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11/30 媚薬
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(I)
そんな用意はまっぴらごめんである。私はリュウの発言を無視することにした。
「機材を! ここへ! さっさと持ってきなさい!」
低い命令口調に、リュウは渋々と言った感じで動き出す。
「あ、それと」
「何?」
「コーヒーと夜食もお願いね」
「パシリ!?」
(M)
リュウの思い通りに動くつもりはない。経験値からいっても恐らく私の方が上だ。
楽しい事には参加させてもらうがその他は利用させてもらおう。
私は開き直りぶつくさ言うリュウが淹れたコーヒーを一口飲んだ。
味がおかしい。
「あんたまさか」
「あ、少し媚薬を」
リュウがニヤけた。
(I)
「なっ!?」
もう、飲んでしまったものは取り返しがつかない。吐き出そうにも喉を通って胃に流れ込んでしまったのだ。
「愛は隙だらけだ。守ってやる誰かが必要だと思うんだけどな」
「……っ!! なんてことするの!」
気のせいだと思いたいが体にほてりを感じて愛はリュウを睨みつけた。
(M)
「なあ愛」
リュウが耳元で囁く。
「俺は愛の笑顔に惚れたけど、体から始まる恋もあると思うんだよな。愛はどう思う?」
私は火照る気持ちを抑え付け後ろに一歩下がった。
「何言ってんのよ、知らないわよそんなの……!」
師匠以外に恋した事など無いのにわかる訳がなかった。
(I)
リュウはそんな私の想いなど関係ないと言わんばかりに距離を詰めて来る。
「い、いや! 来ないで! 来ないでぇ!」
私はリュウに恐怖を覚えて涙が溢れた。
「助け、助けて! 師匠!! 師匠!!」
頭を抱えてしゃがみ込んで子供のように泣きじゃくる。
(M)
師匠をひたすら呼んだ。もういないのは分かっていても。
リュウの悲しそうな声が頭上から聞こえた。
「俺……死人と戦うのか? 絶対勝ち目ないじゃないかそれ」
「師匠の事を死人だなんて言わないでよ!」
リュウの相手をわざと傷つけようとする声がした。
「お前、何にも知らないくせに」
(I)
何も知らない、そう言われて私は噛み付くような声が出る。
「知らない訳無いじゃない! 私以上に師匠のことを知っている人なんていない!」
そう、自分に言い聞かせるたかったのかも知れない。それでも、私はリュウよりかは師匠について知らないはずがなかった。
「ずっと一緒に居たんだもの」
(M)
「じゃあお前何でお前の師匠が絶対お前に手を出さなかったのか理由を知ってるのかよ!」
リュウが意地悪そうな、でも傷付いたような声で叫んだ。
理由? そこに理由があったのか? 私はそんな事知らない。師匠は何も言ってなかったから。
「お前の母親が……!」
「私の、母親?」
(I)
思っても見ないワードに眉間に皺が寄る。
「師匠が私に手を出さない理由とお母さんが関係あるって言いたいの?」
「そうだ。お前が師匠の元に居たのは他でも無い。母親と師匠の2人はとある契約をしていたからだ」
全く聞いた事のない話だった。そもそも師匠と母が通じていたことすら知らない。
(M)
疑わしい。私はリュウをじと、と見た。
そもそもこいつは泥棒だ。脅迫する、盗聴する、人を襲って注射器を刺して眠らせて、手首を縛って誘拐してきて、更には媚薬、つまり催淫剤まで飲ませている。
つまり碌な人間じゃない。
「やっぱりあんたの話に乗るのはやめたわ」
「えっちょっと」
(I)
火照る身体も、心も限界に近い。早い所ここから退散せねば、また薬でも打たれたら本当に後がない。
けれども、リュウがはい、そうですかと私を返してくれる訳が無い。
「どこ行くんだよ」
私の行手を遮るリュウは怒りよりも悲しみに満ちた顔をしている。
「帰る」
(M)
「分かった! 分かったから、もう襲わないから帰らないでくれ! この通り!」
ガバ! とリュウが土下座し始めた。するとリュウの筋張った首筋から鎖骨のラインが目に飛び込んできて、腹の奥が疼いた。分かっている、これは薬のせいだ。
これを抑えるには。
私はリュウの頭に足を乗せた。
そんな用意はまっぴらごめんである。私はリュウの発言を無視することにした。
「機材を! ここへ! さっさと持ってきなさい!」
低い命令口調に、リュウは渋々と言った感じで動き出す。
「あ、それと」
「何?」
「コーヒーと夜食もお願いね」
「パシリ!?」
(M)
リュウの思い通りに動くつもりはない。経験値からいっても恐らく私の方が上だ。
楽しい事には参加させてもらうがその他は利用させてもらおう。
私は開き直りぶつくさ言うリュウが淹れたコーヒーを一口飲んだ。
味がおかしい。
「あんたまさか」
「あ、少し媚薬を」
リュウがニヤけた。
(I)
「なっ!?」
もう、飲んでしまったものは取り返しがつかない。吐き出そうにも喉を通って胃に流れ込んでしまったのだ。
「愛は隙だらけだ。守ってやる誰かが必要だと思うんだけどな」
「……っ!! なんてことするの!」
気のせいだと思いたいが体にほてりを感じて愛はリュウを睨みつけた。
(M)
「なあ愛」
リュウが耳元で囁く。
「俺は愛の笑顔に惚れたけど、体から始まる恋もあると思うんだよな。愛はどう思う?」
私は火照る気持ちを抑え付け後ろに一歩下がった。
「何言ってんのよ、知らないわよそんなの……!」
師匠以外に恋した事など無いのにわかる訳がなかった。
(I)
リュウはそんな私の想いなど関係ないと言わんばかりに距離を詰めて来る。
「い、いや! 来ないで! 来ないでぇ!」
私はリュウに恐怖を覚えて涙が溢れた。
「助け、助けて! 師匠!! 師匠!!」
頭を抱えてしゃがみ込んで子供のように泣きじゃくる。
(M)
師匠をひたすら呼んだ。もういないのは分かっていても。
リュウの悲しそうな声が頭上から聞こえた。
「俺……死人と戦うのか? 絶対勝ち目ないじゃないかそれ」
「師匠の事を死人だなんて言わないでよ!」
リュウの相手をわざと傷つけようとする声がした。
「お前、何にも知らないくせに」
(I)
何も知らない、そう言われて私は噛み付くような声が出る。
「知らない訳無いじゃない! 私以上に師匠のことを知っている人なんていない!」
そう、自分に言い聞かせるたかったのかも知れない。それでも、私はリュウよりかは師匠について知らないはずがなかった。
「ずっと一緒に居たんだもの」
(M)
「じゃあお前何でお前の師匠が絶対お前に手を出さなかったのか理由を知ってるのかよ!」
リュウが意地悪そうな、でも傷付いたような声で叫んだ。
理由? そこに理由があったのか? 私はそんな事知らない。師匠は何も言ってなかったから。
「お前の母親が……!」
「私の、母親?」
(I)
思っても見ないワードに眉間に皺が寄る。
「師匠が私に手を出さない理由とお母さんが関係あるって言いたいの?」
「そうだ。お前が師匠の元に居たのは他でも無い。母親と師匠の2人はとある契約をしていたからだ」
全く聞いた事のない話だった。そもそも師匠と母が通じていたことすら知らない。
(M)
疑わしい。私はリュウをじと、と見た。
そもそもこいつは泥棒だ。脅迫する、盗聴する、人を襲って注射器を刺して眠らせて、手首を縛って誘拐してきて、更には媚薬、つまり催淫剤まで飲ませている。
つまり碌な人間じゃない。
「やっぱりあんたの話に乗るのはやめたわ」
「えっちょっと」
(I)
火照る身体も、心も限界に近い。早い所ここから退散せねば、また薬でも打たれたら本当に後がない。
けれども、リュウがはい、そうですかと私を返してくれる訳が無い。
「どこ行くんだよ」
私の行手を遮るリュウは怒りよりも悲しみに満ちた顔をしている。
「帰る」
(M)
「分かった! 分かったから、もう襲わないから帰らないでくれ! この通り!」
ガバ! とリュウが土下座し始めた。するとリュウの筋張った首筋から鎖骨のラインが目に飛び込んできて、腹の奥が疼いた。分かっている、これは薬のせいだ。
これを抑えるには。
私はリュウの頭に足を乗せた。
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