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第百三十一話 スライムと騎士団
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第百三十一話 スライムと騎士団
「さて、お手並み拝見」
猫の姿になってスライムの近くまでやってきた。屋根の上にちょっとお邪魔しております。
プルプルとした黒っぽい透明なスライム。周りには二階建てから三階建ての建物があるが、それ以上に大きい。
「吐く粘液に気をつけろ! 溶かされるぞ!」
「魔法騎士、前へ!」
お、最初は魔法で攻撃か。
ローブを着た数名が前に出て、一斉に何かモゴモゴ言い始めた。あぁ、詠唱か。
少しして、火の玉や水の球が空中に浮かびあがり、スライムに向けて放たれた。
「あ~、やっぱ駄目かぁ」
火の玉や水の球はスライムに命中はしたものの、そのままそのプルプルに飲み込まれて消えた。
色からしても分かるが、鑑定の結果は「ブラックスライム」。魔法攻撃に耐性があり、ほぼ効かない。倒す方法としては、プルプルの中にある核を壊す事だが‥‥プルプルが邪魔なんだよね。
通常のスライムサイズは直径三十センチ程。剣で切れば良いが、ここまで大きいと届かない。
しかも、あのプルプルはスライムが生きている間は溶解液みたいになっていて、ほぼ何でも溶かす。
台所でお世話になっているダイフク達を思い出した。
「団長、駄目です! 魔法は効きません!」
「総員、下がれ。俺が行く」
おっと、団長さんか。
金色の、ちょっとボサボサな長髪。周りの魔族より頭一つ大きく、ガッチリ体形。ライオンっぽいな。
団長さんが背負っていた大剣を抜き、かまえた。エストが持っている大剣より、少し大きいかも。
「グォォォォォ!」
団長さんの突然の雄叫び! 騎士団の人達もそれぞれ耳を塞いだりしているが、間に合わなかった後方の騎士や民間人らしき人達が数名、気絶したみたいだ。私もちょっと、耳が痛い。
「おぉぅ‥‥ライオ~ン」
スライムにも効いたのか、小刻みに震えている。
団長さんがスライムよりも高く飛び上がり、その大剣を振り下ろした。
プルプルが二つに切り裂かれていく。しかし、後少しで核に届きそうと言う所で大剣の勢いが止まった。
「あ」
こりゃいかん、と思った瞬間、隊長さんの大剣と両腕がプルプルに包まれてしまった。
「グ‥‥アァァァァア!」
プルプルが赤く染まっていく。腕だけでは足りないとばかりに、隊長さんを飲み込もうとプルプルがブワリと広がった。
「団長!」
私は走りだし、思い切り屋根の縁を蹴って飛んだ。
寸での所で団長さんの服の襟首を咥え、そのままの勢いで団長さんをかすめ取る。
「ムフッ(このっ)!」
空中でクルリと体勢を変え、爪を出した右手を一振り。サクッとスライムの核を一刀両断した。
そのまま建物と建物の間に飛び込む。
元の姿に戻って団長さんを抱き上げ、見事着地成功!
「ふぅ」
団長さんは‥‥おおう、両腕がぁ‥‥肘の少し上からにゃい。激痛とショックで気を失っているみたいだ。
アイテムポーチからポーションの小瓶を取り出し、少し開いている団長さんの口へとポーションを流し込んだ。
ゴクリと喉が動くと、瞬く間に両腕が元通り! 鎧や服は無理だけどね。
「団長! ご無事ですか⁉」
落ちた団長さんを探す声が聞こえてきた。 良し、退散!
猫(小)になり、窓に飛び移りながら屋根へと上がった。
「団長!」
下を見ると、路地を塞いでいたスライムが消え、騎士団の人達が入って来た。
「セーフ」
誰にも見られてない!
ふふふ。私だって、成長しているのですよ。
「さて、一応お城に行ってから帰るか」
そっとその場を後にした。
お城の近くまで来ると、バタバタと大騒ぎになっていた。
鎧を着た人達が町へと下りて行く。
物陰に隠れて元の姿に戻ると、謁見室へと向かった。扉を開くと、ベルが鎧を着て立っていた。
「その姿、久しぶりに見た!」
ベルの鎧姿なんて、初めて島に来た時以来だ。
「すまない。町に魔物が出たらしくてな」
「へ、あ、うん」
「ブラックスライムなんて」
「場所からすると、下水道から出て来たようです」
「そうか‥‥魔法攻撃耐性があるからな。騎士団で手に負えない様なら」
ベルがそう言いかけた時、謁見室の扉が荒々しく開かれた。
「ご報告いたします! ブラックスライム、ライネスト団長により討伐完了いたしました!」
お、ちゃんと団長が倒したっぽく見えたか。
「被害は」
「外壁が少し溶けた建物がありますが、大きな損害はありません! ライネスト団長が両腕を飲み込まれかけたものの、装備と服が溶かされたのみです!」
「装備と服のみ?」
ベルとガルシェさんがこっちを見たので、知らん振りをしておく。
「‥‥あの‥‥」
「ああ、すまない。報告ご苦労」
「はっ!」
報告に来た騎士が謁見室から出て行った。
「じゃ、私はこれで!」
「お、おい⁉」
止めようとするベルをスルーして、転移石を発動させた。
*
「ふんふふ~ん」
魔族領から帰った後、心配をかけたお詫びバーベキューを開催。
多少のお小言はあったものの、「まぁ、ヒナだし」と諦めた様なため息を吐かれた。
それから数日が経ち、そろそろ夏が始まりそうな予感と言う事で、畑にやってきている。
「さて、育ってくれるかなぁ」
いつもの野菜に加え、畑の一角に魔族領で買ったトマトの種を植えた。
セバスは多分育つだろうと言っていたけど。
そう言えば、謝りに来たベルが、ロッツさんからだと言って数種類の種をくれた。あの畑に植えてあった真っ黒なトマトやキュウリの種だ。
ここに植えても、黒い実が生るのだろうか?
「頑張って育ってね!」
楽しみだ!
「さて、お手並み拝見」
猫の姿になってスライムの近くまでやってきた。屋根の上にちょっとお邪魔しております。
プルプルとした黒っぽい透明なスライム。周りには二階建てから三階建ての建物があるが、それ以上に大きい。
「吐く粘液に気をつけろ! 溶かされるぞ!」
「魔法騎士、前へ!」
お、最初は魔法で攻撃か。
ローブを着た数名が前に出て、一斉に何かモゴモゴ言い始めた。あぁ、詠唱か。
少しして、火の玉や水の球が空中に浮かびあがり、スライムに向けて放たれた。
「あ~、やっぱ駄目かぁ」
火の玉や水の球はスライムに命中はしたものの、そのままそのプルプルに飲み込まれて消えた。
色からしても分かるが、鑑定の結果は「ブラックスライム」。魔法攻撃に耐性があり、ほぼ効かない。倒す方法としては、プルプルの中にある核を壊す事だが‥‥プルプルが邪魔なんだよね。
通常のスライムサイズは直径三十センチ程。剣で切れば良いが、ここまで大きいと届かない。
しかも、あのプルプルはスライムが生きている間は溶解液みたいになっていて、ほぼ何でも溶かす。
台所でお世話になっているダイフク達を思い出した。
「団長、駄目です! 魔法は効きません!」
「総員、下がれ。俺が行く」
おっと、団長さんか。
金色の、ちょっとボサボサな長髪。周りの魔族より頭一つ大きく、ガッチリ体形。ライオンっぽいな。
団長さんが背負っていた大剣を抜き、かまえた。エストが持っている大剣より、少し大きいかも。
「グォォォォォ!」
団長さんの突然の雄叫び! 騎士団の人達もそれぞれ耳を塞いだりしているが、間に合わなかった後方の騎士や民間人らしき人達が数名、気絶したみたいだ。私もちょっと、耳が痛い。
「おぉぅ‥‥ライオ~ン」
スライムにも効いたのか、小刻みに震えている。
団長さんがスライムよりも高く飛び上がり、その大剣を振り下ろした。
プルプルが二つに切り裂かれていく。しかし、後少しで核に届きそうと言う所で大剣の勢いが止まった。
「あ」
こりゃいかん、と思った瞬間、隊長さんの大剣と両腕がプルプルに包まれてしまった。
「グ‥‥アァァァァア!」
プルプルが赤く染まっていく。腕だけでは足りないとばかりに、隊長さんを飲み込もうとプルプルがブワリと広がった。
「団長!」
私は走りだし、思い切り屋根の縁を蹴って飛んだ。
寸での所で団長さんの服の襟首を咥え、そのままの勢いで団長さんをかすめ取る。
「ムフッ(このっ)!」
空中でクルリと体勢を変え、爪を出した右手を一振り。サクッとスライムの核を一刀両断した。
そのまま建物と建物の間に飛び込む。
元の姿に戻って団長さんを抱き上げ、見事着地成功!
「ふぅ」
団長さんは‥‥おおう、両腕がぁ‥‥肘の少し上からにゃい。激痛とショックで気を失っているみたいだ。
アイテムポーチからポーションの小瓶を取り出し、少し開いている団長さんの口へとポーションを流し込んだ。
ゴクリと喉が動くと、瞬く間に両腕が元通り! 鎧や服は無理だけどね。
「団長! ご無事ですか⁉」
落ちた団長さんを探す声が聞こえてきた。 良し、退散!
猫(小)になり、窓に飛び移りながら屋根へと上がった。
「団長!」
下を見ると、路地を塞いでいたスライムが消え、騎士団の人達が入って来た。
「セーフ」
誰にも見られてない!
ふふふ。私だって、成長しているのですよ。
「さて、一応お城に行ってから帰るか」
そっとその場を後にした。
お城の近くまで来ると、バタバタと大騒ぎになっていた。
鎧を着た人達が町へと下りて行く。
物陰に隠れて元の姿に戻ると、謁見室へと向かった。扉を開くと、ベルが鎧を着て立っていた。
「その姿、久しぶりに見た!」
ベルの鎧姿なんて、初めて島に来た時以来だ。
「すまない。町に魔物が出たらしくてな」
「へ、あ、うん」
「ブラックスライムなんて」
「場所からすると、下水道から出て来たようです」
「そうか‥‥魔法攻撃耐性があるからな。騎士団で手に負えない様なら」
ベルがそう言いかけた時、謁見室の扉が荒々しく開かれた。
「ご報告いたします! ブラックスライム、ライネスト団長により討伐完了いたしました!」
お、ちゃんと団長が倒したっぽく見えたか。
「被害は」
「外壁が少し溶けた建物がありますが、大きな損害はありません! ライネスト団長が両腕を飲み込まれかけたものの、装備と服が溶かされたのみです!」
「装備と服のみ?」
ベルとガルシェさんがこっちを見たので、知らん振りをしておく。
「‥‥あの‥‥」
「ああ、すまない。報告ご苦労」
「はっ!」
報告に来た騎士が謁見室から出て行った。
「じゃ、私はこれで!」
「お、おい⁉」
止めようとするベルをスルーして、転移石を発動させた。
*
「ふんふふ~ん」
魔族領から帰った後、心配をかけたお詫びバーベキューを開催。
多少のお小言はあったものの、「まぁ、ヒナだし」と諦めた様なため息を吐かれた。
それから数日が経ち、そろそろ夏が始まりそうな予感と言う事で、畑にやってきている。
「さて、育ってくれるかなぁ」
いつもの野菜に加え、畑の一角に魔族領で買ったトマトの種を植えた。
セバスは多分育つだろうと言っていたけど。
そう言えば、謝りに来たベルが、ロッツさんからだと言って数種類の種をくれた。あの畑に植えてあった真っ黒なトマトやキュウリの種だ。
ここに植えても、黒い実が生るのだろうか?
「頑張って育ってね!」
楽しみだ!
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