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本編
天罰《ソフィア side》
平民街に取り残された私は助け起こしてくれた男の家に一晩泊まり、軽く遊んでから、屋敷へ帰った。
すると────待ってましたと言わんばかりに、両親が私に詰め寄ってきた。
「ソフィア!貴方、なんてことしてくれたの!?」
「ジェフリー王子と婚約していながら、他の男と会うなど……!許されることではない!」
ジェフが早速両親に告げ口でもしたのか、二人は般若の形相で睨みつけてくる。
両親がここまで激怒する姿は初めて見た。
両親はジェフとの婚約が決まってから、色々言うようになったが、私を怒鳴りつけることは一度もなかった……。
いつも、不機嫌な私を宥めるように優しく接してくれたのに……ジェフは私の両親まで変えてしまったのね。
「ジェフリー王子が尽力してくれたおかげで、侯爵家はここまでやって来れたのに!恩を仇で返すなんて……!」
「没落寸前の我が家がここまで持ち直したのも全てジェフリー王子のおかげなんだぞ!」
没落寸前って……あれは何かの冗談じゃなかったの?だって、建国時から存在するフローレンス侯爵家が没落なんて……有り得ないもの。
『没落』という言葉をいまいち理解出来ず、首を傾げていると、母は頭を抱え込んだ。
「嗚呼……一体どこで育て方を間違えたのかしら?次女だからと甘やかしたのがいけなかったの……?」
「ソフィアを矯正するという意味でも、ジェフリー王子の提案を受け入れた方がいいかもしれないな……」
育て方を間違えた?私を矯正?ジェフの提案?一体、何のこと?
事態が呑み込めず、困惑していると、母の肩を抱き寄せた父がチラリとこちらに視線を向けた。
難しい顔をするお父様は僅かな沈黙の後、私にこう告げる。
「……ソフィア、お前には────北端の修道院に行ってもらう。そこで自分の行いを今一度見つめ直して来なさい」
「……えっ?」
『修道院』という耳馴染みのない言葉に驚いていると、父が一枚の手紙を無言で差し出してきた。
上手く事態を呑み込めないまま、その手紙を受け取り、文章に目を通していく。
そこには────強制的に婚約を破棄する事と、私を修道院送りにすれば慰謝料を請求しない事が書かれていた。
ご丁寧に、修道院までの地図や推薦状まで同封してある。
なっ……!?これって、一体どういうこと!?どうして、私が修道院なんかに……!
婚約破棄は全然構わないけど、これは……!
身売りにも生贄にも似た処遇に、私は開いた口が塞がらない……。
そんな私に、父は残酷な現実を突きつけた。
「我が家に慰謝料を支払うだけの金はない。天罰だと思って、受け入れなさい。出発は明日の早朝だ。馬車の手配はしたから、今日はゆっくり休みなさい」
父はそれだけ言うと、泣き出した母の体を支えて主寝室の方へ消えていった。
すると────待ってましたと言わんばかりに、両親が私に詰め寄ってきた。
「ソフィア!貴方、なんてことしてくれたの!?」
「ジェフリー王子と婚約していながら、他の男と会うなど……!許されることではない!」
ジェフが早速両親に告げ口でもしたのか、二人は般若の形相で睨みつけてくる。
両親がここまで激怒する姿は初めて見た。
両親はジェフとの婚約が決まってから、色々言うようになったが、私を怒鳴りつけることは一度もなかった……。
いつも、不機嫌な私を宥めるように優しく接してくれたのに……ジェフは私の両親まで変えてしまったのね。
「ジェフリー王子が尽力してくれたおかげで、侯爵家はここまでやって来れたのに!恩を仇で返すなんて……!」
「没落寸前の我が家がここまで持ち直したのも全てジェフリー王子のおかげなんだぞ!」
没落寸前って……あれは何かの冗談じゃなかったの?だって、建国時から存在するフローレンス侯爵家が没落なんて……有り得ないもの。
『没落』という言葉をいまいち理解出来ず、首を傾げていると、母は頭を抱え込んだ。
「嗚呼……一体どこで育て方を間違えたのかしら?次女だからと甘やかしたのがいけなかったの……?」
「ソフィアを矯正するという意味でも、ジェフリー王子の提案を受け入れた方がいいかもしれないな……」
育て方を間違えた?私を矯正?ジェフの提案?一体、何のこと?
事態が呑み込めず、困惑していると、母の肩を抱き寄せた父がチラリとこちらに視線を向けた。
難しい顔をするお父様は僅かな沈黙の後、私にこう告げる。
「……ソフィア、お前には────北端の修道院に行ってもらう。そこで自分の行いを今一度見つめ直して来なさい」
「……えっ?」
『修道院』という耳馴染みのない言葉に驚いていると、父が一枚の手紙を無言で差し出してきた。
上手く事態を呑み込めないまま、その手紙を受け取り、文章に目を通していく。
そこには────強制的に婚約を破棄する事と、私を修道院送りにすれば慰謝料を請求しない事が書かれていた。
ご丁寧に、修道院までの地図や推薦状まで同封してある。
なっ……!?これって、一体どういうこと!?どうして、私が修道院なんかに……!
婚約破棄は全然構わないけど、これは……!
身売りにも生贄にも似た処遇に、私は開いた口が塞がらない……。
そんな私に、父は残酷な現実を突きつけた。
「我が家に慰謝料を支払うだけの金はない。天罰だと思って、受け入れなさい。出発は明日の早朝だ。馬車の手配はしたから、今日はゆっくり休みなさい」
父はそれだけ言うと、泣き出した母の体を支えて主寝室の方へ消えていった。
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完結いたしました!ありがとうございました!
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