー・ヴァルテン皇后陛下、並びに第一、第二、第三皇子殿下の入場です!」
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