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本編
第一王子《ジェフリー side》
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そのまま真っ直ぐ王城へと帰還した俺は実の兄であり、この国の第一王子でもあるイアン・リカルド・クラインにソフィア嬢との一件を報告していた。
テーブルを挟んで向かい合う兄上は俺の話を聞くなり、苦笑を浮かべる。
大して驚いた様子はなく、『やっぱりか』とでも言うように俺の話を聞いていた。
兄上はこうなることに薄々勘づいていたのかもしれない……。
兄上もニコラス公爵と同じように、ソフィア嬢にはあまり近寄らなかったから……。
「だから、『あの娘はやめておけ』と言ったのに……ジェフリーは女を見る目がないね」
「うっ……!返す言葉もないぜ……」
ソフィア嬢との婚約をずっと反対していた兄上はやれやれとでも言うように首を振る。
恋は盲目と言うべきか、俺は兄上の忠告よりも目先の幸せに飛びついたのだ。
なんと浅はかで、愚かなことか……俺は今になって、ようやく気づいた。
でも、不思議と後悔はしていない。ソフィア嬢と過ごした日々は確かに幸せだったから。
「それで、どうするつもりだい?婚約はもちろん、破棄するんだろう?」
「ああ、そのつもりだ」
確かにソフィア嬢との日々は幸せだったし、後悔もしていないが、浮気した彼女を許してやれるほど、俺の心は広くない。
何より、ソフィア嬢には反省した様子がなかった。
仮に寛大な心で許したとしても、懲りずに同じことを繰り返すだろう。
そんな女と幸せな人生が歩めるとは到底思えない……だから、お互いのためにも婚約は破棄すべきだ。
兄上は優雅な所作で長い足を組むと、安心したように表情を緩めた。
「なら、良かったよ。まだ婚約関係を続けると言ったら、医者に診せるところだった。ちなみに慰謝料はどのくらいを考えているんだい?」
何の気なしに投げ掛けられた質問に、俺の体が一瞬固まる。
脳裏に過ったのは侯爵家の財政事情だった。
借金こそしていないものの、侯爵家にはもうほとんどお金が無い。
使用人への給金と屋敷の維持費だけで手一杯の状態だ。
そんな時に慰謝料の請求なんてしたら……侯爵家が本当に没落してしまう。
だからと言って、何の罰も与えないのは王家の威信に関わる……。
何らかの形で必ず罰を与えないといけない……。
「……兄上、慰謝料の請求以外で侯爵家に……ソフィア嬢に罰を与える方法はないのか?」
兄上の知恵を借りたいと申し出れば、彼は僅かに目を見開いた。
そして、呆れたように笑う。
「ジェフリー、お前は本当に甘いね。お人好しもここまで来ると、一種の才能だよ」
呆れにも感心にも似た呟きに、俺は何も言わずに肩を竦めた。
自分でも、かなり甘い対応をしている自覚はあるので、否定はしない。
そんな俺の態度に、兄上は仕方ないなとでも言うように首を左右に振った。
「侯爵家に影響がないようにしたいなら、慰謝料の代わりになりそうな罰を与えればいい。それも、ソフィア・フローレンスにだけ影響のある罰を……。そうだね、例えば────彼女を修道院送りにするとか」
兄上が口にした奇抜なアイディアに、俺は『その手があったか』と大きく目を見開いた。
テーブルを挟んで向かい合う兄上は俺の話を聞くなり、苦笑を浮かべる。
大して驚いた様子はなく、『やっぱりか』とでも言うように俺の話を聞いていた。
兄上はこうなることに薄々勘づいていたのかもしれない……。
兄上もニコラス公爵と同じように、ソフィア嬢にはあまり近寄らなかったから……。
「だから、『あの娘はやめておけ』と言ったのに……ジェフリーは女を見る目がないね」
「うっ……!返す言葉もないぜ……」
ソフィア嬢との婚約をずっと反対していた兄上はやれやれとでも言うように首を振る。
恋は盲目と言うべきか、俺は兄上の忠告よりも目先の幸せに飛びついたのだ。
なんと浅はかで、愚かなことか……俺は今になって、ようやく気づいた。
でも、不思議と後悔はしていない。ソフィア嬢と過ごした日々は確かに幸せだったから。
「それで、どうするつもりだい?婚約はもちろん、破棄するんだろう?」
「ああ、そのつもりだ」
確かにソフィア嬢との日々は幸せだったし、後悔もしていないが、浮気した彼女を許してやれるほど、俺の心は広くない。
何より、ソフィア嬢には反省した様子がなかった。
仮に寛大な心で許したとしても、懲りずに同じことを繰り返すだろう。
そんな女と幸せな人生が歩めるとは到底思えない……だから、お互いのためにも婚約は破棄すべきだ。
兄上は優雅な所作で長い足を組むと、安心したように表情を緩めた。
「なら、良かったよ。まだ婚約関係を続けると言ったら、医者に診せるところだった。ちなみに慰謝料はどのくらいを考えているんだい?」
何の気なしに投げ掛けられた質問に、俺の体が一瞬固まる。
脳裏に過ったのは侯爵家の財政事情だった。
借金こそしていないものの、侯爵家にはもうほとんどお金が無い。
使用人への給金と屋敷の維持費だけで手一杯の状態だ。
そんな時に慰謝料の請求なんてしたら……侯爵家が本当に没落してしまう。
だからと言って、何の罰も与えないのは王家の威信に関わる……。
何らかの形で必ず罰を与えないといけない……。
「……兄上、慰謝料の請求以外で侯爵家に……ソフィア嬢に罰を与える方法はないのか?」
兄上の知恵を借りたいと申し出れば、彼は僅かに目を見開いた。
そして、呆れたように笑う。
「ジェフリー、お前は本当に甘いね。お人好しもここまで来ると、一種の才能だよ」
呆れにも感心にも似た呟きに、俺は何も言わずに肩を竦めた。
自分でも、かなり甘い対応をしている自覚はあるので、否定はしない。
そんな俺の態度に、兄上は仕方ないなとでも言うように首を左右に振った。
「侯爵家に影響がないようにしたいなら、慰謝料の代わりになりそうな罰を与えればいい。それも、ソフィア・フローレンスにだけ影響のある罰を……。そうだね、例えば────彼女を修道院送りにするとか」
兄上が口にした奇抜なアイディアに、俺は『その手があったか』と大きく目を見開いた。
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