僕は本当に幸せでした〜刹那の向こう 君と過ごした日々〜

エル

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過去~高校生編1

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「すっごいいい笑顔。
やっぱり慶ちん綺麗になったよ」


抱きしめるのが終わったら今度は頭をなでる。


「やっぱり恋すると人は綺麗になるって本当なのかなぁ?」

「…あっちゃん」

「慶ちんの口から言って欲しいな」

「…あっちゃん。あのね…僕…その。玲人とね…付き合って…るんだ」

「うん。よかったね。おめでと!!」

「…お祝い、言ってくれるの?」

「何言ってんの?当たり前じゃん。相手が玲人って言うのはちょっと癪だけどねぇ。あははっ。
あ、でも、おじゃま虫だとしてもこれからも慶ちんにぴっとりくっついてくからね!!」

「何言ってるの、当然でしょ!?あっちゃん、これからも一緒にご飯食べてください!」

「……少しくらい遠慮してもいいんだけどな」

「「玲人!!」」

「……はいはい、分かったよ」


誰からも祝福される事なんかないと思ったこの恋。

でもあっちゃんは応援してくれると言った。

そしてこれからもそばにいてくれると。


「ん?どうしたの?」

「ううん、なんでもない」



たった一人でも見方がいてくれるんだって思うとすごく心強い。

0と1の差は『1』なんかじゃない。

しかもそれがあっちゃんだということでより一層だ。


あっちゃん、何度言ってもきっと足りる事はないけど。

でも、ありがとう。

本当にありがとう。



「そうだ。あっちゃん、今日僕の家に来ない?」

「は?慶太何言って「行く行くぅ!!」……返事が早ぇよ」

「あのね、玲人が、ケーキ買ってきてくれるの。一緒に食べようよ」

「マジで?俺ケーキちょー好き。あ、玲人、俺ね、モンブランとチーズケーキ」

「お前の分は無い!」

「ちょっと、玲人!いいじゃない」

「え?なんで?んじゃ、ミルフィーユでもいいよ、俺」

「慶太には、借りがあるの!お前にはねぇだろ。だからお前の分は無い!」

「大きな『借り』があると思うけど…。だってクリスマスの告「あああぁぁ!!……分かった。買う。」…イェーイ!」

「クリスマスがどうかしたの?」

「なんでもない…」


玲人が少し罰の悪そうな顔してる気もするけど。

ま、いいよね?


今日はみんなでケーキだ!!


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