錠前破りの私の事が大好きな大泥棒の孫はイケメンだが私の相手にはまだ早い【リレー小説】

緑井 藻猫R

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12/1 ようやく下準備

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(I)

「いっ! いたた!!」

 頭を踏みつけられたリュウは情けない声を出す。

 その声は私の疼きを抑えてくれそうだった。

「リュウのせいだから、甘んじて受けなさい?」

 私はヒールの踵を頭にグッと押し付ける。

「アグッ!」

 口から漏れだした小さな悲鳴に私は舌なめずりをする。

(M)

「約束よ、もう変な事しないで。次にしたらもうどうなるか……分かるわね?」

 更にグイ、と靴をめり込ませる。

「分かった! ごめんって! もうしないから、仕事は手伝ってくれ!」

 リュウが泣き声で言った。
 私は頷いた。

「機材、持ってきなさい」
「は、はい!」

(I)

 リュウがテキパキと作業用の機材を取り出して来る。こればかりは流石と言ったところで、見たこともないような最新機器がずらりと並ぶ。

「こんなもんでどうだ?」

 部屋のめぼしい機材を並べてくれたリュウは私の顔色を窺っている。さっきのヒールは結構効いたようだ。

「いいわ。下がって」

(M)

「あの、後ろで見てちゃ駄目かな?」

 リュウがおずおずと聞いてきた。

 あのカーッとくる催淫剤の効果は少し薄れてきたものの、万が一触れられでもしたら実は結構やばい。

 私は首を横に振った。

「企業秘密だからダメ」
「あーやっぱり……。分かりましたよ」

 リュウは諦めたようだ。

(I)

リュウが部屋からとぼとぼと出ていくのをしっかりと見届けた後、私は機材に向かった。

 電子錠を解除するためには中の電子回路からデータをスキャンできれば一番確実な方法だ。

 只、普通に考えると外部から電子回路へアクセスする方法などない。それを打破する為、私はこれから作業に取り掛かる。

(M)

 こうしよう、でもこれもいいかもしれない。そうひとり頭の中で組み立てていく作業。

 この時間は夢の様な時間だ。完全に自分の思考だけの世界。誰にも邪魔はされない。

 自分のポケットからスマホを取り出した。ここには宝の山が埋まっている。ただのスマホではないのだ。

(I)

 暗号の解除に必要な開発ツールはもちろん、触れずとも近くに置けば内部の電子機器と相互リンクができる優れものなのだ。

 私はリュウの用意してくれた全ての機材とスマホをリンクさせる。思考のなかで組み立てた論理式をカタカタと入力していく。

 夜はあっという間に更けていった。

(M)

 ゆらゆら揺れる。誰かに抱き抱えられているようだ。

 体を支える硬い腕は男性のものだろう。

「師匠……」

 夢の中で会えた師匠の姿を重ねる。ゆっくりとふかふかの上に寝かされた。頭を優しく撫でられる。

 やっぱり師匠だ、そう思い笑顔を浮かべて手を握るが、それは別人の手だった。

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