料理屋「○」～異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした～

第3章 咲き誇る竜花と大龍の意志 料理屋「○」拡大成長編1

ミャオの華麗な休日〜ヤーナリズム男爵の誤算〜4

「ミャオ？大丈夫か？起きれるか？」

３人が心配しながらミャオを起す

「あ、ハルおかえりにゃさい？あれ？リナさんもリュカ姉さんもいるにゃ？」

「大丈夫か？誘拐されて酷いことされたんだろう？すまない！俺が独りにしたばっかりに･･･」

･･･３人の悲痛な顔を見てミャオは笑い出す

「どうしたのにゃ？皆んなして泣きそうな顔してるにゃ･･･」

「･･･お主･･･誘拐された割には元気じゃな･･･というか随分酒臭いのう」

「あーなんか頭痛いにゃー飲み過ぎたにゃー･･･ハル水もってるかにゃ？」

「持ってるけど･･･」

「ゴクゴク！プハー生き返るにゃ、昨日は楽しい宴会だったにゃ～」

「宴会？」

周りを見渡せば確かに酒とつまみのゴミが散乱し、皆横たわっているが寝てるだけにも見える

「どう言う事だ？この手紙は明らかに誘拐したからここに来いって意味だよな？」

「その手紙は2人にご馳走されていたから、ハルとすれ違わない様に書いて貰ったやつにゃ」

･･･え？

という事は文字通りお世話してるから迎えは地下ダンジョンに来てって内容そのまま？
さっきから五回したって言っていたのは誤解してるって事？

･･･チラッと殴り飛ばした2人を見て、3人は青い顔で見合わせる

「まぁ、これは書いた人も悪いかなー？って思いますよね？」
「勘違いさせる手紙に、人相が悪いから誘拐されたって思いますよねー？」
「何ならもう記憶無くすまで殴り続けるくらいでええんじゃないかのぅ？」

まるで無かった事の様に言い訳しているとミャオが気付く

「あー！ミャオの子分達がやられてるにゃ？！どうしたのにゃ！あんなにご馳走してくれた良い子分達だったのにゃ･･･誰がこんな酷いことをしたのにゃ！」


「そんなにお世話になったの･･･？」

「ドレスも流行りの服もめちゃくちゃ買ってくれたにゃ！しかもここのお酒もご飯も全部２人がお金払ってくれたにゃ！」


･･･やらかしたかもしれない
なんか心が痛む

詳しくミャオに経緯を説明してもらい、最終的に仲良くなり仕事も手伝う旨の了承待ちだと理解した

「とりあえず起こしますか･･･」
･･･二人にポーションをかけて傷を癒やし、身体を揺する

「うーん･･･ハッ！マスターお赦しをー」

「いや･･･謝らなくて大丈夫です、話はミャオから聴きました」

「と申しますと？」

「色々誤解もありましたが、私達は貴方達のした事はさっきの件でチャラにしようという話になりましたので、もう謝らなくて大丈夫です」

「とにかくじゃな･･･お主達はこの秘密裏にしてあるサービスの内容を知ってしまったのじゃ･･･守秘義務が発生するのは理解できるじゃろ？」

「ここにいる者達以外は未だに知られていない国家の一大事業になり得る案件じゃ･･･秘密を守る為にお主らを幽閉、もしくは消してしまう事も考えたが、お主らマスターに感謝せえよ」

「私の店も、自動販売も大事な仕事でこれからますます盛り上がるかもしれません･･･その手伝いをしてくれるならそこまでしなくて大丈夫と」

「マスターぁあ！ありがとうございます一生ついていきますぅ！」
「俺もマスターに忠誠を違うぜ！旦那と一緒に働かせて下せえ！」

「分かりました！これからよろしくお願いします･･･というか直属の上司はミャオにお願いしてあるので、これからはミャオについていってください」

「任せるにゃ･･･色々教えてやるにゃ！」

「ありがとうございますミャオ姉さん」
「姉御！よろしくお願いしやすぜ！」

「お主ら何かあったら後ろに儂らや国が関与している事、ゆめゆめ忘れるでないぞ！」

「ヒイ･･･かしこまりましたー！」

「では皆を起こして帰りますか！ゴミはゴミ入れに片付けて行きましょうね！」

「分かりました！お任せください！マスター」

･･･なし崩しに殴った事を忘れさせたが、まぁ喜んで働きそうな感じだから良いか･･･？

「･･･マスターよ不安は無いでもないがの、人をいかに使うかも主の真価が問われる所じゃ、時に厳しくしないといかん時もある･･･一つの成長の壁と思って乗り越えてみぃ」

「リュカさん･･･ありがとうございます」

さすがに転移で全員帰るのは難しいので、皆んなで帰路に着く

「家に帰るまでが、ダンジョンだと思って気を抜かずに帰りましょう！」

「はい！」

皆で無事に家路に着くのであった