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第2XX死 はじまりの栄枯!

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 ぬるくはない熱砂の中────ここが上死階のモンスターハウ巣。刺すような陽射しの厳しいステージ環境に、聳え立つこの巨城を越えられなければ……パーティーメンバーには逃れられない死が待っている。


▼第76死 砂なバナな城▼


 イチゴと黒のドーナツ車輪が砂漠を横目に頷き合い、やがてリーダーの指示通りに分かれて疾走する。

「【ガン・チョコスプAK】! 期間限定吐い信者De.KOSMOS同盟パーティーは栄枯だけじゃないのよ夏海ちゃんなのよ! 夏の砂漠のどっかーーーーっン!!!」

 身を横に乗り出し突撃銃を構え撃ちながら危険運転で爆走するイチゴ色のタイヤは砂に塗れていく。

 アイボリーの毛並みをした狂暴で狡猾な中型モンスター砂漠テナガザルの集をチョコスプレーの弾丸が撃ち抜き甘くカラフル爆破。巨大なタイヤはそのご自慢の長い腕をイッパイに広げ4体がかりで受け止めようが──粉砕爆破、甘く香るイチゴタイヤと乙女夏海の砂漠に描く爆炎の軌跡を止めることはできない。


AI栄枯:
【De.KOSMOS同盟パーティー】
死のダンジョンの管理組織DODOとその大手スポンサーのエスト電機などが協賛する、丘梨栄枯と丘梨栄枯がセレクトするその他実力派吐い信者探索者達のチカラを合わせた夢のようなパーティーである。ただしい呼び方はディーコスモス。現在9人、死鳥舎からのリクエストも受け付ける予定だったが……すべては丘梨栄枯彼女の気分次第である。ええ、ひじょうに。


ぼこ:なんだよその変な同盟

ぼこ:偉い方のセンスのないヤツがそのまま降りてきたんだろうな

ぼこ:ふたなりノッポがディーコスモス、笑っちゃうよね

ぼこ:こいつらは丘パあらためデコパで十分

ぼこ:↑チンキス!

ぼこ:てか気分次第って…

ぼこ:死のダンジョンだからな

ぼこ:いま76死なんですがそれは……

ぼこ:さすが独裁栄枯相変わらずで安心したァ!

ぼこ:いつもの栄枯王国でしかない

ぼこ:だれだコイツを来る者拒まず栄枯です! なぁんて言ったの

ぼこ:売れたから身内で固める栄枯です

ぼこ:死のダンジョンなんだが

ぼこ:死のダンジョンだからな

ぼこ:こいつのスキル頭おかしいやろ

ぼこ:こいつ(ら)な

ぼこ:最近のドーナツ屋はすすんでんなぁ

ぼこ:砂漠をドーナツが走るな!

ぼこ:しのだ

ぼこ:↑チンキス!

ぼこ:篠田「なんで…」



「伸びろ【ササロウ】!」

 光り伸びる刀身は物干し竿のように長く、真横一文字に一閃。

 名刀赤蜜の切れ味にスキルを乗せれば、砂漠の猿のクビを刎ねることなど容易い。

「チカラの規模とレベルが高すぎない……! これが丘梨栄枯パーティー……! でもワタシにも進化した赤蜜がっ!」

 砂風がざらざらと唐突に吹き、敵を討ち取り少し気を抜いていたサムライガールの目を潰す、天地翳っていく砂の城の巨脚が迫る。

「冒険だよえれほわ、【ダブルボーリングノズル】!」

 背に背負う白い掃除機から伸びる2つのホース、ノズル先の2つの大きな赤玉が砂で固めた巨脚を粉砕。破壊力超強力ダブルとなったボーリングノズルは、その衝撃と生じた風圧で砂を彼方へと掻き消していく。

「た……助かりました、お掃除屋様!!!」

「お、とさまは要らない……しっかり前向いて」

「はいっ!!!」

 白い装いの掃除屋は被るふわもこ白いキャスケット帽を正し、促されたサムライガールは外していた青縁の眼鏡をかけ金髪をヘアゴムでさっと纏め上げ気を引き締めた。


 一方駆け抜けていく黒いタイヤは。

「【傘・ラキプス】強! ──栄枯さんはどこだ? あ、そこか!」

 回転するタイヤから放つ傘状に広がる雷撃は気の抜けるような音を立てて浮遊する砂漠デスモンキー(バナナコプター)の編隊を焼き撃ち落とした。

「【ルナティックDSP】!」

 タイヤの機器に接続したスナイパーライフルから発射する蒼月の閃光は、巨城の肩に乗る先程からチクリこそこそと厄介な砂漠スナイパースコーピオンの尾を狙い撃つ。

「他人の心配より運転に集中して!」

 相乗りした黒タイヤの青年と月の少女の2人は砂漠を猛進し雑魚とスナイパーを蹴散らしながら空進むリーダーをアシスト。


 豊かなプラチナ髪なびく銀翼の天使に運ばれながら、

「何故機人の私が……仮にも敵の背に乗り飛ぶなど怖くはないのか」

「ええ、それはこちらの台詞では、ふふお背中を譲っていただいて」

「チッ、降ろすぞ! 丘梨栄枯!!!」

「ええッ、ダブルエリザベス永遠湖とわこ!!!」



 機人と人はフルネームを言い合いやがて舞い降りた黒と黄の見慣れたカラー。



「ええ、成しました! 【チンキスブレード+192】!」


 それは、イチゲキ一死。

 砂の城のバナナ頭部、その眉間に突き刺さったブラックな包丁はスペースからチカラを爆発解放させる。

 巨大な白い砂は黒く咲く193の斬撃の華で飾られ────

 ダメージ限界を迎え、そのバナナ城のデリケートな造形を保てずに崩壊────

 クールに着地した砂まみれの黒と黄とともに────

 巨大モンスターを倒した光の泡立ちが天へと昇っていく。



ぼこ:うおおおおおおおお

ぼこ:ひゅーー

ぼこ:最後に聳え立っていたのはこのオンナ

ぼこ:砂まみれ丘梨

ぼこ:だいじょぶか?

ぼこ:ワイルドよぉ

ぼこ:たぶんなんも

ぼこ:↑チンキス!

ぼこ:戦闘は頼りになんのよこの女

ぼこ:またパワーアップしとる

ぼこ:ついに天使まで手を貸しはじめた

ぼこ:白い天使と黒い悪魔でちょうどいい

ぼこ:ここまで良いお姉さん

ぼこ:ここからはない、ええ、ひじょうに

ぼこ:なんかもう慣れたけど31の動きじゃない

ぼこ:↑チンキス

ぼこ:てかそろそろ(32)じゃ

ぼこ:↑チンキス!(31)

ぼこ:31は踏ん張って死守します、丘梨栄枯です!

ぼこ:まだわかい、まだかわいい、ええ!



▼▼▼
▽▽▽



 逃れられない砂漠のモンスターハウ巣での戦闘は無限に近い敵が湧いて出てくる巨大な砂の城を潰しあとは残った残党を皆で叩き無事大勝利をおさめ終了した。


 こまめに水分を補給しつつ──


 ホットプレートにカードパックを並べて低温であたため識別していく。カーキジャケットを羽織る青年はオフモードの雰囲気のリーダーと話し合い。

「これはなんか…………田中真知子、あかなめたろう? あっあかなめたろうこの人はDODOの探索者っすよ栄枯さん」

「ええ、ラッキーにもあの日の人命救助のつづきということでしょう、勝手に開封して市民カードを発動しないでくださいね持ち帰ってからです」

「えっと、それはハイ! あのぉラッキーなのは分かりますけど死のダンジョンって……わざわざ市民をカード化してまぁこうして遭難者を助けられるのはラッキーですけど最終的になにがしたいんすかね……こうやってまた栄枯さんとえっと」

『だべってないでグミちょーだい、ん月レモン?』

『冒険だとおもう。グレープ、えれほわはヤキイモ味』

 青年が片手に開き持っていたグミ袋を女性メンバーたちが次々ごそごそと……かっぱらっていった。

「ちょ、そ、冒険できるのは嬉しいっすけど! あ、なんだこの味? げぇ!? 焼きどんぐり味!?」

 顔を苦く歪ませた青年の表情を正面に吐い信者はくすりと微笑った。

「ふふ。私もそんなつもりは無かったのですがせっかくですエンターテイんメントのつづき……あなた方はサイハテまで見てみたいと思いませんか?」

「ええ、ひじょうに! ふふマスカット!」

「栄子あんた、誰に向けて言ってんの……焼きどんぐり……なんなのよこれ……」

「やめろしっちー、キメ台詞にツッコミは野暮だ。──ん、売り切れか! ホップべらぼぅに気の利かないな!」

「あ、DODOの試作支給品なんでまだまだあるんでこれ。大丈夫っす! つっきーさん」

 黒髪おデコのお嬢様しっちー、可愛い現世の舞台役者仲間の先輩に突っ込まれ、丘梨栄枯はAIカメラへとドヤり送った目線をすっと微笑みで終わらせ外していった。



ぼこ:この突っ込みデコ助だれだよ

ぼこ:栄枯教本部ではそこそこ有名よ

ぼこ:栄枯はイジってもしっちーをイジるな

ぼこ:こんなやべぇ死階までツッコミに来るねっしんな栄枯教信者だよ彼女は

ぼこ:謎味の謎グミはなんなの



「こんなのの信者なわけないでしょ!」

 宙に映る青いビジョンに流れる自分宛の白いぼこを逃さずとりあえず何かを言ってくれるそのツッコミ力と反射神経は健在。

 ただの舞台役者だった彼女もまた栄枯の運命に吸われ引き寄せられここまでやって来る程に探索者としての腕は中々のモノになってしまった……ようだ。



▼▼▼
▽▽▽



 果てなく長い砂漠路と、このとにかく暑い陽射しの対策に……ぼこぼこチューブのシステムを介して今必要な人材をこの電世の死のダンジョンへと召喚ご招待していた。

「何故ワタシは呼ばれたのかしら丘梨栄枯、いかなければ逃げただとかダセンスだとか困る状況ってのを分かってるのかしらパラっと私と同じ思考力を展開すれば分かることよ?」

「ええ、ここの砂漠はあっついのでデコスパのリーダーとして適切なカードを切らせてもらいました」

「暇じゃないわよカードじゃないわよあなたの日傘じゃないわよ、しかもデコスパってなに……」

「じゃあなんのための傘で傘キャラで、ええ、カラフルなコレクションは見せびらかすよりこの場でノドもカラカラに汗水垂らす女子生徒たちのカサカサの素肌を燦々な陽射しから守るべきです校長パラソルガール。いくら身体が普段よりも丈夫に出来てるとはいえやはりメラメラな熱は油断大敵戦闘行為によるそれも強敵相手にはアタマのスペース系スキルの酷使で溜まる熱量もありますこの厳しい死のダンジョンの環境下ではこういったひと涼みも経験上ひじょうに大事ですからねぇ、べらぼぅに。あとサブ職の作詞家など一般人よりはなかなかに暇ですよね、曲は作らず編集もせずに架空をパパッと書くだけですから、ふふ、これウェルカムドリンクのアップルアップルジュース校長パラソルガール」

「……ふふふふふふ、じゅーーーーーーっ────ちゅ……パラってるわね」


ぼこ:なげぇよ馬鹿

ぼこ:これを一瞬で理解できるヤツさいそくゼロだろ

ぼこ:↑もはやチンキス!

ぼこ:ここまでチンキス

ぼこ:よくカラカラにならんなこいつ

ぼこ:こいつのスペース系スキル詰め込みすぎだろ

ぼこ:会話にも適度なスペース求む

ぼこ:パラソ敗北

ぼこ:とんだウェルカムドリンク

ぼこ:このカロリー飲み込めねぇよ…

ぼこ:この場に勝利者などいるのだろうか

ぼこ:変なのばっか召喚すんな

ぼこ:そりゃ変なのが主催者なんだから、ね?

ぼこ:俺のサムライガールはまともだから…

ぼこ:まともなヤツほど御しやすくてハマりやすいからね栄枯教は

ぼこ:言うほど死のダンジョンにまともなヤツはいない

ぼこ:いるょ、おばみんとかドブ侍とか

ぼこ:だいたんにも誤情報を流すのはやめろ

ぼこ:集結しすぎだろ

ぼこ:コスモスというよりはケイオス

ぼこ:これ以上の会話は

ぼこ:200光年先でやってろ!

ぼこ:ええ、べらぼぅに!


「丘梨栄枯、なぜよんだ」

「敷物がないので反射熱が熱いです」

「了解した、小さき人」

「ええ、ウェルカムドリンク」


ぼこ:まだやってんな

ぼこ:ノッポがノッポを召喚

ぼこ:更にノッポな件

ぼこ:ノッポがノッポ大阪を召喚すな!

ぼこ:栄枯の召喚獣、便利なカーペットスキルおじさん

ぼこ:女子のオアシスに混ぜるな危険

ぼこ:ホトプレが既にいるんですが

ぼこ:もはや理解不能

ぼこ:ハンシャネツ熱いからヨンデミタ

ぼこ:丘梨栄枯だからね

ぼこ:ええ、ウェルカムドリンク

ぼこ:このふざけたふたなりノッポに断じてクリアさせるな死のダンジョンを!

ぼこ:死のダンジョンで生き残れ、丘梨栄枯!


 カラフルな日傘の下、砂漠の民の文化を彷彿とさせる洒落たエメラルドと金のカーペットの上で遮熱し優雅にひと涼み。リーダーで吐い信者の細やかな気遣いが織りなす特別クールなその日陰席で飲む丘梨栄枯特製アップル満天アップルアップルジュースは、最高に美味い。


 頼りになるリーダーの元へとまたひとり金艶なびかせて元気に駆けてくる。

 甘い白繭の入ったバスケットを手土産に────


「エイコ、わたすシュトレンもてきたよ!」

「金ポデさん助かります、さぁ砂漠のデザートシュトーレンホットケーキアレンジバナァァァ、なバニラァクリームチーズスタイルもんぶらんっらん、はじまりますええ!」

 やはりクールなアレンジ上手な彼女は黒いホットプレートの前がよく似合う。ダンジョン砂漠で食らうのにちょうどいい甘い熱く冷たいアレンジデザートの調理の準備をはじめた。



ぼこ:はじまらんでいい

ぼこ:はじまらんでいい

ぼこ:べらぼぅにはじまらんでいいッ!

ぼこ:ますええ

ぼこ:どすええ

ぼこ:助かります(大嘘)

ぼこ:これは既にこの界隈の常識だが、こやつの料理回はみんでいい

ぼこ:たのしみなやつも全国に2人ぐらいはいる

ぼこ:栄枯教のホトプレと金ポデたけだよ

ぼこ:売れない劇団員バァックのしっちーつっきーもね

ぼこ:ゼンブ身内じゃねぇか!

ぼこ:秘技身内固め!

ぼこ:はじまりの栄枯!
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