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第二章
開校式
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「これらを踏まえた上で、もう一度問おう。貴様はそれを本気で言っているのか?」
『本当に退位していいのか』と迫る私に、伯爵は力無く首を横に振る。
「い、いいえ……私が間違っておりました。ご無礼をどうぞ、お許しください」
『出過ぎた真似をしました』と謝罪し、伯爵は深々と頭を下げた。
すっかり冷静になったのか、恐怖のあまり縮こまっている。
『なんてことを言ってしまったんだ』と後悔する彼の前で、私は足を組み直した。
「許してやってもいい。ただし────今後、当主承認制度の関係で謁見出来るのはあと一回までとする」
「「!?」」
ハッとしたように目を見開き、伯爵夫妻は硬直した。
『チャンスはあと一回だけ……』と呟く彼らを前に、私は手のひらを前に突き出す。
「息子を今から躾直すか、新たな候補を立てるかは貴様らの自由だ。よく考えて、判断しろ」
家の存続が架かった制約を設け、私はゆっくりと手を横に動かした。
すると、伯爵一家は廊下へ転移を果たす。
今頃パニックに陥っているであろう伯爵夫妻を想像し、私は『くくくっ……!』と笑った。
さあ、親心を取るか家の存続を取るか……はたまた、両方を勝ち取るか────
「────楽しみだな」
と、呟いた翌月。
私は衝撃な光景を目にする。
というのも、例の伯爵家の息子が────リズベットの創立した学校に姿を現したから。
しかも、入学生として。
開校式を見に来た野次馬や外部生────正式な生徒ではないものの、簡単な読み書きや計算を学びに来た者ならいざ知らず……しっかり講義を受けられる入学生として来るとは。
『面白い』と頬を緩める私は、屋上からグラウンドを眺める。
真剣に開校式へ参加している彼を前に、伯爵夫妻の狙いを考えた。
恐らく、私も創立に関わっている学校なら成長具合をきちんと見てもらえると判断したのだろう。
もちろん、単純に貴族として必要な教養を学べるカリュキュラムだからというのもあるが。
「それでも、平民ばかりの学校へ入れるという決断はなかなか出来るものじゃない。伯爵夫妻は本気で息子の再教育に力を注ぐつもりだな」
『覚悟の度合いが見て取れる』と呟き、私はフッと笑みを漏らす。
その選択が功を奏すといいな、と思いながら。
「────イザベラ様、とても楽しそうですね」
そう言って、横に並んだのは同じく開校式の立ち会いを任されたジークだった。
高い手摺りにそっと触れ、こちらを見つめる彼は柔らかく微笑む。
歓喜の入り交じった瞳を前に、私は小さく肩を竦めた。
「そりゃあ、こんな異色のメンバーを見ればな」
例の伯爵夫妻の息子はもちろん、スラムの子供達や特筆した才能を持たない元奴隷達など……とにかく、色んな事情を持つ人間が集まっている。
リズベットがどうやって彼らを導くのか、師匠として非常に楽しみだ。
『あいつもついに教える側へ回ったんだな』と感慨深い気持ちになる中、ジークは顎に手を当てる。
「確かになかなか興味深い者達が入学して……あれ?ケイラー侯爵家の次期当主も居ますね」
「ああ。多分、体良く厄介払いされたんだろ。表向きは『次期当主として、見識を広めるための入学』となっているが」
次期当主となったことで力をつけないよう、貴族や親戚から徹底的に距離を取らせる算段なのだろう。
で、在学中にあらゆるところへ根回しして帰ってきた時には居場所をなくすのが目的。
実に腹黒い計画だが、何の後ろ盾もない子供には効果的。
でも────
「────恐らく、奴らの狙い通りには行かないだろう。むしろ、真逆の結末になるかもな」
我が弟子リズベットの高等教育と、新興貴族になり得る才能を持った生徒達との縁……その二つを上手く利用出来れば、本当の意味で当主となるのは難しくない。
奴自身もソレに気づいているからこそ、入学を決めたものと思われる。
どことなく悪い顔をしているケイラー侯爵の次期当主に、私は『面白いことになりそうだな』と目を細めた。
────と、ここでグラウンドに居るリズベットがこちらを振り返る。
「恩師様からも一言くださーい!」
『せっかく来たんでんですからー!』と主張し、リズベットは大きく手を振った。
その途端、生徒や野次馬もこちらを見る。
と同時に、絶句した。
まさか、皇帝まで立ち会っているとは思わなかったのだろう。
慌てて姿勢を正す彼らの前で、私はグラウンドに転移した。
と同時に、用意された簡易ステージへ上がる。
無論、ジークも一緒だ。
「皇帝イザベラ・アルバートだ。まあ、せいぜい励め。以上」
拡声魔法を活用しながらそう言い、私はさっさとステージを降りる。
が、弟子のリズベットに引き止められた。
「ちょっ……待ってください!さすがに短すぎますー!」
「いや、貴様が『一言ください』って言ったんだろ」
「だからって、本当に一言で終わらせないでくださいよー!」
『言葉の綾じゃないですか!』と述べ、リズベットはグイグイと私の腕を引っ張った。
が、私は微動だにしない。物理的にも、精神的にも。
「はぁ……そんなに演説してほしいなら、ジークに頼め。私は長話などしたくない」
『面倒臭い』という本音を見せる私に、リズベットはガクリと項垂れた。
かと思えば、標的をジークに変える。
「もうチンチクリンでもいいので!なんか、話してください!」
「えっ?」
急に水を向けられたジークは、リズベットに引き摺られるままステージへ立った。
あまりのことに、一瞬ポカンとするものの……わりと直ぐに状況を受け入れ、前を見据える。
「ご紹介に与りました、ジーク・ザラーム・アルバートです。まずは生徒の皆さん、ご入学おめでとうございます。記念すべき第一期生が、これからどのような偉業を成し遂げて行くのかとても楽しみです。どうか、我々の……いえ、学校創立を決心してくださったイザベラ様のご期待にお応え出来るよう、頑張ってください」
いや、何故そこで私の名前を出す……。
あと、入学生を鼓舞するのは構わないが、あまり圧を掛けるなよ。
十歳未満の子供だって、チラホラ居るんだから。
『私関連のことには、本当妥協しないよな』と思案する中、ジークは言葉を続ける。
「いつの日か皆さんが学校を卒業し、アルバート帝国で活躍されることを祈ります。くれぐれも……くれぐれもここで培った経験や実力を悪用し、イザベラ様を困らせないようお願いしますね。もし、そのような事態になれば……容赦しません、俺が」
『学ぶ機会をくださったイザベラ様に楯突くなんて、許せない』とでも思っているのか、ジークはしっかり釘を刺す。
おかげで、入学生の約半分は縮こまってしまった。
が、意外にも元奴隷やスラムの者達はしゃんとしている。
「はい、必ずやイザベラ様のお役に立ちます!」
「ご迷惑になるようなことは、しません!」
「陛下には、多大なる恩がありますから!」
「一生を捧げる覚悟です!」
重すぎる感情を吐露し、彼らはグッと手を握り締めた。
意欲的を通り越してどこか狂気的な彼らを前に、ジークは満足そうに頷く。
「それでは、改めましてご入学おめでとうございます。どうぞ、楽しい学校生活を送ってください」
そう言って挨拶を締め括り、ジークは軽く一礼した。
かと思えば、直ぐに私の元へ戻ってくる。
その様子はどこか、犬に似ていた。
「い、イザベラ様……先程の挨拶は、どうでしたか?」
見えない尻尾を振りながら隣に並び、ジークは顔を覗き込んでくる。
期待に満ち溢れた黄金の瞳を前に、私は一つ息を吐いた。
「まあ、良かったんじゃないか?ジークらしくて」
「ほ、本当ですか……?ありがとうございます!」
花が綻ぶような笑みを浮かべ、ジークはこれでもかというほど喜びを露わにした。
すっかり上機嫌になる彼に対し、私は手を差し伸べる。
「さあ、そろそろ帰るぞ。お互いこのあと予定もないことだし、ゆっくりしよう」
「はい!」
間髪容れずに首を縦に振り、ジークはそっと手を重ねた。
控えめに手を握ってくる彼の前で、私は転移魔法を発動する。
そして皇城へ帰還すると、久々に夫婦水入らずの時間を堪能した。
✄-------------------‐-------------------‐------✄
いつも、『悪辣令嬢の独裁政治 ~私を敵に回したのが、運の尽き~』をお読みいただき、ありがとうございます。
作者のあーもんどです。
本作はこれにて、第二章完結となります。
第三章の執筆に伴い、しばらく更新をお休みします。
(ちなみに本作は第三章で完結予定です。もう少しだけ、お付き合い頂けますと幸いです)
再開時期は未定です。
決まり次第、小説家になろう様の活動報告にてお知らせいたします。
また、この場をお借りして言わせてください。
いつも感想やお気に入り登録など、ありがとうございます!
とても、励みになります!
今後とも、『悪辣令嬢の独裁政治 ~私を敵に回したのが、運の尽き~』をよろしくお願いいたします┏○ペコッ
『本当に退位していいのか』と迫る私に、伯爵は力無く首を横に振る。
「い、いいえ……私が間違っておりました。ご無礼をどうぞ、お許しください」
『出過ぎた真似をしました』と謝罪し、伯爵は深々と頭を下げた。
すっかり冷静になったのか、恐怖のあまり縮こまっている。
『なんてことを言ってしまったんだ』と後悔する彼の前で、私は足を組み直した。
「許してやってもいい。ただし────今後、当主承認制度の関係で謁見出来るのはあと一回までとする」
「「!?」」
ハッとしたように目を見開き、伯爵夫妻は硬直した。
『チャンスはあと一回だけ……』と呟く彼らを前に、私は手のひらを前に突き出す。
「息子を今から躾直すか、新たな候補を立てるかは貴様らの自由だ。よく考えて、判断しろ」
家の存続が架かった制約を設け、私はゆっくりと手を横に動かした。
すると、伯爵一家は廊下へ転移を果たす。
今頃パニックに陥っているであろう伯爵夫妻を想像し、私は『くくくっ……!』と笑った。
さあ、親心を取るか家の存続を取るか……はたまた、両方を勝ち取るか────
「────楽しみだな」
と、呟いた翌月。
私は衝撃な光景を目にする。
というのも、例の伯爵家の息子が────リズベットの創立した学校に姿を現したから。
しかも、入学生として。
開校式を見に来た野次馬や外部生────正式な生徒ではないものの、簡単な読み書きや計算を学びに来た者ならいざ知らず……しっかり講義を受けられる入学生として来るとは。
『面白い』と頬を緩める私は、屋上からグラウンドを眺める。
真剣に開校式へ参加している彼を前に、伯爵夫妻の狙いを考えた。
恐らく、私も創立に関わっている学校なら成長具合をきちんと見てもらえると判断したのだろう。
もちろん、単純に貴族として必要な教養を学べるカリュキュラムだからというのもあるが。
「それでも、平民ばかりの学校へ入れるという決断はなかなか出来るものじゃない。伯爵夫妻は本気で息子の再教育に力を注ぐつもりだな」
『覚悟の度合いが見て取れる』と呟き、私はフッと笑みを漏らす。
その選択が功を奏すといいな、と思いながら。
「────イザベラ様、とても楽しそうですね」
そう言って、横に並んだのは同じく開校式の立ち会いを任されたジークだった。
高い手摺りにそっと触れ、こちらを見つめる彼は柔らかく微笑む。
歓喜の入り交じった瞳を前に、私は小さく肩を竦めた。
「そりゃあ、こんな異色のメンバーを見ればな」
例の伯爵夫妻の息子はもちろん、スラムの子供達や特筆した才能を持たない元奴隷達など……とにかく、色んな事情を持つ人間が集まっている。
リズベットがどうやって彼らを導くのか、師匠として非常に楽しみだ。
『あいつもついに教える側へ回ったんだな』と感慨深い気持ちになる中、ジークは顎に手を当てる。
「確かになかなか興味深い者達が入学して……あれ?ケイラー侯爵家の次期当主も居ますね」
「ああ。多分、体良く厄介払いされたんだろ。表向きは『次期当主として、見識を広めるための入学』となっているが」
次期当主となったことで力をつけないよう、貴族や親戚から徹底的に距離を取らせる算段なのだろう。
で、在学中にあらゆるところへ根回しして帰ってきた時には居場所をなくすのが目的。
実に腹黒い計画だが、何の後ろ盾もない子供には効果的。
でも────
「────恐らく、奴らの狙い通りには行かないだろう。むしろ、真逆の結末になるかもな」
我が弟子リズベットの高等教育と、新興貴族になり得る才能を持った生徒達との縁……その二つを上手く利用出来れば、本当の意味で当主となるのは難しくない。
奴自身もソレに気づいているからこそ、入学を決めたものと思われる。
どことなく悪い顔をしているケイラー侯爵の次期当主に、私は『面白いことになりそうだな』と目を細めた。
────と、ここでグラウンドに居るリズベットがこちらを振り返る。
「恩師様からも一言くださーい!」
『せっかく来たんでんですからー!』と主張し、リズベットは大きく手を振った。
その途端、生徒や野次馬もこちらを見る。
と同時に、絶句した。
まさか、皇帝まで立ち会っているとは思わなかったのだろう。
慌てて姿勢を正す彼らの前で、私はグラウンドに転移した。
と同時に、用意された簡易ステージへ上がる。
無論、ジークも一緒だ。
「皇帝イザベラ・アルバートだ。まあ、せいぜい励め。以上」
拡声魔法を活用しながらそう言い、私はさっさとステージを降りる。
が、弟子のリズベットに引き止められた。
「ちょっ……待ってください!さすがに短すぎますー!」
「いや、貴様が『一言ください』って言ったんだろ」
「だからって、本当に一言で終わらせないでくださいよー!」
『言葉の綾じゃないですか!』と述べ、リズベットはグイグイと私の腕を引っ張った。
が、私は微動だにしない。物理的にも、精神的にも。
「はぁ……そんなに演説してほしいなら、ジークに頼め。私は長話などしたくない」
『面倒臭い』という本音を見せる私に、リズベットはガクリと項垂れた。
かと思えば、標的をジークに変える。
「もうチンチクリンでもいいので!なんか、話してください!」
「えっ?」
急に水を向けられたジークは、リズベットに引き摺られるままステージへ立った。
あまりのことに、一瞬ポカンとするものの……わりと直ぐに状況を受け入れ、前を見据える。
「ご紹介に与りました、ジーク・ザラーム・アルバートです。まずは生徒の皆さん、ご入学おめでとうございます。記念すべき第一期生が、これからどのような偉業を成し遂げて行くのかとても楽しみです。どうか、我々の……いえ、学校創立を決心してくださったイザベラ様のご期待にお応え出来るよう、頑張ってください」
いや、何故そこで私の名前を出す……。
あと、入学生を鼓舞するのは構わないが、あまり圧を掛けるなよ。
十歳未満の子供だって、チラホラ居るんだから。
『私関連のことには、本当妥協しないよな』と思案する中、ジークは言葉を続ける。
「いつの日か皆さんが学校を卒業し、アルバート帝国で活躍されることを祈ります。くれぐれも……くれぐれもここで培った経験や実力を悪用し、イザベラ様を困らせないようお願いしますね。もし、そのような事態になれば……容赦しません、俺が」
『学ぶ機会をくださったイザベラ様に楯突くなんて、許せない』とでも思っているのか、ジークはしっかり釘を刺す。
おかげで、入学生の約半分は縮こまってしまった。
が、意外にも元奴隷やスラムの者達はしゃんとしている。
「はい、必ずやイザベラ様のお役に立ちます!」
「ご迷惑になるようなことは、しません!」
「陛下には、多大なる恩がありますから!」
「一生を捧げる覚悟です!」
重すぎる感情を吐露し、彼らはグッと手を握り締めた。
意欲的を通り越してどこか狂気的な彼らを前に、ジークは満足そうに頷く。
「それでは、改めましてご入学おめでとうございます。どうぞ、楽しい学校生活を送ってください」
そう言って挨拶を締め括り、ジークは軽く一礼した。
かと思えば、直ぐに私の元へ戻ってくる。
その様子はどこか、犬に似ていた。
「い、イザベラ様……先程の挨拶は、どうでしたか?」
見えない尻尾を振りながら隣に並び、ジークは顔を覗き込んでくる。
期待に満ち溢れた黄金の瞳を前に、私は一つ息を吐いた。
「まあ、良かったんじゃないか?ジークらしくて」
「ほ、本当ですか……?ありがとうございます!」
花が綻ぶような笑みを浮かべ、ジークはこれでもかというほど喜びを露わにした。
すっかり上機嫌になる彼に対し、私は手を差し伸べる。
「さあ、そろそろ帰るぞ。お互いこのあと予定もないことだし、ゆっくりしよう」
「はい!」
間髪容れずに首を縦に振り、ジークはそっと手を重ねた。
控えめに手を握ってくる彼の前で、私は転移魔法を発動する。
そして皇城へ帰還すると、久々に夫婦水入らずの時間を堪能した。
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いつも、『悪辣令嬢の独裁政治 ~私を敵に回したのが、運の尽き~』をお読みいただき、ありがとうございます。
作者のあーもんどです。
本作はこれにて、第二章完結となります。
第三章の執筆に伴い、しばらく更新をお休みします。
(ちなみに本作は第三章で完結予定です。もう少しだけ、お付き合い頂けますと幸いです)
再開時期は未定です。
決まり次第、小説家になろう様の活動報告にてお知らせいたします。
また、この場をお借りして言わせてください。
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