いつか、愛に跪くまで

夏芽玉

文字の大きさ
19 / 49
本編

【19】ご褒美は

しおりを挟む
 久我のCommandで、オレはパンツのゴムに指を掛けた。

 全てを見られるのは恥ずかしい。
 これを脱いだら、オレが久我の言葉Commandにどれだけ悦んで興奮しているか、全てバレてしまうだろう。
 だけど、久我に全てを知られるのはきっと気持ちいい。
 だって、久我は全部オレを受け入れてくれるだろうから。
 それ以上に久我に……褒められたい。そして、甘やかされたい。

 最後の一枚を脱ぐのは思ったより恥ずかしく、時間はかかってしまったが、なんとか下着を脱ぐと全裸になって久我の前に立った。

 興奮のせいで、軽く息が荒くなっているのはオレだけではないようだ。

Good Boyよくできました、有坂さん。ご褒美、何がいいかな……」
「名前、呼んで……」
「えーっと、有坂さん?」
「違う、唯織いおり
「唯織さん……? って、え? 有坂さんって、唯織さんっていうんですか!?」
「も、座っていい……?」

 興奮しすぎて、立ってるのが辛い。
 さっきまで緩く兆しているだけだったのが、すでに完勃ちしている。
 名前呼ばれただけで心が歓喜してるって、マジでどんだけだよオレ。

「もしかして、あのときのって……あ。いえ、それはまた後で聞きますね。じゃあ、Kneelお座りして」

 言われてオレは、久我の足元に崩れ落ちるように座り込んだ。

「い、唯織さん大丈夫ですか?」
「大丈夫なのと大丈夫じゃないのと、どっちに見える……?」

 慌ててオレを助け起こそうとした久我と、至近距離で見つめ合う。
 オレは欲情している表情を取り繕うことを、もうやめた。興奮で息が荒くなっているのも隠す必要はない。

「……まだ、大丈夫そうですね……」
「正解。……だから、はやく次のCommandを……」

 前のプレイでできなかったことを強請るように、オレは久我の脚に擦り寄った。

「唯織さん、本当の本当にいいんですか……?」

 オレの意図を察して、久我が戸惑った顔をする。

「……我慢も遠慮もしないって、さっき言ったのに。やっぱり一目惚れっていうのは勘違いで……オレのことはもう好きじゃないんだ?」
「絶対の絶対に、そんなことないです!! 好きです、唯織さんっ!! 今日のこの短い時間でも、オレはもう何回も唯織さんに恋に落ちてるんです!! 本当なんです、信じてくださいっ!!」  

 オレはもうとっくに腹を括ってるっていうのに。なかなか煮え切らない久我に恨みがましく言えば、慌てた様子で愛の言葉が返ってきた。
 
「それじゃあ、久我も全部脱いで……Command命令ちょーだい」

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
ある日ハイランクDomの榊千鶴に告白してきたのは、Subを怖がらせているという噂のあの子でー。 更新がずいぶん遅れてしまいました。全話加筆修正いたしましたので、また読んでいただけると嬉しいです。

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

不器用な僕とご主人様の約束

いち
BL
敬語のクラブオーナー×年下のやんちゃっ子。遊んでばかりいるSubの雪はある日ナイトクラブでDomの華藍を知ります。ちょっと暑くなってくる前に出会った二人の短編です。 🍸カンパリオレンジのカクテル言葉は初恋だそうです。素敵ですね。 ※pixivにも同様の作品を掲載しています

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件

ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。 せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。 クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom × (自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。 『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。 (全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます) https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390 サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。 同人誌版と同じ表紙に差し替えました。 表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!

処理中です...