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女子高生、異世界へ行く。
女子高生と破壊神とそれから2
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「ほんとーーーーーに大丈夫なんですか?」
「大丈夫だと言っているだろうが。まだ疑うか」
召喚地点、別名地図地点B-2区画。私と破壊神さんは堂々と小さな広場の真ん中に居る。厳密に言うと魔法陣っぽいものを描く破壊神さんを私が眺めている。
「そう言えば、破壊神さん、さっき眷属居ないって言ってましたよね」
そう問いかければ振り向くことなく「そうだな」と肯定が返ってくる。
「眷属じゃないならこの飛び回ってるコウモリっぽいのは何なんですか?」
「分からん」
簡素な反応にずっこけそうになった。
「分からんて、なんかこう、あるでしょ無いんですか?」
「そいつは家の前に落ちてたのを拾ってやっただけだわ。それから勝手に懐いとるからそばに置いとるだけだ」
それは眷属とは呼ばないのか……いや、ペットなのか?
広場の上空をパタパタと飛び回るコウモリっぽい生き物を眺める。なんだか気持ちよさそうに飛んでいる。気になるのか、時折降りてきては私の顔を見つめてみたり、魔法陣を描く破壊神さんの背中にくっついてみたりしている。
程なくして魔法陣を描きあげた破壊神さんはその真ん中に先程ダレンさんから巻き上げた物を置き、私の方を向いた。
「さて、今から召喚するわけだが、召喚すれば確実にあっちに気づかれる。でかい機械を抱えてるところを見れば、撤退より我々を潰す事を選択する可能性の方が高いだろうよ。お前は一般人より今弱い。だから我はお前を守らない。つーか、守らなくてよさそうだし、とにかく逃げることを考えるようにする事。良いな?」
その言葉に頷くと、その人は「それでいい」と魔法陣へと向き直る。言われずともそうなれば逃げるなりなんなりするつもりだ。死ぬのは怖い。というか、死にたくない。
「蔦は捕える、忠義と仁義の元に、魔と成り我が前に現れよ」
魔法陣が光り始めたかと思うと、それを中心に風が巻き上がる。風は紫色の髪を巻き上げ、ケープの様なマントを踊らせる。
「さぁ仕事だ!出て来やがれ、ウェイバリー・コフィン!」
指を鳴らす音、目を開けることすら叶わない光。
目を開けるとそこには四本の腕を生やした、人ならざる者が立っていた。
「大丈夫だと言っているだろうが。まだ疑うか」
召喚地点、別名地図地点B-2区画。私と破壊神さんは堂々と小さな広場の真ん中に居る。厳密に言うと魔法陣っぽいものを描く破壊神さんを私が眺めている。
「そう言えば、破壊神さん、さっき眷属居ないって言ってましたよね」
そう問いかければ振り向くことなく「そうだな」と肯定が返ってくる。
「眷属じゃないならこの飛び回ってるコウモリっぽいのは何なんですか?」
「分からん」
簡素な反応にずっこけそうになった。
「分からんて、なんかこう、あるでしょ無いんですか?」
「そいつは家の前に落ちてたのを拾ってやっただけだわ。それから勝手に懐いとるからそばに置いとるだけだ」
それは眷属とは呼ばないのか……いや、ペットなのか?
広場の上空をパタパタと飛び回るコウモリっぽい生き物を眺める。なんだか気持ちよさそうに飛んでいる。気になるのか、時折降りてきては私の顔を見つめてみたり、魔法陣を描く破壊神さんの背中にくっついてみたりしている。
程なくして魔法陣を描きあげた破壊神さんはその真ん中に先程ダレンさんから巻き上げた物を置き、私の方を向いた。
「さて、今から召喚するわけだが、召喚すれば確実にあっちに気づかれる。でかい機械を抱えてるところを見れば、撤退より我々を潰す事を選択する可能性の方が高いだろうよ。お前は一般人より今弱い。だから我はお前を守らない。つーか、守らなくてよさそうだし、とにかく逃げることを考えるようにする事。良いな?」
その言葉に頷くと、その人は「それでいい」と魔法陣へと向き直る。言われずともそうなれば逃げるなりなんなりするつもりだ。死ぬのは怖い。というか、死にたくない。
「蔦は捕える、忠義と仁義の元に、魔と成り我が前に現れよ」
魔法陣が光り始めたかと思うと、それを中心に風が巻き上がる。風は紫色の髪を巻き上げ、ケープの様なマントを踊らせる。
「さぁ仕事だ!出て来やがれ、ウェイバリー・コフィン!」
指を鳴らす音、目を開けることすら叶わない光。
目を開けるとそこには四本の腕を生やした、人ならざる者が立っていた。
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