料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~

斬原和菓子

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第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

レジェンド達のエクササイズ〜美容と美食と美酒の宴〜5

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森奥ダンジョンへあと少しの所まで到着した俺達
セーフポイントでは無いが一度休憩を取る事にする

瞬殺してきたが魔物との戦闘回数は予想より多かったので、ダンジョンに入る前に一息つく事にしたのだ

「ふーむ、ゴブリン達が思ったより多かったの・・・近くに集落を作った可能性が高いのぅ」

「確かにホブゴブリンだけでなく、ゴブリンメイジとかの上位種もいましたもんね」

「そろそろ討伐クエストを出しておこうかの」

「少し寄り道して倒しても良いんじゃねぇか?暴れ足りねえ所だったし・・・」

「いや、低ランク冒険者達の仕事として残しておこうと思うての・・・まだ比較的小さめの集落じゃろうから焦らずとも大丈夫じゃ」

「そうかよ・・・まぁリュカお前が調整してるからこその安全だが、俺達には物足りないくらいだからな」

「心配せんでも今日のダンジョンはおそらく面白い事にはなるじゃろう・・・それまでその力は残しておけい」

「何かあるんですか?」

「うむ・・・ダンジョンの調査をしとる冒険者達から妙な気配を感じるとの報告があったのじゃが・・・大型の魔物がかなり蔓延って徒党を組む様な動きを見せとるらしいぞえ」

「スタンピード・・・ですか?」
・・・スタンピードとはダンジョンから魔物達が大量に溢れでる現象の事だ

「いやそうではないな、数が少ない上に大型魔物限定の動きじゃからな・・・縄張り争いかと思うとる・・・何か新しく強い魔物が育ったせいじゃろ」

「つまり、その大型魔物の縄張り争いの中心に入り込むって事だよなぁ・・・くぅぅ俺ぁワクワクすんぞ!」
ティグさんは興奮して笑う

「・・・普通は避けたいと思うはずなんだけどなー」
バッツさんが引いている

「それくらいじゃ無いとリュカもティグも私も本気なんか出せないので余計ストレスがたまってしまいそうです」

「あらためて3人は規格外ですね・・・マスターも規格外だけど・・・俺とバッツとリナさんは普通の人で良かったですよ」

「いやいやSランクの人達が普通って充分規格外でしょ!」
俺もさすがに突っ込んだ



とりあえず談笑しながら温かいスープとサンドイッチで小腹を満たすと再度、出発する

・・・すぐにダンジョンに辿り着くと何組かダンジョンに入り込む準備をしているパーティがあり、小さめの管理小屋の前で装備の点検をしている

山岳ダンジョンでは他のパーティとは会わなかったが、森奥ダンジョンは人気があり挑戦パーティも多いので、共闘などもあるだろうな

トラブルだけは避けていきたいので、低姿勢で行こう

しかし俺達を見たパーティは目を背けて小声で何か言っている
冒険者「・・・おい、あのパーティーやべえ面子じゃね?」
冒険者「しっ!目を合わせちゃいけません」
冒険者「邪魔したら何されるかわかんねーぞ」

・・・なんか危ない人達みたいに思われてないか?聞こえてるし
・・・共闘は諦めよう

一応ここにも残滓ポイントは作っておく

ダンジョンに入ると森の景色は変わらないのに空気が重い
・・・富士の樹海の様な重苦しさを感じる

もしかしたらアンデッドもかなりの数いるかも知れない・・・なんて思っていたら

「アニマルゾンビだ!群れでくるぞ!」

・・・やはり出たか・・・アンデッドはエアアブソーブが通じない、さてどうしようかな・・・

「ここは僕が・・・聖なる槍よ邪悪な魂を救済せよ『ホーリーランス』!」

10数体はいたアニマルゾンビに無慈悲な光の槍が降っては貫いていく・・・
貫かれたアニマルゾンビは浄化されたかの様に光の粒子になり消えていく

「ほぅ腕を上げたのぅジーク、以前よりも発動速度、威力共に上がっておる」

「日々、訓練で鍛えてますし、僕も守る者が出来ましたから!」
チラリとリナさんを見て頬を染める
リナさんも満更ではない様子だ・・・
間違いなく昨日はすっぽんが効いた様だ  

「おいおい、今日はデートじゃないからな!」

バッツさんとティグさんはやれやれと言った表情だ

「まぁ光と聖属性はアンデッドには有効的じゃからな・・・しばらくジークに頑張って貰おうかの」

その言葉通りにジークさんが無双した俺達は第一セーフポイントに無傷で着く

森奥ダンジョンのセーフポイントは大樹の辺りか水場に近い場所に陣取っているパターンが多い
火を起こして煙が上がった際に飛行する魔物に見つかり難くする為に煙を散らす様にする為と、火をすぐに消せるように水場から近い場所にとってあるようだ

森奥ダンジョンのセーフポイントは5つ
全体エリアの1番中心に大きく古い大樹が深く根付いており、そこが最奥地なのだが、そこに行くには時計周りで5つのセーフポイントを順番に降りながら回り込む必要がある為、1日では回り切れない広さと深さとなる

第一セーフポイントまではアンデッドや、獣型の群れが多い為、魔法使いが居ないと必ず多対個の戦いとなり疲弊する、下に行けば行くほど、群れの数は減るが大型魔物へと変化するので、個対個の戦いを乗り切る実力が必要とされる、ダンジョンのクリアレベルはなかなかに高い

「ここまでは予定通りでしたね」
「次のセーフポイントまでは上位種のオークやオーガも出てくるから気をつけていきましょう」

「今度こそオークの肉が欲しいです・・・」

「そんなにオークの肉を欲しがるには余程美味い飯を作れるって事だよな?」
ティグさんが涎を溢しそうになりながらも聞いてくる

「美味いですよー!エールに合わせた餃子やトンカツ、カツ丼、角煮、合い挽きハンバーグ、しゃぶしゃぶ!最高に美味い肉料理が沢山作れますよ!」

「なんだいそりゃ全部聞いた事もないがマスターの美味そうな話ぶりだけで涎が止まらないぜ!」

「是非食べて欲しいですね・・・オーク肉料理楽しみだー」

「よし!俺がオーク1番に倒してやるから1番先に食べさせてくれよな!な!」

「分かりました!最初に倒した人に最初にご馳走します!」

「なんじゃマスターそれを言うたら儂らも参戦するぞえ・・・ティグだけには独り占めさせんぞ!」

「そこは私たちだって!ランク関係なく最初に倒した人ですよね?」

「群れだったら数を多く倒した人にご馳走します」

「よし!決まりだな!俺が絶対勝つ!」

ここにオーク肉料理争奪戦が開始されたのであった

















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