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第226死 就寝。ラスト・ファミリーランド
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▼ラスト・ファミリーランド▼
ミドリの観覧車はゆっくりと回りその頂上まで達した。双眼鏡でズーム目視確認、目を凝らして────
『見つけたぼむぅ作戦開始おねがいうぅ』
観覧車にいるボンバーオンナの通信ボムから地上の通信ボムへと報告が入り、
「分かった──、ヒーローショー開演だ!」
「僕の出番ってねぇー」
「俺もいるという事だろうっうー!」
「コロス……コロっスぅっぅーー」
投げ捨てられた4つ──炸裂したアイスボム、不意打ち気味にアイスゾンビをカチコチに凍らせた。
植物の咲き乱れる街フラワーストームからパレード後列へと横槍を入れ乱入した。
疾走する色とりどりのブットビウサギたちに跨り、耳ハンドルをがっちりと掴みとぼけたメロディーを流しながら愉快な死のパレードへと乱入、ヒーローショーの開演だ。
更に投げるセイザボム。
爆発に巻き込まれた者は──正座状態。地に正座する状態異常を負ってしまい両手を伸ばしてずってんころりん、無力化。
まだまだ向かって来る。ゾンビは予想通りの動きを見せるゆっくりと両手を前に突き伸ばしながら人間へと襲いかかっていく。
「トリモチボム」
「おっぱいボム」
「おちんこボム」
「ボンドボム」
「ボンオドりボム」
通信ボムを媒介にし転送されて来たオリジナルボムの数々。それをNTヒーローズはまたも投げ捨てた。
色とりどり爆撃。
大混乱のパレード客は踊り、固まり、珍妙に──殺生をせず無力化に成功。
『トラのアイスのゾンビに抱きついているもじゃ髪ショートのふわもこしゅてんどうじパジャマオンナぼむぅ』
「トラのアイスのゾンビに抱きついているもじゃ髪ショートのふわもこしゅてんどうじパジャマオンナぼむぅ、らしい」
「なるほど、虎のナイスなコンビニ土地ついているお釈迦にショートの付和雷同バナナボートぼむぅ、らしいな」
「全然ちがうぞ青!」
「ちがわないぞ赤」
「青はこれだから」
「青やはり緑より劣る存在なのです」
「……コロっスぅっぅーー」
ブットビウサギたちに乗ってNTヒーローズはアイスゾンビの群れをかきわけパレードを蹂躙しながら──進んでいったが、予想以上の群がりに離れ離れとなってしまったヒーロー達。
▼
▽
リーダーのレッドは今更に振り返れない……とにかく目標へと目指して──突如上空に並々ならぬ殺気。数多のコーンが頭上へと降り注ぐ、それは絶対絶命のピンチ。なんとか避けようと白いウサギの耳をギュッと掴み右へと、
それも突如右から颯爽とやって来た。大きなラスファミ案内マップ看板を頭上に傘にして、コーンの雨を相合傘で凌いでいく。
「いけっレッド!」
「イエローひ弱なお前がそんなパワープレイを! 腹筋だって10回しか出来ないのにィィ!」
「今が僕の最高の頑張りどきだよレッド、腹筋だって食いしばればァァァ平気だよ! スーツのおかげだけどおおおお」
「おまえそのブットビウサギ……くっ、すまないイエロー!」
黄の乗るグレーのブットビウサギは片耳が千切れていた。それではもう保たない事は明白。レッドは涙を飲み白いウサギを走らせていった。
▼
▽
──デカいそれはあまりにもデカいアイスゾンビ、またもリーダーレッドの前へと障害は立ちはだかり邪魔をするというのだ。
「いけっ! レッド!!! 今なら言っていい。レッド実はお前のその熱血っぷりその情熱のレッドスーツにずっと嫉妬していた……お前がナンバーワンだ。俺はパッとしないそよかぜグリーンで十分さ」
「ぐりーーん!!! お前が俺のスーツを隠れて着ていたの知っていたぞ俺はァァァ」
ピンクのウサギは数多の爆弾を抱えて爆散。最後にマスクの中のそいつは微笑んでいた。
グリーンがチカラを出しきり、切り開いた道をレッドはブットビウサギ(白)を疾走させ、ゆく。
▼
▽
「んっ!? なぜだ速度が落ちたッおいっポンコツはたらけラスファミだぞおお」
ガンガンっと横腹を蹴るがスピードがみるみると落ちていく、シロウサギ。このままでは……。
「レッド、お前もう終わってる」
「ブルーゥゥ! 良かったそっちに飛び移らせてくれっ! ブットビウサギが故障した!」
「無理だ、だって終わってる。俺のブットビウサギ(黒)の方が1.3倍は余裕で速い、こいつは俺が魔改造してお客様相手にお客様を装い無双していた愛機ブラックサタンカスタムⅡだからな。ちなみにその白は前半トバして後半落ちるようにこちらの裏ミミレバーで操作可能となっている」
「ブルーゥゥゥ貴様ァァァ」
「レッド、俺はお前が……これからもよろしくたのむ」
「ふざけるなァァァァァァポンコツニートブルーゥゥゥ────」
無情にもレッドが堕ち、後ろからブルーが駆け抜けていった。
▼
▽
「虎虎虎とらとらとら」
「虎ァァァ」
発見、虎。
虎の着ぐるみを来たアイスゾンビ即ち虎。そしてそれに抱きつくもじゃ髪のパジャマ姿のオンナ。
この作戦の目標である人物だ。ブルーは転送された白いメディカボムを手に持ち。
ラスファミ魂を振り絞り、ボロつく愛機ブラックサタンカスタムⅡで突貫。
最後に立ちはだかったアイスゾンビの壁はなんのそののパワープレイ────突っ込んだ青は白く爆発した。
「ラスファミ魂ぃ……ぼむぅっぅー……」
眩い爆発は明け──、元の姿に戻った一部人々。元の姿を取り戻したピローは、その青いヒーローの立てた右の親指を寝ぼけ眼で見届け。
とりあえず一度眠気覚ましの──大きくダイナミックな背伸びと欠伸をした。
そしてここまで何が起こったのかブットんでいた夢のナカの自我を呼び覚まし、状況を照らし合わせてハッと少しは理解した。
このおかしなパレードは続いている、そしてこれは自分を助けたボンバーオンナのメディカボム。ならば、チカラを解放して終わらせる。
「いい日差しいい陽射しィィィィぶらいぎっどこわいこわい、アイスささげる邪魔だめええええ」
異変に気付いた神輿から降りてきた、あんとこーんは怒りの形相。溶けてゆく彼女のその表情とずり下がっていくチョコナッツベレー帽。
邪魔は駄目なのだ彼女は歌いつづけ踊りつづけみんなで楽しくアイスを天にささげないといけないのだから。
怒り前方へとばら撒く数多のコーン、ふたたび人々をアイスと化すため。
それを防ぐ────ピローは防ぐ。宙に浮かばせた枕はコーンをふんわりと弾き地に砕き。もじゃつく青い髪を掻きむしり乱して整えて、
「んーー……だきだき。オールスリッパー」
だきだき。発動、オールスリッパー。突如宙空に出現するは数多のカラフルファンシー抱かれ枕、人々アイスゾンビ達は背後からぎゅっとそのふんわりとした生地の腕に包まれて────
枕に抱かれて、
全員眠った────。
「ねむ……ほわぁぁ……」
欠伸、勝利のち睡眠。死のパレード、死のダンスに遊び疲れたお客様、あんとこーんとNTヒーローズ、探索者ピローねむたい自身までもが。ひんやりと冷たいラスト・ファミリーの地に寝そべり集団睡眠。
「ぶらいぎぃぃ……きもちとけりゅ……」
「だきだき……しゅべしゅべ……」
虎のお姉さんに代わって新しくて珍しい枕をゲット。ひんやり冷たく温かく甘い匂いが鼻をくすぐり寝心地がいい。強烈な睡魔に誘われながら、探索者ピローねむたいはあんとこーんをだきだき──秒速の就寝にて、すやすやと決着。
壊れて疲れたブットビウサギたちはひとりでに、懐かしい子守唄を歌いながら────。
ミドリの観覧車はゆっくりと回りその頂上まで達した。双眼鏡でズーム目視確認、目を凝らして────
『見つけたぼむぅ作戦開始おねがいうぅ』
観覧車にいるボンバーオンナの通信ボムから地上の通信ボムへと報告が入り、
「分かった──、ヒーローショー開演だ!」
「僕の出番ってねぇー」
「俺もいるという事だろうっうー!」
「コロス……コロっスぅっぅーー」
投げ捨てられた4つ──炸裂したアイスボム、不意打ち気味にアイスゾンビをカチコチに凍らせた。
植物の咲き乱れる街フラワーストームからパレード後列へと横槍を入れ乱入した。
疾走する色とりどりのブットビウサギたちに跨り、耳ハンドルをがっちりと掴みとぼけたメロディーを流しながら愉快な死のパレードへと乱入、ヒーローショーの開演だ。
更に投げるセイザボム。
爆発に巻き込まれた者は──正座状態。地に正座する状態異常を負ってしまい両手を伸ばしてずってんころりん、無力化。
まだまだ向かって来る。ゾンビは予想通りの動きを見せるゆっくりと両手を前に突き伸ばしながら人間へと襲いかかっていく。
「トリモチボム」
「おっぱいボム」
「おちんこボム」
「ボンドボム」
「ボンオドりボム」
通信ボムを媒介にし転送されて来たオリジナルボムの数々。それをNTヒーローズはまたも投げ捨てた。
色とりどり爆撃。
大混乱のパレード客は踊り、固まり、珍妙に──殺生をせず無力化に成功。
『トラのアイスのゾンビに抱きついているもじゃ髪ショートのふわもこしゅてんどうじパジャマオンナぼむぅ』
「トラのアイスのゾンビに抱きついているもじゃ髪ショートのふわもこしゅてんどうじパジャマオンナぼむぅ、らしい」
「なるほど、虎のナイスなコンビニ土地ついているお釈迦にショートの付和雷同バナナボートぼむぅ、らしいな」
「全然ちがうぞ青!」
「ちがわないぞ赤」
「青はこれだから」
「青やはり緑より劣る存在なのです」
「……コロっスぅっぅーー」
ブットビウサギたちに乗ってNTヒーローズはアイスゾンビの群れをかきわけパレードを蹂躙しながら──進んでいったが、予想以上の群がりに離れ離れとなってしまったヒーロー達。
▼
▽
リーダーのレッドは今更に振り返れない……とにかく目標へと目指して──突如上空に並々ならぬ殺気。数多のコーンが頭上へと降り注ぐ、それは絶対絶命のピンチ。なんとか避けようと白いウサギの耳をギュッと掴み右へと、
それも突如右から颯爽とやって来た。大きなラスファミ案内マップ看板を頭上に傘にして、コーンの雨を相合傘で凌いでいく。
「いけっレッド!」
「イエローひ弱なお前がそんなパワープレイを! 腹筋だって10回しか出来ないのにィィ!」
「今が僕の最高の頑張りどきだよレッド、腹筋だって食いしばればァァァ平気だよ! スーツのおかげだけどおおおお」
「おまえそのブットビウサギ……くっ、すまないイエロー!」
黄の乗るグレーのブットビウサギは片耳が千切れていた。それではもう保たない事は明白。レッドは涙を飲み白いウサギを走らせていった。
▼
▽
──デカいそれはあまりにもデカいアイスゾンビ、またもリーダーレッドの前へと障害は立ちはだかり邪魔をするというのだ。
「いけっ! レッド!!! 今なら言っていい。レッド実はお前のその熱血っぷりその情熱のレッドスーツにずっと嫉妬していた……お前がナンバーワンだ。俺はパッとしないそよかぜグリーンで十分さ」
「ぐりーーん!!! お前が俺のスーツを隠れて着ていたの知っていたぞ俺はァァァ」
ピンクのウサギは数多の爆弾を抱えて爆散。最後にマスクの中のそいつは微笑んでいた。
グリーンがチカラを出しきり、切り開いた道をレッドはブットビウサギ(白)を疾走させ、ゆく。
▼
▽
「んっ!? なぜだ速度が落ちたッおいっポンコツはたらけラスファミだぞおお」
ガンガンっと横腹を蹴るがスピードがみるみると落ちていく、シロウサギ。このままでは……。
「レッド、お前もう終わってる」
「ブルーゥゥ! 良かったそっちに飛び移らせてくれっ! ブットビウサギが故障した!」
「無理だ、だって終わってる。俺のブットビウサギ(黒)の方が1.3倍は余裕で速い、こいつは俺が魔改造してお客様相手にお客様を装い無双していた愛機ブラックサタンカスタムⅡだからな。ちなみにその白は前半トバして後半落ちるようにこちらの裏ミミレバーで操作可能となっている」
「ブルーゥゥゥ貴様ァァァ」
「レッド、俺はお前が……これからもよろしくたのむ」
「ふざけるなァァァァァァポンコツニートブルーゥゥゥ────」
無情にもレッドが堕ち、後ろからブルーが駆け抜けていった。
▼
▽
「虎虎虎とらとらとら」
「虎ァァァ」
発見、虎。
虎の着ぐるみを来たアイスゾンビ即ち虎。そしてそれに抱きつくもじゃ髪のパジャマ姿のオンナ。
この作戦の目標である人物だ。ブルーは転送された白いメディカボムを手に持ち。
ラスファミ魂を振り絞り、ボロつく愛機ブラックサタンカスタムⅡで突貫。
最後に立ちはだかったアイスゾンビの壁はなんのそののパワープレイ────突っ込んだ青は白く爆発した。
「ラスファミ魂ぃ……ぼむぅっぅー……」
眩い爆発は明け──、元の姿に戻った一部人々。元の姿を取り戻したピローは、その青いヒーローの立てた右の親指を寝ぼけ眼で見届け。
とりあえず一度眠気覚ましの──大きくダイナミックな背伸びと欠伸をした。
そしてここまで何が起こったのかブットんでいた夢のナカの自我を呼び覚まし、状況を照らし合わせてハッと少しは理解した。
このおかしなパレードは続いている、そしてこれは自分を助けたボンバーオンナのメディカボム。ならば、チカラを解放して終わらせる。
「いい日差しいい陽射しィィィィぶらいぎっどこわいこわい、アイスささげる邪魔だめええええ」
異変に気付いた神輿から降りてきた、あんとこーんは怒りの形相。溶けてゆく彼女のその表情とずり下がっていくチョコナッツベレー帽。
邪魔は駄目なのだ彼女は歌いつづけ踊りつづけみんなで楽しくアイスを天にささげないといけないのだから。
怒り前方へとばら撒く数多のコーン、ふたたび人々をアイスと化すため。
それを防ぐ────ピローは防ぐ。宙に浮かばせた枕はコーンをふんわりと弾き地に砕き。もじゃつく青い髪を掻きむしり乱して整えて、
「んーー……だきだき。オールスリッパー」
だきだき。発動、オールスリッパー。突如宙空に出現するは数多のカラフルファンシー抱かれ枕、人々アイスゾンビ達は背後からぎゅっとそのふんわりとした生地の腕に包まれて────
枕に抱かれて、
全員眠った────。
「ねむ……ほわぁぁ……」
欠伸、勝利のち睡眠。死のパレード、死のダンスに遊び疲れたお客様、あんとこーんとNTヒーローズ、探索者ピローねむたい自身までもが。ひんやりと冷たいラスト・ファミリーの地に寝そべり集団睡眠。
「ぶらいぎぃぃ……きもちとけりゅ……」
「だきだき……しゅべしゅべ……」
虎のお姉さんに代わって新しくて珍しい枕をゲット。ひんやり冷たく温かく甘い匂いが鼻をくすぐり寝心地がいい。強烈な睡魔に誘われながら、探索者ピローねむたいはあんとこーんをだきだき──秒速の就寝にて、すやすやと決着。
壊れて疲れたブットビウサギたちはひとりでに、懐かしい子守唄を歌いながら────。
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