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第90話 ネットスラング『おんぢゅえ語』
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最初は、それを舞台にした所というわけか。
「とりあえず、進みましょう」
璃緒の言葉通り、どんな仕様が待っているかわからないが前に進むしかない。
「そうだね」
そして俺たちは前に進んでいった。薄暗いダンジョンを進み始めてしばらく。
ここまでモンスターと出くわした記憶はないし、敵はいない。
そんな中で、ダンジョンの中に何かあるのを見つけた。
「おおっ、あれは宝箱なのじゃ」
「でも、なんか露骨ですね」
ネフィリムの言葉通り、数個宝箱のようなものがある。でも、こんな分かりやすい位置。どう考えてもおかしい。
確実に何かある。
「これ、どう考えても罠に見えるのじゃ。うかつに近づくのは危険じゃ」
ネフィリムが、むむむと口を尖らせる。ああ、こんな形して冒険者を食らう化け物があったっけ。
ミミックとかいうやつだ。よく神経を研ぎ澄ますと、かすかに気配がするしこいつはそうなんだろう。
とりあえず、敵の強さを理解するための攻撃を加えてみる。ちょっと力を込めて、自身の剣で真っ二つに切ろうとしてみる。
「ギャァァァァァァァァァァァァァ──!!」
剣が宝箱に直撃した瞬間、宝箱がわずかに開いて大きな奇声が聞こえた。やっぱりミミックじゃないか。そして攻撃をしてわかった。
確かに固い。課金していない状態だと、攻撃が通りにくいってコメントにあったっけ。でも全く通らない。
「これ、とっても硬いのじゃ」
「かなり厄介な敵ですね」
ミミックはこっちを睨みつけて、明らかに敵意を向けていた。
まずいな……勝てるのか?
とりあえず、最善は尽くそうか。一気に近づいて思いっ切り、目の部分に突きを入れる。
思いっ切り悲鳴を上げたミミック。力づくで突破していくしかない。俺が切れ目を入れていた場所は少しだけ、傷になっていた。
辛抱強く削っていくしかなさそうだ。
「ここを何度を切りつけていくしかなさそうだ」
「そうなのじゃ」
「ちょっと不格好ですが、それしかないですね」
そして俺たちは寄ってたかってミミックに攻撃を入れる。力いっぱい入れて──それから少しずつ宝箱を削っていく。ミミックは悲鳴を上げて暴れようとするが、それに気づいたネフィリムが力づくで抑える。
「大丈夫なのじゃ。力自体はそこまで強くないのじゃ」
「はい。あくまで、課金アイテムじゃないとダメージを与えにくいだけでそこまで強い敵ではないみたいです」
それなら、話は早い。ネフィリムに抑えてもらいながら、少しずつ切っていくと徐々に切れ目が深くなっていく。
そして、半分くらい削れたところで俺は一気に勝負を決めようとした。これくらいなら、俺の力ならいける。
強く魔力を込めて、縦に一直線に振りかざすとミミックは箱ごと真っ二つに分断された。
ミミックの肉体と、中に入っているわずかばかりの金の宝がこぼれ落ちた。ミミックの肉体と宝箱の隙間に入っていたようだ。
「せっかく金を手に入れたのじゃ、頂くぞい」
「そうだな」
そして3人で手分けしてこぼれていた宝物を袋に包んで持ち帰る。ぱっと見で数えてみたが、それなりの金額になりそう。でも、これからもこんな面倒な展開が続くのか。それはそれで面倒な事になりそう。課金するつもりはないが、もしものためにする準備がしておいた方がよさそうだ。
しばらく歩いてから、ダンジョンの奥に光が見えた。あれが、ダンジョンの出口なんだろう。
「出口ですね、行きましょう」
「そうなのじゃ」
この先がどうなっているのか、とても気になる。理不尽な要素があるのはわかっているが、それはどこまでなのか。
ダンジョンから抜けた先は──小さな村だった。簡易的な建物が散らばるように連なっている。
何か、以前の「ファイナルソウル」を彷彿とさせるような安っぽい作りの建物たち。
「クソダンジョンの、共通点なのかな?」
「確かに、評価が低いダンジョンってこういうことが多いんですよね。安っぽくて、不自然な点が目立つというか」
璃緒も、クソダンジョンの特徴というのをわかってきたのだろう。傾向があるんだよな。
人影はまばら、時折視界に入るのは、他の配信者たち。俺たちと同じように、この安っぽさを実況している。
まあ、こういうところにクオリティが現れてるんだろ。
普通に周囲まで配慮が行くかどうかが、他の部分の造りにも影響しているんだと思う。
とりあえず、何が待っているかわからないから先へ進もう。
そんなことを考えていると、突然大きな叫び声が聞こえだす。
「おんぢゅえララギルダンデシカ──!!」
何言ってるかわからなくらいの活舌が悪い声。一体何なのか、スト―リーに関係しているのか。そんなことを考えていると──。
「確か、『本当に裏切ったんですか?』という意味だったはずです」
「璃緒殿。これを知っているでござるか?」
「確か、ネットスラングになっている言葉です。すごい棒読み俳優で『おんぢゅえ語』とか言われてるんですよ。棒読み言葉が多くて、それをネタにしている人がいるんですよね」
ああ、そう言えば昔。そんな言葉のMAD動画を見たことがあるな。そいつの事か。
「とりあえず、進みましょう」
璃緒の言葉通り、どんな仕様が待っているかわからないが前に進むしかない。
「そうだね」
そして俺たちは前に進んでいった。薄暗いダンジョンを進み始めてしばらく。
ここまでモンスターと出くわした記憶はないし、敵はいない。
そんな中で、ダンジョンの中に何かあるのを見つけた。
「おおっ、あれは宝箱なのじゃ」
「でも、なんか露骨ですね」
ネフィリムの言葉通り、数個宝箱のようなものがある。でも、こんな分かりやすい位置。どう考えてもおかしい。
確実に何かある。
「これ、どう考えても罠に見えるのじゃ。うかつに近づくのは危険じゃ」
ネフィリムが、むむむと口を尖らせる。ああ、こんな形して冒険者を食らう化け物があったっけ。
ミミックとかいうやつだ。よく神経を研ぎ澄ますと、かすかに気配がするしこいつはそうなんだろう。
とりあえず、敵の強さを理解するための攻撃を加えてみる。ちょっと力を込めて、自身の剣で真っ二つに切ろうとしてみる。
「ギャァァァァァァァァァァァァァ──!!」
剣が宝箱に直撃した瞬間、宝箱がわずかに開いて大きな奇声が聞こえた。やっぱりミミックじゃないか。そして攻撃をしてわかった。
確かに固い。課金していない状態だと、攻撃が通りにくいってコメントにあったっけ。でも全く通らない。
「これ、とっても硬いのじゃ」
「かなり厄介な敵ですね」
ミミックはこっちを睨みつけて、明らかに敵意を向けていた。
まずいな……勝てるのか?
とりあえず、最善は尽くそうか。一気に近づいて思いっ切り、目の部分に突きを入れる。
思いっ切り悲鳴を上げたミミック。力づくで突破していくしかない。俺が切れ目を入れていた場所は少しだけ、傷になっていた。
辛抱強く削っていくしかなさそうだ。
「ここを何度を切りつけていくしかなさそうだ」
「そうなのじゃ」
「ちょっと不格好ですが、それしかないですね」
そして俺たちは寄ってたかってミミックに攻撃を入れる。力いっぱい入れて──それから少しずつ宝箱を削っていく。ミミックは悲鳴を上げて暴れようとするが、それに気づいたネフィリムが力づくで抑える。
「大丈夫なのじゃ。力自体はそこまで強くないのじゃ」
「はい。あくまで、課金アイテムじゃないとダメージを与えにくいだけでそこまで強い敵ではないみたいです」
それなら、話は早い。ネフィリムに抑えてもらいながら、少しずつ切っていくと徐々に切れ目が深くなっていく。
そして、半分くらい削れたところで俺は一気に勝負を決めようとした。これくらいなら、俺の力ならいける。
強く魔力を込めて、縦に一直線に振りかざすとミミックは箱ごと真っ二つに分断された。
ミミックの肉体と、中に入っているわずかばかりの金の宝がこぼれ落ちた。ミミックの肉体と宝箱の隙間に入っていたようだ。
「せっかく金を手に入れたのじゃ、頂くぞい」
「そうだな」
そして3人で手分けしてこぼれていた宝物を袋に包んで持ち帰る。ぱっと見で数えてみたが、それなりの金額になりそう。でも、これからもこんな面倒な展開が続くのか。それはそれで面倒な事になりそう。課金するつもりはないが、もしものためにする準備がしておいた方がよさそうだ。
しばらく歩いてから、ダンジョンの奥に光が見えた。あれが、ダンジョンの出口なんだろう。
「出口ですね、行きましょう」
「そうなのじゃ」
この先がどうなっているのか、とても気になる。理不尽な要素があるのはわかっているが、それはどこまでなのか。
ダンジョンから抜けた先は──小さな村だった。簡易的な建物が散らばるように連なっている。
何か、以前の「ファイナルソウル」を彷彿とさせるような安っぽい作りの建物たち。
「クソダンジョンの、共通点なのかな?」
「確かに、評価が低いダンジョンってこういうことが多いんですよね。安っぽくて、不自然な点が目立つというか」
璃緒も、クソダンジョンの特徴というのをわかってきたのだろう。傾向があるんだよな。
人影はまばら、時折視界に入るのは、他の配信者たち。俺たちと同じように、この安っぽさを実況している。
まあ、こういうところにクオリティが現れてるんだろ。
普通に周囲まで配慮が行くかどうかが、他の部分の造りにも影響しているんだと思う。
とりあえず、何が待っているかわからないから先へ進もう。
そんなことを考えていると、突然大きな叫び声が聞こえだす。
「おんぢゅえララギルダンデシカ──!!」
何言ってるかわからなくらいの活舌が悪い声。一体何なのか、スト―リーに関係しているのか。そんなことを考えていると──。
「確か、『本当に裏切ったんですか?』という意味だったはずです」
「璃緒殿。これを知っているでござるか?」
「確か、ネットスラングになっている言葉です。すごい棒読み俳優で『おんぢゅえ語』とか言われてるんですよ。棒読み言葉が多くて、それをネタにしている人がいるんですよね」
ああ、そう言えば昔。そんな言葉のMAD動画を見たことがあるな。そいつの事か。
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