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いざジャングルへ
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食事を終えた後も、幸乃達は今後の打ち合わせを進める。 その中でレーマンスの言葉に幸乃達は驚きの表情を見せる。
「餌役?」
そう、最後に川で漁をする際、餌役というものがあり、それを今晩決めるらしい。 それがどんな役かという事をレーマンスが説明すると
「そ、そんなことをやるんですか?」
ベルが思わず驚いて叫ぶ、それは聞いたこともない風変りでいかにも危険そうな役割だった。 なぜならこの漁は鋭い牙をもった群れで行動する肉食の魚に対して人間がおとり役をやり、襲われるというという危険かつ失神することも多いといういわくつきの企画だったからである。
それを聞いた幸乃は同時に思い出す、今日の朝奈美からもらった手紙を……
今・ま・で・の・冒・険・よ・り・も・面・白・い・も・の・が・求・め・ら・れ・て・い・る・と・い・う・こ・と・を・──
(だったら、答えはこれしかないでしょ!!)
そして──
「私がそれやる!!」
幸乃は握りこぶしを握ってそう彼らに宣言する。
「え?別にいよ、それは何とかこっちで用意するから」
レーマンスはそう言って断ろうとする、それほどまでに餌役にとっては怖い方法だからだ。 しかし幸乃は事情を説明しぜひやらせてほしいと頼み込み、根強い説得でやっと幸乃は説得を成功させる。
「本当に大丈夫ですか? 絶対怖いですよ、聞いた限りでは──」
ベルが思わず囁く、リルカも心配そうに声をかけるが幸乃は「大丈夫だ」とカラ元気を見せて答える。
そして幸乃達は就寝し明日を迎えた。
※
本日は一行はジャングルへと向かう、新種の昆虫や動物のレポートを政府に向かって作るためである。 亜熱帯の様な森林地帯のジャングルを進んで1時間ほど、目的地の古びた木でできている小屋に到着し、レーマンスが荷物を小屋にまとめると口を開き始める。
「とりあえずこの辺りで散策しよう」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」
幸乃が足元を見て思わず悲鳴を上げる。その額には冷や汗がダラダラとわいていた。
「これ、サソリじゃない!!」
叫び声の通り幸乃の足元には真青の色をしたサソリが存在していた。
「ああ、このサソリは毒を持っているから気をつけてくれよ」
彼は表情を乱さず淡々とした表情で幸乃に警告する。
「ちょちょちょっと、あんた絶対靴はいたほうがいいって!!死ぬわよ」
その言葉に幸乃は取り乱して叫ぶ。
「大丈夫、俺達と動物は友達なんだから」
それでも彼は表情を崩さなかった。 さらに彼は自分の考えを淡々とぶつける。
「別に……俺達にとってはこれが当り前の生き方だからね、自然と共に生き、生活する、今までもそうだったようにね」
「──分かったわよ、気をつけてね」
「あれが、俺達が発見した生物だよ」
レーマンスは近くにあった木の上を指差す。
幸乃、彼の考えに少し賛同し、方向を見ると木の上に両手に抱きかかえられるくらいの大きさの色は茶色っぽく姿はコアラによく似た動物がいた。
「あれか、かわいい~」
ああやって何日も木の上から動かないで暮らしているんだ、ちょっと木の登り方を教えるからやってみなよと言って彼は木の枝の隣にあった弦をつかみ、弦を登り始める。そして弦を登った後すぐに弦を降りる。
その後簡単に幸乃に登り方を教え、次は幸乃がやってみるように諭す。
そして今度は幸乃が挑戦する。 まず両手で弦をつかむ、次は弦の下の部分に指の足を引っ掛ける。 レーマンスから教わったことをやってみる。 そして少しずつ弦を登っていく
そのスピードは恐る恐るといった感じでレーマンスに比べればゆっくりとしたものだったが……
「あと少し……」
何とか目的の枝にたどり着く。
「よし」
そしてその動物をやさしくゆっくりぎゅっとと抱きかかえる。
「いいねえ、きみうまいよ、初めてでここまでできるなんてねえ」
レーマンスはその出来栄えに彼女を褒める。
「ああ、ありがとう、ま、私ならこれくらい当然だけどね!」
そう彼女が反応して喜んだ瞬間……
ずるっ
「ヤベっ」
弦から手を滑らせ幸乃の体が落下する。そしてドサッと地面に尻もちをつく。
「いてててててて」
そして今度は転んだ幸乃からその動物を抱きかかえるようにして他の人たちに見せる。
「あ、よく見ると可愛い~~」
「これが俺達が新しく発見した動物だよ」
幸乃の世界ではナマケモノに似ているが彼の体はお腹の部分は真っ白、その他の部分は茶色の毛をまとっていた。 彼の話によると 猿などの木の上に暮らす動物が肉食動物に食われるのが最も多いパターンは食料を取りに木から下りた際に襲われるパターンだった、なのでこの動物は木の上では出来るだけカロリーを消費しないようにボーっとしていて気を降りる回数を極端に減らした所属らしい。
そしてリルカが彼から聞いたその動物の情報をレポートに記録していく。
そのほかにも7~8種類ほどのあたらしい動物を発見する。
「何この虫!!いやあああああああ!!」
中には気持ち悪いような虫など触りたくもないようなものがあったが幸乃は勇気を出して対応する。
「餌役?」
そう、最後に川で漁をする際、餌役というものがあり、それを今晩決めるらしい。 それがどんな役かという事をレーマンスが説明すると
「そ、そんなことをやるんですか?」
ベルが思わず驚いて叫ぶ、それは聞いたこともない風変りでいかにも危険そうな役割だった。 なぜならこの漁は鋭い牙をもった群れで行動する肉食の魚に対して人間がおとり役をやり、襲われるというという危険かつ失神することも多いといういわくつきの企画だったからである。
それを聞いた幸乃は同時に思い出す、今日の朝奈美からもらった手紙を……
今・ま・で・の・冒・険・よ・り・も・面・白・い・も・の・が・求・め・ら・れ・て・い・る・と・い・う・こ・と・を・──
(だったら、答えはこれしかないでしょ!!)
そして──
「私がそれやる!!」
幸乃は握りこぶしを握ってそう彼らに宣言する。
「え?別にいよ、それは何とかこっちで用意するから」
レーマンスはそう言って断ろうとする、それほどまでに餌役にとっては怖い方法だからだ。 しかし幸乃は事情を説明しぜひやらせてほしいと頼み込み、根強い説得でやっと幸乃は説得を成功させる。
「本当に大丈夫ですか? 絶対怖いですよ、聞いた限りでは──」
ベルが思わず囁く、リルカも心配そうに声をかけるが幸乃は「大丈夫だ」とカラ元気を見せて答える。
そして幸乃達は就寝し明日を迎えた。
※
本日は一行はジャングルへと向かう、新種の昆虫や動物のレポートを政府に向かって作るためである。 亜熱帯の様な森林地帯のジャングルを進んで1時間ほど、目的地の古びた木でできている小屋に到着し、レーマンスが荷物を小屋にまとめると口を開き始める。
「とりあえずこの辺りで散策しよう」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」
幸乃が足元を見て思わず悲鳴を上げる。その額には冷や汗がダラダラとわいていた。
「これ、サソリじゃない!!」
叫び声の通り幸乃の足元には真青の色をしたサソリが存在していた。
「ああ、このサソリは毒を持っているから気をつけてくれよ」
彼は表情を乱さず淡々とした表情で幸乃に警告する。
「ちょちょちょっと、あんた絶対靴はいたほうがいいって!!死ぬわよ」
その言葉に幸乃は取り乱して叫ぶ。
「大丈夫、俺達と動物は友達なんだから」
それでも彼は表情を崩さなかった。 さらに彼は自分の考えを淡々とぶつける。
「別に……俺達にとってはこれが当り前の生き方だからね、自然と共に生き、生活する、今までもそうだったようにね」
「──分かったわよ、気をつけてね」
「あれが、俺達が発見した生物だよ」
レーマンスは近くにあった木の上を指差す。
幸乃、彼の考えに少し賛同し、方向を見ると木の上に両手に抱きかかえられるくらいの大きさの色は茶色っぽく姿はコアラによく似た動物がいた。
「あれか、かわいい~」
ああやって何日も木の上から動かないで暮らしているんだ、ちょっと木の登り方を教えるからやってみなよと言って彼は木の枝の隣にあった弦をつかみ、弦を登り始める。そして弦を登った後すぐに弦を降りる。
その後簡単に幸乃に登り方を教え、次は幸乃がやってみるように諭す。
そして今度は幸乃が挑戦する。 まず両手で弦をつかむ、次は弦の下の部分に指の足を引っ掛ける。 レーマンスから教わったことをやってみる。 そして少しずつ弦を登っていく
そのスピードは恐る恐るといった感じでレーマンスに比べればゆっくりとしたものだったが……
「あと少し……」
何とか目的の枝にたどり着く。
「よし」
そしてその動物をやさしくゆっくりぎゅっとと抱きかかえる。
「いいねえ、きみうまいよ、初めてでここまでできるなんてねえ」
レーマンスはその出来栄えに彼女を褒める。
「ああ、ありがとう、ま、私ならこれくらい当然だけどね!」
そう彼女が反応して喜んだ瞬間……
ずるっ
「ヤベっ」
弦から手を滑らせ幸乃の体が落下する。そしてドサッと地面に尻もちをつく。
「いてててててて」
そして今度は転んだ幸乃からその動物を抱きかかえるようにして他の人たちに見せる。
「あ、よく見ると可愛い~~」
「これが俺達が新しく発見した動物だよ」
幸乃の世界ではナマケモノに似ているが彼の体はお腹の部分は真っ白、その他の部分は茶色の毛をまとっていた。 彼の話によると 猿などの木の上に暮らす動物が肉食動物に食われるのが最も多いパターンは食料を取りに木から下りた際に襲われるパターンだった、なのでこの動物は木の上では出来るだけカロリーを消費しないようにボーっとしていて気を降りる回数を極端に減らした所属らしい。
そしてリルカが彼から聞いたその動物の情報をレポートに記録していく。
そのほかにも7~8種類ほどのあたらしい動物を発見する。
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