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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1
狼と虎と時々親父〜運輸と海運は国の動脈〜1
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「全くこの忙しさはどういうこったい!」
明らかに苛ついた表情で吠えるように吐き捨てる
山吹色の毛に黒と白のラインが映えるショートヘア
猫とは違う鋭い目と丸めの耳
虎人属:ティグリス=ブロンティ
通称:ティグ、ティグの姉御、殲滅の雷虎、大とら姫(酔いどれ姫)
珍しい獣人の中でも稀少な強者の種であるティグリスは元冒険者の海運ギルド長であり、腕っぷし自慢の海の男達をまとめる豪傑
「リュカがとんでもない事を始めたらしい・・・おそらくそれでしょうね」
冷静に受け応えするが、内心穏やかではない表情を見せるもう一人の女性
濃いめの灰色に白毛の混じるロングヘア
尖った耳を持ち知性と理性を感じる深い瞳
狼人属:シルバー=リュコス
通称:シルバー、シル姐、撃滅の水狼、うわばみ姫
こちらもまた珍しい獣人の中でも絶滅危惧種に値する稀少種の強者で元冒険者
シルバーは商業ギルドを情熱と冷徹さと思慮深さを持ち合わせ海千山千の商人を束ね、強大な組織に育て上げた女傑である
2人が密談している理由は
最近の冒険者の異常な活気に溢れた様子とそれに伴って増加する商人の動き
さらにそれらが必要とする物資と輸送の混乱についてだった
「冒険者達が活気付くのはよくある話だろ?それが何故こんなにうちらまで影響する?リュカが始めた事って何だ?」
「何でもダンジョン内に途轍もなく美味いレストランを作ったとか・・・まぁ実際のところ店というより美味い飯を買える不思議な箱が置いてあるだけらしいのですが・・・」
「何だいそりゃ?そんなもんがありゃ俺は冒険者を辞めなかったぜ」
「私もですよ・・・ただでさえ忙しい中であの戦いの日々を懐かしく思っていたのに、美味い飯が食えるダンジョンなんて最高じゃないですか」
「それで冒険者達がダンジョン内に入り浸るって事かい?」
「それどころじゃなく魔法騎士団の演習やはたまた一般人も入りたがる程人気になっているとか」
「マジかよ・・・」
「それが噂に噂を呼んで、国内外の冒険者が今アナスタシアに集中しているらしいですよ、当然商人達もあやかろうと必死に物資をかき集めるっていう」
「それで海運ギルドもこんなクソ忙しいんかよ・・・リュカめそんな重要な事を勝手にやりやがってぇ」
「それですよねぇ私達に黙ってそんな面白い事を一人でやるなんて許せないですよね・・・しかも当のリュカに至っては最近懇ろの男が出来たとか何とか」
「・・・・・・・・・何ぃ??!リュカにお・と・こだとぉおお!それが一番許せん抜け駆けしやがってええぇ」
「本当にそうですよね!絶対許せないですよね?」
「許せねーぜってーしばく!」
「私はそのリュカの男が怪しいと思っているんですよ・・・」
「怪しいって悪ぃやつなのか?」
「いやそういう意味ではなく・・・そもそもリュカが一人でダンジョン内にレストランなんて作れると思います?」
「確かに・・・あいつは頭は切れるがレストラン経営をするなんて無理だろ」
「そういう事です、しかもその懇ろの男は冒険者の中で噂になっている美味い料理屋の店主だとか・・・怪しくないですか?」
「怪しいな・・・これは調べに入る必要あるな」
「ティグならそういうと思ってお店に予約しておきました・・・今晩秘密を暴きに飲みに行きましょう!」
「おぅいくぜ!」
「ついでにリュカの男とやらを値踏みしましょうね」
二人はニヤリと笑い合い、ガシッと腕を組むのであった
ところ変わって料理屋「◯」では自動販売の仕込みと夜の仕込みが一区切りついた頃
「賄い出来たよー今日はオムライスだよー」
ワァっと完成が上がり喜ぶミャオと三人
「これが楽しみにしてたオムライスにゃー」
ウッドバードのモモ肉をバターで炒め、ライスを足して、少しスパイスを効かせたチキンライスにフワトロの卵を乗せて、仕上げのドミグラスソースは3日かけた本格的なソース
香味野菜とレッドブルの関節や筋を炒め、水を足して煮込んでいく(ついでにタコ糸で縛った焼き色を付けた牛タンも入れておく)
一度濾して2日煮込んだところにブーケガルニを加えて香り付けして味を整えた
レッドブルの旨みとトロ味が野菜と溶け合った良いソースが出来た
実食した3人とミャオは
「美味い!何ですかこれは?!」
「美味いー!玉子ふわふわぁ」
「このソース凄い奥深い・・・堪らないわ」
「ハル・・・最高なのにゃぁああ」
ミャオは感動して泣いている
こんなに喜んで貰えたら作り甲斐がある
「良かったよ・・・喜ぶ顔が見れて」
モーラも泣きそうな勢いで
「本当にここで働けて幸せですー」
ジャンも
「本当にマスターの募集に応じてくれてマザーにも感謝です」
ベティは
「・・・次は大盛りって有りですか?」
さすが食いしん坊だな・・・
「大丈夫だよ・・・先に言っておいてく・・・」
「ミャオも大盛りにゃー」
また食い気味で元祖食いしん坊が・・・
まあ喜ばしい限りだな
「さあ・・・食べ終わったら開店しようか!今日はジャンが当番だなよろしく頼むね!」
「はい!よろしくお願いしますマスター」
今日も忙しくなりそうだ
明らかに苛ついた表情で吠えるように吐き捨てる
山吹色の毛に黒と白のラインが映えるショートヘア
猫とは違う鋭い目と丸めの耳
虎人属:ティグリス=ブロンティ
通称:ティグ、ティグの姉御、殲滅の雷虎、大とら姫(酔いどれ姫)
珍しい獣人の中でも稀少な強者の種であるティグリスは元冒険者の海運ギルド長であり、腕っぷし自慢の海の男達をまとめる豪傑
「リュカがとんでもない事を始めたらしい・・・おそらくそれでしょうね」
冷静に受け応えするが、内心穏やかではない表情を見せるもう一人の女性
濃いめの灰色に白毛の混じるロングヘア
尖った耳を持ち知性と理性を感じる深い瞳
狼人属:シルバー=リュコス
通称:シルバー、シル姐、撃滅の水狼、うわばみ姫
こちらもまた珍しい獣人の中でも絶滅危惧種に値する稀少種の強者で元冒険者
シルバーは商業ギルドを情熱と冷徹さと思慮深さを持ち合わせ海千山千の商人を束ね、強大な組織に育て上げた女傑である
2人が密談している理由は
最近の冒険者の異常な活気に溢れた様子とそれに伴って増加する商人の動き
さらにそれらが必要とする物資と輸送の混乱についてだった
「冒険者達が活気付くのはよくある話だろ?それが何故こんなにうちらまで影響する?リュカが始めた事って何だ?」
「何でもダンジョン内に途轍もなく美味いレストランを作ったとか・・・まぁ実際のところ店というより美味い飯を買える不思議な箱が置いてあるだけらしいのですが・・・」
「何だいそりゃ?そんなもんがありゃ俺は冒険者を辞めなかったぜ」
「私もですよ・・・ただでさえ忙しい中であの戦いの日々を懐かしく思っていたのに、美味い飯が食えるダンジョンなんて最高じゃないですか」
「それで冒険者達がダンジョン内に入り浸るって事かい?」
「それどころじゃなく魔法騎士団の演習やはたまた一般人も入りたがる程人気になっているとか」
「マジかよ・・・」
「それが噂に噂を呼んで、国内外の冒険者が今アナスタシアに集中しているらしいですよ、当然商人達もあやかろうと必死に物資をかき集めるっていう」
「それで海運ギルドもこんなクソ忙しいんかよ・・・リュカめそんな重要な事を勝手にやりやがってぇ」
「それですよねぇ私達に黙ってそんな面白い事を一人でやるなんて許せないですよね・・・しかも当のリュカに至っては最近懇ろの男が出来たとか何とか」
「・・・・・・・・・何ぃ??!リュカにお・と・こだとぉおお!それが一番許せん抜け駆けしやがってええぇ」
「本当にそうですよね!絶対許せないですよね?」
「許せねーぜってーしばく!」
「私はそのリュカの男が怪しいと思っているんですよ・・・」
「怪しいって悪ぃやつなのか?」
「いやそういう意味ではなく・・・そもそもリュカが一人でダンジョン内にレストランなんて作れると思います?」
「確かに・・・あいつは頭は切れるがレストラン経営をするなんて無理だろ」
「そういう事です、しかもその懇ろの男は冒険者の中で噂になっている美味い料理屋の店主だとか・・・怪しくないですか?」
「怪しいな・・・これは調べに入る必要あるな」
「ティグならそういうと思ってお店に予約しておきました・・・今晩秘密を暴きに飲みに行きましょう!」
「おぅいくぜ!」
「ついでにリュカの男とやらを値踏みしましょうね」
二人はニヤリと笑い合い、ガシッと腕を組むのであった
ところ変わって料理屋「◯」では自動販売の仕込みと夜の仕込みが一区切りついた頃
「賄い出来たよー今日はオムライスだよー」
ワァっと完成が上がり喜ぶミャオと三人
「これが楽しみにしてたオムライスにゃー」
ウッドバードのモモ肉をバターで炒め、ライスを足して、少しスパイスを効かせたチキンライスにフワトロの卵を乗せて、仕上げのドミグラスソースは3日かけた本格的なソース
香味野菜とレッドブルの関節や筋を炒め、水を足して煮込んでいく(ついでにタコ糸で縛った焼き色を付けた牛タンも入れておく)
一度濾して2日煮込んだところにブーケガルニを加えて香り付けして味を整えた
レッドブルの旨みとトロ味が野菜と溶け合った良いソースが出来た
実食した3人とミャオは
「美味い!何ですかこれは?!」
「美味いー!玉子ふわふわぁ」
「このソース凄い奥深い・・・堪らないわ」
「ハル・・・最高なのにゃぁああ」
ミャオは感動して泣いている
こんなに喜んで貰えたら作り甲斐がある
「良かったよ・・・喜ぶ顔が見れて」
モーラも泣きそうな勢いで
「本当にここで働けて幸せですー」
ジャンも
「本当にマスターの募集に応じてくれてマザーにも感謝です」
ベティは
「・・・次は大盛りって有りですか?」
さすが食いしん坊だな・・・
「大丈夫だよ・・・先に言っておいてく・・・」
「ミャオも大盛りにゃー」
また食い気味で元祖食いしん坊が・・・
まあ喜ばしい限りだな
「さあ・・・食べ終わったら開店しようか!今日はジャンが当番だなよろしく頼むね!」
「はい!よろしくお願いしますマスター」
今日も忙しくなりそうだ
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