リトルアルト

まぁさとう

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出会い

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 カナがアルト達と出会ったのは、10歳の時だ。
 当時アルトとダッシュとリーダーは15歳、バルカスは21歳の時だった。
 少し前、彼らはたった4人で王都で問題になっていた盗賊団のアジトに突入し、壊滅させた。
 この功績を讃え、国王が直々に褒美を渡したいと彼らを城に呼んだのだった。
 カナはアルト達のファンだった。もとよりカナは、冒険者達の、王女である自分とは違う奔放さに憧れていたのだ。王都中で話題のアルト達のファンになったのは、必然的なことだった。

 アルト達は、城の中の王の部屋に続く広い道を歩いていた。
「おい。これから王さんに謁見するってのに、リーダーは寝てて大丈夫なのかよ?」
 バルカスはリーダーを肩にかかえて言う。
「召集された時ちゃんと言ったから大丈夫だろ。もしキレられたらリーダーだけ処刑にしてもらおーぜ」
 そう言って、アルトは頭の後ろに両手を置いて、欠伸をする。
「でも刑罰は僕たちにどうこうできるものじゃないよ。死刑って言われれば死ぬしかないだろうさ」
「確かにそうだよな。やっぱこいつどっかに隠しとくか?」
 バルカスは隠し場所を探してキョロキョロとする。
「やっぱり君は馬鹿なんだね。隠したって同じだろ?リーダーが来なかったって罪状に変わるだけだ。王命は絶対だからね」
 そう言ってダッシュはバルカスの方をちらっと見る。バルカスは少し驚いた表情で何かを見つめている。
「なぁ、あれって王女さんじゃねーか?」
 2人はバルカスが指差す方を見る。すると太い柱の後ろに、こちらを見つめる影があった。黒い髪を長く伸ばした可愛らしい少女である。間違いなくカナ王女であった。
 3人は少女の方へ歩み寄る。
「こんにちは、お姫様。こんなところで何してるの?」
 アルトは中腰になってカナに尋ねる。
「あ、あの、盗賊倒したりしてカッコいいなーと思いました。私とお友達になってください!」
 3人は顔を見合わせる。ちょっとして、カナの方を向き直しす。
「ああ、もちろん。よろしくね。お姫様」
 アルトは笑顔で手を差し出した。
「ありがとう!」
 カナは満面の笑みで手を握る。それを見たバルカスとダッシュも微笑む。
「それでね!私のことはカナって呼んで!」
「わかったよ。それじゃあ俺たちのことも名前で呼んでくれ。俺たちの名前は、、、」
「アルト様!それにダッシュ様にバルカス様!あと、、、リーダー?」
 順番に指をさして名前言ったカナは、リーダーを指差しながら、困ったように首を傾げている。
「ああ、こいつはリーダーだ。名前は俺たちも知らねーから、リーダーって呼べばいいんじゃねーか?」
 バルカスがかかえたリーダーを横目に見ながらいう。
「それよりさ、様はやめない?友達なんだから呼び捨てにしてほしいな」
 様付けで呼ばれるのは慣れてないし、ましてや相手は王女である。
「じゃあ、アルト君!」
 カナは元気よく答える。
 ーまぁいっか。なんか友達っぽいし。
「わかった、じゃあそれで。俺達はこれから国王様に会いに行くんだ。だからもう行くね」
 3人はそれぞれに別れの言葉を告げて振り返る。
「あの!」
 3人はカナの呼びかけに再び振り返る。
「また会えますか?」
 不安そうな顔だ。
「もちろんだよ。俺らは毎日王都のギルドに行ってるからきたら会えるし、呼んでくれればいくよ。友達だからね」
 カナは満面の笑みに戻った。

 ダッシュは周りを見渡す。そして人がいないことを確認してから聞いた。
「そういうカナはいつ城に帰るんだい?」
「え?城って?」
 アルトはカナがなぜ城に帰るか聞かれているのか見当もつかなかった。
「ああ、そのことは思い出してなかったんだね。まぁ仕方ないか。カナには王族としての品がた、、、」
 ダッシュの視界にカナの怒る顔がうつる。
「、、、りてるけど、足りてますけど、まぁ仕方ないよ」
「へぇ、カナって王族なんだ」
アルトは不思議とそこまで驚かなかった。記憶が曖昧な分、王族のすごさがあまりわからないし、それに、なんでも純粋に受け入れられるようになっているのだろう。
「もっと言えば、王さんの一番めの子供だぜ。だから普通なら次の国王なんだけどな」
「やめてよ。国王なんてなりたくないわ。あ、あとアルト君。私が王女ってことは内緒よ」
「ああ、わかったよ」
 アルトは頷く。
 それからしばらく雑談をして、3人はいつものように依頼に出かけた。
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