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第4話 カブト
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支給された黒を基調とし差し色は黒紫の線とリボン、セーラー服の彼女。大人な感じの印象だが。
「メプルさん……」
「は、はい……?」
「めっちゃ似合ってますよ! うわ本当にその辺の現役JKより上です、はい余裕で上の上です! うわ、ええ? すっごちょっとほんとにこれ現実だよな」
顎に手をやり考えたふりをし、おどけてみせた月無五百里。
「そう……ありがとう」
左の黒髪をさらり、かきなでてクールに彼の顔を見返す。すこに前に顔を傾けたその仕草に五百里はまた心を奪われたかのように。
「もう俺しあわせです。こんな最高の彼女がいるなんて……」
「……それは……私も」
激闘の映画館デート、助かった命のその後、2人は男女として互いの心を確認し合いお付き合いを始めることになった。
並び、山道を歩いて登っていく。やがて立ち止まり鬱蒼としていた山のはずれを見つめる。
魔法にでもかかったかのように木々草花は押し退き道を開け道になり、彼らを歓迎した。
「なんなんでしょうねこれ……すごすぎてファンタジー超えてません、はは」
「うん不思議……行きましょう月無くん」
彼女から差し伸べされた左手、繋ぎ微笑み合った2人は秘密の道を登っていく。
「ところで学校って、アレ結局どこに……秘密基地的な?」
「秘密基地、そうね。私は一度行ったことあるから」
「そうなんですか、なんか子供の夢みたいでワクワクしてきたなぁ」
「子供の夢……ふふ。そんな風に思ったことなかったな、ふふ」
メプルは微笑み、彼女の反応を見た五百里は大変うれしくなった。
2人だけの時間、山の緑と溢れ射す陽の中。忍ぶ必要もないそんな自然の解放感の中をデート気分で秘密の道を辿っていく。
そして平地を行き着いたのは、緑が禿げ土色が剥き出しとなった小さな地。2人の目の前には青い楕円形のゲートがあった。
「白川楓、朝食はホットケーキ2枚」
『うふふ恋ですね』
「……月無くん、次」
「え、なんだこれ……だれ? メプルさんこれは」
「挨拶みたいなもの、月無くんなんでも……その、事実ならなんでもいいみたい。さっきの私みたいに」
「なるほど……朝食はホットケーキ7枚!!」
「え、ちがくて。月無くん私の真似じゃなくて」
『うふふ恋ですね』
「はははは、おはようございます恋です」
五百里は黒髪をかきながら横目にメプルを笑いながらちらっと見た。メプルは一瞬驚き、釣られてフッと微笑んだ。
『おはようイオリ。カブトよよろしくね』
「はは、カブトさん? 珍しい名前ですね素敵です!」
『うふふあなたもね、ツキナシイオリ。メプルふふふ』
「月無くん……すごいその人と話してるの? 私そんなこと一回もできなかった」
「え? なんか話しかけたら返されましたよ気の良いお姉さんみたいです!」
『うふふ遅刻するわ急ぎなさい2人とも』
姿のない声と仲良く話している内に青いゲートは赤く変わり、2人はその不思議なゲートを手を繋ぎくぐっていった。
「メプルさん……」
「は、はい……?」
「めっちゃ似合ってますよ! うわ本当にその辺の現役JKより上です、はい余裕で上の上です! うわ、ええ? すっごちょっとほんとにこれ現実だよな」
顎に手をやり考えたふりをし、おどけてみせた月無五百里。
「そう……ありがとう」
左の黒髪をさらり、かきなでてクールに彼の顔を見返す。すこに前に顔を傾けたその仕草に五百里はまた心を奪われたかのように。
「もう俺しあわせです。こんな最高の彼女がいるなんて……」
「……それは……私も」
激闘の映画館デート、助かった命のその後、2人は男女として互いの心を確認し合いお付き合いを始めることになった。
並び、山道を歩いて登っていく。やがて立ち止まり鬱蒼としていた山のはずれを見つめる。
魔法にでもかかったかのように木々草花は押し退き道を開け道になり、彼らを歓迎した。
「なんなんでしょうねこれ……すごすぎてファンタジー超えてません、はは」
「うん不思議……行きましょう月無くん」
彼女から差し伸べされた左手、繋ぎ微笑み合った2人は秘密の道を登っていく。
「ところで学校って、アレ結局どこに……秘密基地的な?」
「秘密基地、そうね。私は一度行ったことあるから」
「そうなんですか、なんか子供の夢みたいでワクワクしてきたなぁ」
「子供の夢……ふふ。そんな風に思ったことなかったな、ふふ」
メプルは微笑み、彼女の反応を見た五百里は大変うれしくなった。
2人だけの時間、山の緑と溢れ射す陽の中。忍ぶ必要もないそんな自然の解放感の中をデート気分で秘密の道を辿っていく。
そして平地を行き着いたのは、緑が禿げ土色が剥き出しとなった小さな地。2人の目の前には青い楕円形のゲートがあった。
「白川楓、朝食はホットケーキ2枚」
『うふふ恋ですね』
「……月無くん、次」
「え、なんだこれ……だれ? メプルさんこれは」
「挨拶みたいなもの、月無くんなんでも……その、事実ならなんでもいいみたい。さっきの私みたいに」
「なるほど……朝食はホットケーキ7枚!!」
「え、ちがくて。月無くん私の真似じゃなくて」
『うふふ恋ですね』
「はははは、おはようございます恋です」
五百里は黒髪をかきながら横目にメプルを笑いながらちらっと見た。メプルは一瞬驚き、釣られてフッと微笑んだ。
『おはようイオリ。カブトよよろしくね』
「はは、カブトさん? 珍しい名前ですね素敵です!」
『うふふあなたもね、ツキナシイオリ。メプルふふふ』
「月無くん……すごいその人と話してるの? 私そんなこと一回もできなかった」
「え? なんか話しかけたら返されましたよ気の良いお姉さんみたいです!」
『うふふ遅刻するわ急ぎなさい2人とも』
姿のない声と仲良く話している内に青いゲートは赤く変わり、2人はその不思議なゲートを手を繋ぎくぐっていった。
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