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インタビュー一周目
104号男性Eへのインタビューを終えて
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204号室I氏の死が殺人か自死かは分からない。
ただこの団地は普通ではないかもしれない。
E氏へのインタビューを終え、ニイサカの気持ちに若干の変化があった。
変化というより違和感…。ようやく感じ取れたと言っても良い。この若干の違和感は記者にとっては希望でもある。
どのくらい若干かと言うと、行きつけのスナックの焼酎割が『普通』から『濃い目』になったときの焼酎の増量分くらいわずか。
若しくは1日に伸びる爪の長さ程度か。気付かない奴には気付かない。
その根拠は204号室のドアを開けた時のニオイだ。
これまで幾度も嗅いだことのあるあの独特の香り。
初めてはオランダだったか、2回目は歌舞伎町、3回目は田舎の暴力団事務所、いずれも取材に行った時に嗅いだあのニオイ。
他にもDVを取材に行った時のアパートやホームレスから漂っていた事もあった…
間違いない。アレは大麻の香りだ。
E氏は確実に大麻を使用、若しくは所持している。
それがI氏の死と関係があるかはわからない。
I氏は暴力団構成員だった。
E氏は覚醒剤にも手を出しているかもしれない。若しくは売人でそれをI氏に見つかりトラブルに発展…
決して考えすぎではないだろう。
そしてもう一つの違和感、202号室のサラリーマンG氏だ。
103号のD氏も証言していた。事件が起こりサイレンが鳴った時、彼は1階の廊下にいたのだ。
D氏から聞いた時は、事件とは無関係だからと見過ごしていた。
しかし、D氏もE氏も「サイレンが鳴って扉を開けたら、2階に上がる階段へと向かうG氏の背中が見えた。」…と話している。
104号室の奥は行き止り。備品が置かれ意味をなしていない開かずの非常口しかない。
と言う事は…G氏は101号か102号からでてきたとは考えられないだろうか。いや、むしろそう考えるとG氏の動線はスムーズだ。
更にE氏は言った。「サイレンが鳴って、みんな出てきていた」と。
G氏が1階廊下にいた事を、D氏とE氏は印象的な出来事だと思い、記者のインタビューで教えてくれた。
何故、「見ていたはず」なのに101号と102号の住人は教えてくれなかったのか?
それは、どちらかの部屋からG氏が慌てて出ていったからではないだろうか?
…自分でも、少し妄想が過ぎるな…と思いながら、ニイサカは自分の爪が朝より伸びている事に気付いた。
ただこの団地は普通ではないかもしれない。
E氏へのインタビューを終え、ニイサカの気持ちに若干の変化があった。
変化というより違和感…。ようやく感じ取れたと言っても良い。この若干の違和感は記者にとっては希望でもある。
どのくらい若干かと言うと、行きつけのスナックの焼酎割が『普通』から『濃い目』になったときの焼酎の増量分くらいわずか。
若しくは1日に伸びる爪の長さ程度か。気付かない奴には気付かない。
その根拠は204号室のドアを開けた時のニオイだ。
これまで幾度も嗅いだことのあるあの独特の香り。
初めてはオランダだったか、2回目は歌舞伎町、3回目は田舎の暴力団事務所、いずれも取材に行った時に嗅いだあのニオイ。
他にもDVを取材に行った時のアパートやホームレスから漂っていた事もあった…
間違いない。アレは大麻の香りだ。
E氏は確実に大麻を使用、若しくは所持している。
それがI氏の死と関係があるかはわからない。
I氏は暴力団構成員だった。
E氏は覚醒剤にも手を出しているかもしれない。若しくは売人でそれをI氏に見つかりトラブルに発展…
決して考えすぎではないだろう。
そしてもう一つの違和感、202号室のサラリーマンG氏だ。
103号のD氏も証言していた。事件が起こりサイレンが鳴った時、彼は1階の廊下にいたのだ。
D氏から聞いた時は、事件とは無関係だからと見過ごしていた。
しかし、D氏もE氏も「サイレンが鳴って扉を開けたら、2階に上がる階段へと向かうG氏の背中が見えた。」…と話している。
104号室の奥は行き止り。備品が置かれ意味をなしていない開かずの非常口しかない。
と言う事は…G氏は101号か102号からでてきたとは考えられないだろうか。いや、むしろそう考えるとG氏の動線はスムーズだ。
更にE氏は言った。「サイレンが鳴って、みんな出てきていた」と。
G氏が1階廊下にいた事を、D氏とE氏は印象的な出来事だと思い、記者のインタビューで教えてくれた。
何故、「見ていたはず」なのに101号と102号の住人は教えてくれなかったのか?
それは、どちらかの部屋からG氏が慌てて出ていったからではないだろうか?
…自分でも、少し妄想が過ぎるな…と思いながら、ニイサカは自分の爪が朝より伸びている事に気付いた。
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