~~異世界帰りの最強勇者~~  なぜか理不尽だらけのクソダンジョンで実力を発揮。助けた美少女配信者や元魔王様から好意を受けバズってしまう

静内燕

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第89話 (半ば強制)課金?

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「確かにかっこいいんですけどね……」

「神OP──実はクソダンジョンあるあるんだよね」

「わかります。後はBGMは神とか」

 璃緒も、だんだんクソダンジョンについての理解がわかってきたようだ。クソダンジョンの場合、意外とOPとかBGMはよかったりする。今回も、あの熱血系OPはかっこいい曲だったしそのままゴールデンタイムで使えば、子供たちからかなり好評を受けそうだ。


「これ、フリーズしているんじゃないのか?」

「そうかもしれませんね。どうすればいんでしょうか」

「待つのじゃ、コメントを見るのじゃ」

“何にもしないで 待つとエンディングらしい”
“ああ聞いた。これでもクリア扱いなんだって”

 ネフィリムの言うとおり、コメントを見て驚いた。まあ、そんなことするはずないんだけど、

 ちなみに、正確には5分放置すると「えらいっ!」って文字が出てきた後エンディングが流れるとか。

 答えなんて決まっている。大変な道のりだけど、3人でがんばってクリアする。ネフィリムと璃緒に視線を向けるが、自信満々な表情をしていた。

「流石に最後の配信が、それで終わりというのは寂しいです」

「当たり前なのじゃ!」

 とのことで、その選択肢を取らずにしっかりとダンジョンを攻略することとなった。


 そして、俺たちは世界へと旅立っていく。どんな世界が待っているのだろうか。とても楽しみだ。ちなみに、その世界に行く方法はコメントにあったが、画面の方に向かって武器を振らなければいけないだとか。


「変な方法だな。まあ、クソダンジョンなんだし仕方がないだろう」

 諦めてその言葉通り剣を何度か素振りすると、目の前が真っ白になり何かの景色が出てくる。
 どんな世界が待っているのだろうか。

 そんな風に考えると、目の前にいくつかの武器が現れた。そして、その下に値段と思わしき数字の値札。でも、全部同じでガチャと同じで買ってもらんだむなのか。

 武器は──ああこれ元ネタの“サモンナイト”で実際に使ってる武器か。これを使って、仮面ライダーになり切って戦うゲームなんだっけ。

 ゲーム自体が不親切な造りだから、この意図をこっちで理解したり先に別配信者で見た人のコメントを参考にしなくちゃいけない。こういうところが、不親切な設計なんだよな。

 まあ、コメントを見て何とか意味を理解しようとする。マジか──ここからクソダンジョンなんだな。



 しかも、1つにつき6千円はする。武器はランダム。ちょっと待て、何でそんなに払わなければいけないんだ。フルプライスのゲームが買える値段だぞ? いくら何でも高すぎだろ。お金持ちしかクリアできないという事にもつながる。無課金を歌いながら、実際には課金しないとクリアできないやつだ。

「これが、クソダンジョンと呼ばれる原因の一つなんですよ」

「ひどいのじゃ、ぼったくりなのじゃ」

 顔を膨らませて、ぷんすかと憤るネフィリム。璃緒は、苦笑いしながら言葉を返す。

「あの──お金出しましょうか? 私ならこれくらいなら出せますよ」


 それも一つの手かもしれない。璃緒ならそれくらいはあるだろう。お金はかかってしまうしこのダンジョンの主に渡ってしまうが。まあ、そんなこと納得できないし、それでクリアしたとしても全く嬉しくない。むしろ、高難易度だからこそやりたいことがある。

「それに対してさ、俺たちが無料縛りでクリアするんだよ。絶対かっこいいよ」

「それ、いいですね。ただ配信してるだけよりも差別化が図れますし、かっこいいです」

 そうだ、みんながクリアできない難易度でクリアする。そっちの方がやりがいがある。
 別に、進めなくなるわけじゃない。敵が圧倒的に強くなるだけ。それを上回って進むにはまったく構わない。そっちでクリアした方が、よっぽどすごいし璃緒とのコラボの最後のダンジョンにふさわしい。


「行くのじゃ。わらわ達なら、絶対に出来るぞい」

「はい」

 2人も、当然賛成している。それなら、答えは決まっている。
 自信をもって、俺たちはダンジョンへと入っていった。ダンジョンから逃げるつもりはない。自分たちの力と、3人の力を合わせてどんな敵でも最後まで戦っていく。

 最後なんだし、これくらいの難易度の方がちょうどいいと思う。


“それでこそからすみ、頑張れ”
“理不尽とかクソ仕様だって、実力で越えられるもんなからすみは”
“応援してるぞ、おまえ達ならできる”

 コメントからも、そんな行動を応援する声。

 そうだよな。そんな気はしてた。そして、武器を購入しないことを伝えると再び画面は真っ白。数秒ほどして──再び画面が現れた。

 そこは──真っ暗な洞窟の中。特徴がない、というかどこにでもありそうな洞窟のダンジョンという感じだ



「ああ、確か原作でもこんなダンジョンあったな」

「確かに原作でもありましたね。原作準拠なんですね」

「まあ、一部出てただけで他は普通の街での戦いだけどな」


 まあ、特撮物のヒーローって普通は現実世界で戦ってるよな。しかし、時折こういったダンジョンとか特別な場所で戦うときもあるんだっけ。
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