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Ⅵ誰何の先に知る真実
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黒い手の一件から数日後。詳しいことは何度尋ねても教えてもらえずにいる奏人は、その日庭にいた。
「ソロ、お願いだから!」
「いくらお前の頼みでも、駄目なものは駄目だ。そこをどけ」
今にも術を振り下ろしそうなソロに、奏人は必死に頼み込む。しかしソロは首を縦に振らない。
術の矛先は、奏人の後ろで威嚇し続けている、金の毛並みを持つ妖獣。奏人が以前立ち入った、例の森に住まう生き物だ。美しいはずの毛並みは血に濡れ、息も浅い。首や目に深い傷を負っており、出血がひどい状態だった。このまま放っておけば、死ぬのは間違いないだろう。
「それは、ペザンテ。律界妖獣の中でも高位に入る、獰猛な獣だ。お前がどうこうできるものではない。それに、そいつはもう助からん」
「助けてみないと分からない!」
「苦しませるより、一思いに殺してやった方がそれの為だ」
「で、でも……っ。まだ生きようとしてる」
「諦めろ。そいつの寿命だ」
「っ、じゃあ、俺だったら殺したっ? 苦しまないようにって、殺したっ?」
「……お前とそれを同じにするな」
ソロの顔色が変わる。声は一段と低くなり、纏う気配に殺気が混じった。奏人にも分かったくらいだ。傍に控えているフォニックたちは気が気でないだろう。
心配そうに奏人とソロを見つめる彼らには悪いが、奏人に引く気はなかった。まだ生きようともがいているペザンテを見て、見捨てることはできない。ソロと奏人。どちらが正解なのかは、奏人にも分からない。きっと、ソロの選択も正しいのだろう。それでも奏人にはそれを選ぶことができなかった。どうしてもだ。妖獣を苦しませる道であることも、ちゃんと分かっている。ましてや苦しませた挙句、助けられない可能性だって高い。
「全部、自己満足だ。でも嫌なんだ……お願いします」
深く、深く頭を下げる。ソロは何も言わない。落ちた沈黙は、とても重く長かった。基本的にソロは、奏人のやりたいようにやらせてくれる。それが通らないのは、奏人に危険があると判断した時だ。
この世界の律界人に備わる、律力。それを持たない奏人は、自らを守る術がない。それどころか、ソロに律力の結晶であるブレスを与えてもらわねば、生きてもいけない。奏人はこの世界にとって、異質な存在だ。生きるためには誰かに命を守ってもらう必要がある。そんな奏人が妖獣を守りたいと願うことは、とても無謀なことなのだ。
「そいつに治癒の術は、ほとんど効かん。相反する呪詛の力を持つからだ。他の生き物を呪い殺して、その血肉を啜るような獣を、本当に助けたいのか?」
後ろを振り返り、ペザンテと呼ばれる妖獣を見た。とてもそんな恐ろしい力を使って血肉を貪るようには見えない。奏人の目には、金の毛並みを持つ狼のように思える。青い瞳は美しく、辛そうに息をしているのが見ていて忍びない。
「……関係ないよ。俺だって元の世界じゃ、沢山命を頂いてた。牛、鶏、豚、魚。お腹が空いたら、調理して食べてた。それと何が違うの?」
ペザンテだって、生きるために食べているに過ぎない。その方法がこの世界で良しとされないだけだ。やっていることは、きっと何も変わらない。
「襲いかかってくるぞ」
「回復してきたら、近づかない」
頑なに引く様子のない奏人に、ソロが目を閉じて考え込む。しばらくして聞こえてきた、心底仕方なさそうな長嘆。頭の痛そうな顔をして、ソロはフォニックを呼んだ。低い声で何かを命じる。フォニックが二つ返事で首肯すると、ソロは奏人の方へ歩み寄り、腕を回し引き寄せた。
「お前に襲いかかってきた時点で、殺す。いいな」
「分かった……、それでいい。ありがとう、ソロ」
彼なりの譲歩に笑みを浮かべ、素直に礼を言う。するとソロは奏人の白い頬に口づけて、後ろで威嚇し続けるペザンテを睨み据えた。途端、ペザンテが顔を伏せる。視線だけでペザンテを射殺してしまいそうだったが、鼻を鳴らしてその場を後にした。
残った奏人は、動けずにいるペザンテを前に膝をついた。
この妖獣を見つけたのは、本当に偶然だった。日課である散歩の途中、誰かに呼ばれた気がしてそちらへ足を向けた。獣の声というよりは、人の声。フラフラと呼ばれるままに屋敷の奥へ進むと、立ち入りを禁止されていた森の入り口でペザンテを見つけた。
傍にいたフォニックがすぐに殺そうとしたが、奏人が止めた。コードに頼み込んで結界を張ってもらい、庭先まで運んだのも奏人だ。フォニックたちに反対される中、エレジーの屋敷に出向いているシンの帰りを待っていると、仕事を終えて戻ってきたソロに見つかってしまった。
「待て、カナト。念のためにもう一度術を張っておく」
再びペザンテを抱えようとした奏人に、コードが再度結界を張る。術をかけ終えると、フォニックの手を借りてペザンテを抱えた。
ペザンテは傷が痛むのか、体力の限界なのか、痛みに唸るだけで暴れることはしなかった。ゆっくり、奏人は離れへと連れ帰った。フォニックは心底いい顔をしなかったが、自分が責任を取るからと室内へペザンテを入れた。
奏人が自分の服を敷いてその上にペザンテを寝かせようとしたので、渋々コードが布を大量に運んできてくれた。毛足の長い絨毯の上に布を敷き、その上にペザンテを寝かせる。真新しい布で丁寧に首の傷を巻いてやろうとすると、噛みついてこようとしたためフォニックが容赦なく気絶させた。
殺したのではと焦ったが、息をしているペザンテに胸を撫で下ろす。気絶している隙に首と目に布を当ててやり、屋敷にある書庫へと走った。字が読めるようになって、奏人はよくここへ通う。読書に夢中で書庫に籠って出てこない日も多く、ソロから渋い顔をされることも多い。健康のため散歩を日課に取り入れたのも、あまりに奏人が書庫から出てこないからだった。
ペザンテに治癒の力が効かない以上、シンにも頼れない。他に治す方法はないかと、必死に本を探し続ける。
「あった……!」
妖獣についてまとめている本が数多く棚に並んでいた。その中で参考になりそうな本を数冊、部屋へ持ち帰る。奏人がとにかく必死なので、フォニックやコードも手伝ってくれた。
読み進めるうちに、薬草学に通じるものを見つけた。妖獣を追い払うもの、逆に引き寄せるもの、眠らせるもの、鎮めるもの、傷を癒すもの。それらは、まさに奏人が欲していた情報だった。
ただ、運良く見つけ出せた情報ではあるものの、奏人ではどの薬草がどんな妖獣に効果があるのか分からない。フォニックやコードに尋ねてみても、これは治癒の知識がないと無理だと言われてしまった。結局、シンの帰りを待つことになる。
エレジーの勉強会に出席しているシン。奏人のために役立つ知識を得てくると、毎回楽しそうに出向いている。いつも帰ってくるのは夕刻で、その間フォニックに昼寝を勧められたが、とてもではないがそんな気分にはなれなかった。
「カナト。お前が体調を崩せば、その原因を作ったこいつは瞬殺されるぞ」
コードに言われて、視線を落とす。少し前までの奏人であれば、そんなことはないと笑って否定しただろう。だが、今はもうそんなことはしない。できない。ソロならそうするだろうし、二度と悲しませる真似はしないと胸に誓った。
「……じゃあ、ここで寝る」
自らソファにヴァイヒとカルマートを運び、ペザンテにも布をかけてやってから横になった。
心配そうにペザンテを眺める奏人に、フォニックとコードもそれ以上は何も言わず部屋を暗くしてくれた。いつもなら奏人が寝入ると仕事に戻る彼らだが、ペザンテを見張るためか退室しない。
それを申し訳なく思いながらも、今だけは許して欲しいと目を閉じる。睡魔は中々やって来なかったが、体調を崩せばソロにペザンテを殺されてしまう。一生懸命、小難しいことを考えた。羊を数えるよりは眠くなるからだ。
しかし寝ようとすればするほど、眠れない。大きなソファの上で何度も寝返りを打っていると、そのうちハープの音色が聞こえてきた。コードだ。奏人が眠れないのを察して、弾いてくれたのだろう。
コード自身を表すかのような、優しい音色。奏人が眠れないでいると、よく弾いてくれる。
そのうちウトウトし始めて、奏人は優しい音色に誘われるまま穏やかな寝息を立て始めた。
「ソロ、お願いだから!」
「いくらお前の頼みでも、駄目なものは駄目だ。そこをどけ」
今にも術を振り下ろしそうなソロに、奏人は必死に頼み込む。しかしソロは首を縦に振らない。
術の矛先は、奏人の後ろで威嚇し続けている、金の毛並みを持つ妖獣。奏人が以前立ち入った、例の森に住まう生き物だ。美しいはずの毛並みは血に濡れ、息も浅い。首や目に深い傷を負っており、出血がひどい状態だった。このまま放っておけば、死ぬのは間違いないだろう。
「それは、ペザンテ。律界妖獣の中でも高位に入る、獰猛な獣だ。お前がどうこうできるものではない。それに、そいつはもう助からん」
「助けてみないと分からない!」
「苦しませるより、一思いに殺してやった方がそれの為だ」
「で、でも……っ。まだ生きようとしてる」
「諦めろ。そいつの寿命だ」
「っ、じゃあ、俺だったら殺したっ? 苦しまないようにって、殺したっ?」
「……お前とそれを同じにするな」
ソロの顔色が変わる。声は一段と低くなり、纏う気配に殺気が混じった。奏人にも分かったくらいだ。傍に控えているフォニックたちは気が気でないだろう。
心配そうに奏人とソロを見つめる彼らには悪いが、奏人に引く気はなかった。まだ生きようともがいているペザンテを見て、見捨てることはできない。ソロと奏人。どちらが正解なのかは、奏人にも分からない。きっと、ソロの選択も正しいのだろう。それでも奏人にはそれを選ぶことができなかった。どうしてもだ。妖獣を苦しませる道であることも、ちゃんと分かっている。ましてや苦しませた挙句、助けられない可能性だって高い。
「全部、自己満足だ。でも嫌なんだ……お願いします」
深く、深く頭を下げる。ソロは何も言わない。落ちた沈黙は、とても重く長かった。基本的にソロは、奏人のやりたいようにやらせてくれる。それが通らないのは、奏人に危険があると判断した時だ。
この世界の律界人に備わる、律力。それを持たない奏人は、自らを守る術がない。それどころか、ソロに律力の結晶であるブレスを与えてもらわねば、生きてもいけない。奏人はこの世界にとって、異質な存在だ。生きるためには誰かに命を守ってもらう必要がある。そんな奏人が妖獣を守りたいと願うことは、とても無謀なことなのだ。
「そいつに治癒の術は、ほとんど効かん。相反する呪詛の力を持つからだ。他の生き物を呪い殺して、その血肉を啜るような獣を、本当に助けたいのか?」
後ろを振り返り、ペザンテと呼ばれる妖獣を見た。とてもそんな恐ろしい力を使って血肉を貪るようには見えない。奏人の目には、金の毛並みを持つ狼のように思える。青い瞳は美しく、辛そうに息をしているのが見ていて忍びない。
「……関係ないよ。俺だって元の世界じゃ、沢山命を頂いてた。牛、鶏、豚、魚。お腹が空いたら、調理して食べてた。それと何が違うの?」
ペザンテだって、生きるために食べているに過ぎない。その方法がこの世界で良しとされないだけだ。やっていることは、きっと何も変わらない。
「襲いかかってくるぞ」
「回復してきたら、近づかない」
頑なに引く様子のない奏人に、ソロが目を閉じて考え込む。しばらくして聞こえてきた、心底仕方なさそうな長嘆。頭の痛そうな顔をして、ソロはフォニックを呼んだ。低い声で何かを命じる。フォニックが二つ返事で首肯すると、ソロは奏人の方へ歩み寄り、腕を回し引き寄せた。
「お前に襲いかかってきた時点で、殺す。いいな」
「分かった……、それでいい。ありがとう、ソロ」
彼なりの譲歩に笑みを浮かべ、素直に礼を言う。するとソロは奏人の白い頬に口づけて、後ろで威嚇し続けるペザンテを睨み据えた。途端、ペザンテが顔を伏せる。視線だけでペザンテを射殺してしまいそうだったが、鼻を鳴らしてその場を後にした。
残った奏人は、動けずにいるペザンテを前に膝をついた。
この妖獣を見つけたのは、本当に偶然だった。日課である散歩の途中、誰かに呼ばれた気がしてそちらへ足を向けた。獣の声というよりは、人の声。フラフラと呼ばれるままに屋敷の奥へ進むと、立ち入りを禁止されていた森の入り口でペザンテを見つけた。
傍にいたフォニックがすぐに殺そうとしたが、奏人が止めた。コードに頼み込んで結界を張ってもらい、庭先まで運んだのも奏人だ。フォニックたちに反対される中、エレジーの屋敷に出向いているシンの帰りを待っていると、仕事を終えて戻ってきたソロに見つかってしまった。
「待て、カナト。念のためにもう一度術を張っておく」
再びペザンテを抱えようとした奏人に、コードが再度結界を張る。術をかけ終えると、フォニックの手を借りてペザンテを抱えた。
ペザンテは傷が痛むのか、体力の限界なのか、痛みに唸るだけで暴れることはしなかった。ゆっくり、奏人は離れへと連れ帰った。フォニックは心底いい顔をしなかったが、自分が責任を取るからと室内へペザンテを入れた。
奏人が自分の服を敷いてその上にペザンテを寝かせようとしたので、渋々コードが布を大量に運んできてくれた。毛足の長い絨毯の上に布を敷き、その上にペザンテを寝かせる。真新しい布で丁寧に首の傷を巻いてやろうとすると、噛みついてこようとしたためフォニックが容赦なく気絶させた。
殺したのではと焦ったが、息をしているペザンテに胸を撫で下ろす。気絶している隙に首と目に布を当ててやり、屋敷にある書庫へと走った。字が読めるようになって、奏人はよくここへ通う。読書に夢中で書庫に籠って出てこない日も多く、ソロから渋い顔をされることも多い。健康のため散歩を日課に取り入れたのも、あまりに奏人が書庫から出てこないからだった。
ペザンテに治癒の力が効かない以上、シンにも頼れない。他に治す方法はないかと、必死に本を探し続ける。
「あった……!」
妖獣についてまとめている本が数多く棚に並んでいた。その中で参考になりそうな本を数冊、部屋へ持ち帰る。奏人がとにかく必死なので、フォニックやコードも手伝ってくれた。
読み進めるうちに、薬草学に通じるものを見つけた。妖獣を追い払うもの、逆に引き寄せるもの、眠らせるもの、鎮めるもの、傷を癒すもの。それらは、まさに奏人が欲していた情報だった。
ただ、運良く見つけ出せた情報ではあるものの、奏人ではどの薬草がどんな妖獣に効果があるのか分からない。フォニックやコードに尋ねてみても、これは治癒の知識がないと無理だと言われてしまった。結局、シンの帰りを待つことになる。
エレジーの勉強会に出席しているシン。奏人のために役立つ知識を得てくると、毎回楽しそうに出向いている。いつも帰ってくるのは夕刻で、その間フォニックに昼寝を勧められたが、とてもではないがそんな気分にはなれなかった。
「カナト。お前が体調を崩せば、その原因を作ったこいつは瞬殺されるぞ」
コードに言われて、視線を落とす。少し前までの奏人であれば、そんなことはないと笑って否定しただろう。だが、今はもうそんなことはしない。できない。ソロならそうするだろうし、二度と悲しませる真似はしないと胸に誓った。
「……じゃあ、ここで寝る」
自らソファにヴァイヒとカルマートを運び、ペザンテにも布をかけてやってから横になった。
心配そうにペザンテを眺める奏人に、フォニックとコードもそれ以上は何も言わず部屋を暗くしてくれた。いつもなら奏人が寝入ると仕事に戻る彼らだが、ペザンテを見張るためか退室しない。
それを申し訳なく思いながらも、今だけは許して欲しいと目を閉じる。睡魔は中々やって来なかったが、体調を崩せばソロにペザンテを殺されてしまう。一生懸命、小難しいことを考えた。羊を数えるよりは眠くなるからだ。
しかし寝ようとすればするほど、眠れない。大きなソファの上で何度も寝返りを打っていると、そのうちハープの音色が聞こえてきた。コードだ。奏人が眠れないのを察して、弾いてくれたのだろう。
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