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第2章 大輝にようこそ
26 悦び
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大輝はいつの間にかゴムをまとっていた。先端で軽くつつきながら言う。
「痛かったら我慢しないでね」
悦子は頷きながら、痛くてもいいです、と叫びそうになっていた。大輝は慎重に前半を入れ、一度後退してからゆっくりとその全長を収めた。
「大丈夫?」
と聞かれ、悦子は頷く。痛みが全くないわけでもないが、どこか麻痺したようになっていた。大輝は様子を見ながらゆっくりと腰を前後させた。目一杯占領される感覚に顔をしかめると、大輝は、
「この辺の方がいいかな」
と言って、比較的浅い部分を先端で擦った。悦子は頷く代わりに悶える。悦子の内側は単独で刺激されることに慣れておらず、それは霧がかかったようなもどかしい心地よさだった。子犬のような甘ったれた鳴き声が漏れ、視界が潤む。大輝の二の腕に触れた五本の指を、思わずその肉に食い込ませていた。
「あぁ~、かわいい。ヤバイなこれは」
そんなことを呟いて上体を擦り寄せてくる大輝に、女としての本能が桃色に染め上げられる。いつしか奥の方が快感に耐えかねて収縮を繰り返し始めると、大輝にも伝わったらしい。
「これはひょっとすると、ひょっとするのか?」
と大輝の低い声。悦子自身もこのまま達してしまいたいと感じていた。大輝によって至らしめられたい、と。しかし、その一部始終を間近で観察されることには若干の恥じらいが残っていた。
「恥ずかしい?」
と聞かれ、素直に頷く。
「そんなこと言われたら、ますます興奮しちゃうじゃん」
大輝は中の動きを維持し、下腹で悦子の外側を擦った。これはてきめんだった。自分でも馴染みのある感覚に近付き、悦子の純粋な欲が全身を支配する。首筋を舐め回す大輝に、
「見せてほしいな、全部」
と囁かれるまでもなく、悦子の奥底に残された原始の部分は羞恥心を上回りつつあった。
それは残酷なまでに緩やかなカーブだった。かつてない長い長い序曲が、徐々に増幅されボリュームを増す。頂上近くをこれほど長く味わったことはない。悦子自身にも覚えのない甲高いソプラノが喉をつく。それを最後に声を失い、限界まで加速した己の呼吸を聞いた。全身が激しく波打つのを止めるだけの理性は残されていなかった。数秒で止まるはずのその感覚が、螺旋を描くように何度も訪れた。そこに至るまでも長くもどかしいプロセスだったが、余韻もまた果てしなかった。一人では達したら終わり。すぐにでも家事に取りかかれるほどなのに、大輝の後は快感の名残がいつまでも疼いた。
悦子がようやく正気を取り戻すと、大輝がその横で満足げに見つめていた。
「やだあ」
と思わず布団に隠れると、
「やだあ」
と大輝まで真似して潜ってくる。全てを見られてしまった恥ずかしさが、この上ない幸福感にあっけなく凌駕された。目が合うと抱き締められ、おいしいキスをたっぷりと振る舞われた。
(なんか不思議。彼氏でもない人とこんなことしてるなんて……)
快楽に酔いしれる一方で、悦子には幾許かの罪悪感があった。と同時に、こんな親密な営みを大勢と行うという感覚が理解できなかった。
「ねえ、たくさんの人と、その……体験、してるとさ、やっぱり、比べちゃったりする?」
「あ、出た。正直に答えたら怒られるパターンだ、これ」
「怒らないってば。ただ、純粋に興味あって」
「八百屋にみかんが三種類あったらね。どれがおいしいかな、安いかなって比べて買うっしょ。一種類選んで一袋買って帰ったら、食べながら、あ、さっきの方が甘かったなあって、また比べるじゃん。それはもうやむを得ないというか、人類の必然だよね」
「ふーん。じゃあ、一番いい人から一番ダメな人まで、ランキングがあったり?」
大輝は喉の奥で笑った。
「人はみかんよりは複雑。まあ、比べてる以上、それなりに結論があるのは確かだけど」
「それでも一人に決まってしまわないのは……つまり、それぞれに良さがあるってこと?」
「そうだね」
「どの辺がポイントなの? 顔? 体型? 運動神経? それとも……知識とか経験?」
「まあ、全部っちゃ全部だけど。俺が個人的に一番重視しちゃうのは……積極的に楽しんでくれるかどうか。あと、妙なプロっぽさがない人の方がいいかな」
それなら私も入れそう、と悦子は思った。
「それから……突然難しい質問を振ってくる人。もう、たまんない」
そう言うと大輝は再び唇を押し付け、悦子にたっぷりと恋人気分を味わわせた。
「痛かったら我慢しないでね」
悦子は頷きながら、痛くてもいいです、と叫びそうになっていた。大輝は慎重に前半を入れ、一度後退してからゆっくりとその全長を収めた。
「大丈夫?」
と聞かれ、悦子は頷く。痛みが全くないわけでもないが、どこか麻痺したようになっていた。大輝は様子を見ながらゆっくりと腰を前後させた。目一杯占領される感覚に顔をしかめると、大輝は、
「この辺の方がいいかな」
と言って、比較的浅い部分を先端で擦った。悦子は頷く代わりに悶える。悦子の内側は単独で刺激されることに慣れておらず、それは霧がかかったようなもどかしい心地よさだった。子犬のような甘ったれた鳴き声が漏れ、視界が潤む。大輝の二の腕に触れた五本の指を、思わずその肉に食い込ませていた。
「あぁ~、かわいい。ヤバイなこれは」
そんなことを呟いて上体を擦り寄せてくる大輝に、女としての本能が桃色に染め上げられる。いつしか奥の方が快感に耐えかねて収縮を繰り返し始めると、大輝にも伝わったらしい。
「これはひょっとすると、ひょっとするのか?」
と大輝の低い声。悦子自身もこのまま達してしまいたいと感じていた。大輝によって至らしめられたい、と。しかし、その一部始終を間近で観察されることには若干の恥じらいが残っていた。
「恥ずかしい?」
と聞かれ、素直に頷く。
「そんなこと言われたら、ますます興奮しちゃうじゃん」
大輝は中の動きを維持し、下腹で悦子の外側を擦った。これはてきめんだった。自分でも馴染みのある感覚に近付き、悦子の純粋な欲が全身を支配する。首筋を舐め回す大輝に、
「見せてほしいな、全部」
と囁かれるまでもなく、悦子の奥底に残された原始の部分は羞恥心を上回りつつあった。
それは残酷なまでに緩やかなカーブだった。かつてない長い長い序曲が、徐々に増幅されボリュームを増す。頂上近くをこれほど長く味わったことはない。悦子自身にも覚えのない甲高いソプラノが喉をつく。それを最後に声を失い、限界まで加速した己の呼吸を聞いた。全身が激しく波打つのを止めるだけの理性は残されていなかった。数秒で止まるはずのその感覚が、螺旋を描くように何度も訪れた。そこに至るまでも長くもどかしいプロセスだったが、余韻もまた果てしなかった。一人では達したら終わり。すぐにでも家事に取りかかれるほどなのに、大輝の後は快感の名残がいつまでも疼いた。
悦子がようやく正気を取り戻すと、大輝がその横で満足げに見つめていた。
「やだあ」
と思わず布団に隠れると、
「やだあ」
と大輝まで真似して潜ってくる。全てを見られてしまった恥ずかしさが、この上ない幸福感にあっけなく凌駕された。目が合うと抱き締められ、おいしいキスをたっぷりと振る舞われた。
(なんか不思議。彼氏でもない人とこんなことしてるなんて……)
快楽に酔いしれる一方で、悦子には幾許かの罪悪感があった。と同時に、こんな親密な営みを大勢と行うという感覚が理解できなかった。
「ねえ、たくさんの人と、その……体験、してるとさ、やっぱり、比べちゃったりする?」
「あ、出た。正直に答えたら怒られるパターンだ、これ」
「怒らないってば。ただ、純粋に興味あって」
「八百屋にみかんが三種類あったらね。どれがおいしいかな、安いかなって比べて買うっしょ。一種類選んで一袋買って帰ったら、食べながら、あ、さっきの方が甘かったなあって、また比べるじゃん。それはもうやむを得ないというか、人類の必然だよね」
「ふーん。じゃあ、一番いい人から一番ダメな人まで、ランキングがあったり?」
大輝は喉の奥で笑った。
「人はみかんよりは複雑。まあ、比べてる以上、それなりに結論があるのは確かだけど」
「それでも一人に決まってしまわないのは……つまり、それぞれに良さがあるってこと?」
「そうだね」
「どの辺がポイントなの? 顔? 体型? 運動神経? それとも……知識とか経験?」
「まあ、全部っちゃ全部だけど。俺が個人的に一番重視しちゃうのは……積極的に楽しんでくれるかどうか。あと、妙なプロっぽさがない人の方がいいかな」
それなら私も入れそう、と悦子は思った。
「それから……突然難しい質問を振ってくる人。もう、たまんない」
そう言うと大輝は再び唇を押し付け、悦子にたっぷりと恋人気分を味わわせた。
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