ドスグロ団地

インタビュー一周目

102号女性Cへのインタビューを終えて

何が「もちろん」なんだろう。

彼女は「もちろんシンママですよ」と言った。

それが「アナタの御想像通りシングルマザーです。どうせこんな町外れの殺人事件が起きたかもしれない公営住宅にしがみついている子持ちの女なんてシンママだと思っていたでしょう？」と言う意味だとしたら、御明察だ。

正直、ニイサカはC氏に告白される前からシングルマザーだろうなと思っていた。

つまり101号、102号共に母子家庭ということだ。

髪の色は明るいが、101号のB氏ほどではない。

服装もメイクも派手めだが、B氏ほどではない。

体型は痩せ型。部屋はキレイに整頓されていた。

C氏の受け答えには知性を感じる。ファッションの割に落ち着いた口調だからなのか。それと同時に孤独も感じる。

同年代で、同じような生活を送っている2人だが、B氏は今の生活を受け入れ、C氏は諦めている…そんな微妙な違いが伝わってくる。

他者に対する無関心も、己の生活への諦めに起因しているのかもしれない。

興味がない。どうでも良い。そういう自分を偽っているかのようだ。

それにしても今回も、大した話は聞けなかった。

追加された情報と言えば、2階にエロい目で見て来るサラリーマンがいる事、亡くなったＩ氏は隣のH氏と挨拶以上に会話する関係だった事くらいだ。

まぁエロサラリーマンはさておき、暴力団構成員だったＩ氏に団地内に話せる人間が居たと言うのは収穫と捉えようか。

H氏とやらにインタビューするまでは頑張ってみよう。

さぁ次はお香の香りのする103号の彼だ。