上 下
70 / 72
6章

7話 恥ずかしいけれど…

しおりを挟む

「……はい」

 坊ちゃんの瞳をしっかりと見つめた。

「ありがとう。じゃあ,まず,ベッドに移動しよっか?」

 そう言うと,軽々しく僕の身体を持ち上げる。
 流石に僕も男なので,重いだろうと毎度思うけれど,簡単にいつのまにか太くなった腕に持ち上げられている。

「歩けます……」

 一応,そう言った。それでも、おろしてくれることなんてない。

「うふっ,レオ辛くなったら教えてね」

 ニコッと優しい表情なのに,その顔はDomなのだと感じた。

「う,うん……」

 そうして,僕は優しくベッドへとおろされる。

「ねぇ,レオ,辛くなったら絶対にセーフワードを言ってね。言わないと僕が困るから」

 念押しに言われたけれど,僕は全く持っていうつもりなどなかった。むしろ,今はなんでも坊ちゃんが,いやカイン様のいう命令コマンドが欲しいくらいだった。

「わかっておりますから……早く。お願いします」

 坊ちゃんの服の裾を掴む。

「知ってる。けど嬉しくて噛み締めたくなってるの。あと,緊張してる。こんな命令コマンド言ったことないから……」

「そうですね。僕も少し緊張しております。ほらっ」

 坊ちゃんの手をとって自分の胸に手を当てる。

「早くなっているね。一緒」

 そう言ってニコッと微笑む。

「ね,レオ,大好き」

 もう一度,キスをされて,坊ちゃんの顔色が変化した。

(あ,この顔は……)

strip服を脱いで

「ん……はい」

 僕は返事をして,蝶ネクタイをシュルッと取り,シャツのボタンを開け始める。

「ありがとう。かわいい」

 そう言って,額にキスをされる。

「んっ,恥ずかしい……です」

 自分の顔がものすごく赤くなっているのだろうと感じた。

「うん,すごくいやらしい顔になってる。レオがこんな顔するなんて知らなかった」

 耳元でわざとらしく呟かれる。

「……っ」

「脱がすの手伝うね。手が震えてる」

 そう言って,ズボンにを手をかけられる。

「じ,自分で……脱ぎますからっ」

 抵抗はするけど,いとも簡単に脱がさられてしまう。
 安心しきっている身体は当たり前だけど力が入らなかった。

「レオ感じてくれているの?」

 敏感な部分に触れられてしまう。
 すっかり脱がされてしまって,何も隠すものもない。恥ずかしいのに,嫌だと思っていたのに、次の命令コマンドを待ってしまう。

「……っ,それは……」

「そっか,なら、presentもっと見せて

 ピリッと電気が通ったみたいに身体が自然と動いていく。
 昔はこの感覚が嫌で,怖くてたまらなかった。けれど、そんな感覚今はない。


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

さっさと離婚に応じてください

恋愛 / 完結 24h.ポイント:46,086pt お気に入り:1,070

あわよくば好きになって欲しい【短編集】

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:24,975pt お気に入り:1,661

9番と呼ばれていた妻は執着してくる夫に別れを告げる

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:94,434pt お気に入り:2,966

ごきげんよう、旦那さま。離縁してください。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:25,305pt お気に入り:267

とても「誠実な」婚約破棄をされてしまいました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:58,631pt お気に入り:602

私はあなたの何番目ですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:28,088pt お気に入り:3,888

突然の契約結婚は……楽、でした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:61,450pt お気に入り:3,978

支配者達の遊戯

BL / 連載中 24h.ポイント:376pt お気に入り:862

皇太子殿下の愛奴隷【第一部完結】

BL / 連載中 24h.ポイント:1,015pt お気に入り:453

偶然なんてそんなもの

恋愛 / 完結 24h.ポイント:10,607pt お気に入り:136

処理中です...