現実世界でも異世界でも最弱の俺が最強として扱われているのはどう考えてもおかしい。

友樹 みこと

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アリスファミリー始動

嘘が現実をねじ曲げるなんてどう考えてもおかしい

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「つまり、バジリスクはアリスさんを認識出来ていなかったわけです」

「で、俺がバジリスクを転ばしたってわけ」

「マヌケな奴もいたもんだな……なんでわざわざ弱点を教える?」

「それは、古くから伝わる悪役の性と言いますか……」

「お父さん……すごい」

フレイヤとアリスはファミリー達に何が起きたのか説明していた。

アリスは胸を張り、ハクは目をキラキラとさしている。

「アリスさんが纏っていた私の結界もバジリスクは見えていませんでした。なんでだったんでしょう……毒も聞いてませんでしたし……」

「あんたが弱すぎて空気だったんでしょ」「クラリス、案外いい線いってる」「ほんとに!?もっと褒めなさい!」

「なるほど、あたし達のボスがそんなに弱いとは思わないわよね。バジリスクは自分の実力を上げ見えない敵を探していたのかも」

ジェードの推理はこうだ。
実力の高すぎるアリスが、姿くらましをする魔法や術を使い、攻撃してきていると。

そこでバジリスクは自分の魔力を高め、あえて弱点を教えることで100mという射程圏内にアリスを入れた。

「つまり、バジリスクは次元の違いすぎる相手に勝機を感じず、逃げ出したということか」

「次元が低すぎて見えなかっただけですけどね」

高いものを見る時、低いものは見えづらくなっていく。

アリスファミリー結成により、魔界ランキング1位となったアリス。

ステータスまではランキングから確認することは出来ないのでアリスファミリーが襲ってくると予期していたバジリスクは、あらかじめ強者に備えて魔力量を高め、圧倒的力量差があるかも知れないアリスに備えていた。

「私達にアリスが見えるということは……」「バジリスクとの力量差も凄かったということ」

「伝説の悪魔だものねぇ、まさか生きてたとは……」

アリス以外のファミリーは悟った。

魔界ランキングという仕組みの外にいる生物がいる。

間違いなくジェードよりバジリスクは強かった。

産まれた頃から当たり前のようにあるステータスやランキングはこの世界の理のはず、だがその理の外にいたバジリスクはなんだったのか。

この世界のどこかにいる、魔界の主ルシファーもランキング記載はされていない。

「やっぱりアリスちゃんに着いてきて正解だったわ♡」

ジェードは悶える。自分より強い生物がこの魔界に存在する。それと戦いまた自分は強くなれる。

「ジェードはまだ強くなりたいのね、いいわ!私が鍛えてあげる!」

「クラリスちゃん、私より弱いじゃない」

「そんなことないわよ!!この前の続き今ココでやってもいいんだからね!」

「えー、そんなこといってもすぐやられちゃうじゃない?」

「あんたのああいえばそう言うところ嫌いだわ!!」

「あー2人とも元気だなー」

「クラリスはからかいがいがあると、ジェードは言っていたな」

アリスの隣にクリムが来てそう言った。

「その……ありがとう。フレイヤや私達を守ってくれて」

「守れてねぇよ、皆眠らされてたし」

「いや、バジリスクを倒しただけで充分だ。これでまた、最強と言われるだろうな」

「どうして?お前らが広めなければ伝わないだろうし

「そうじゃない。お主レベル上がっただろう?」

「ん?そうなのか??」

アリスはステータス画面を確認する。

レベル-111
属性⋮柔属性、人属性
攻撃力⋮-3692
守備力⋮-5896
魔力⋮-9625
魔法防御⋮-15369
素早さ⋮1.3
魅力⋮0
運⋮-854421
異世界人間族ランキング⋮1/1782位

「バカな!1ミリも上がってないだと!?」

「わ、私はレベル300くらい上がってます!?」

フレイヤは自分のステータス画面を確認し、驚く。
バジリスクを倒した本人であるはずのアリスに経験値が1ミリも入っていない。

「300?それも変だわ。1上げる大変さは私たちもよく知ってるし……」

「アリスちょっと、スキル見せて」

クラリアはアリスのステータス画面の操作権を奪い(レベル差が酷いとプライバシーの保護なんてされない)スキル詳細を確認する。

スカスカのスキル欄に一つだけ、スキルが書かれていた。


スキル名:『全世界から向けられる悪意』
このスキルは消去、上書き、伝承することが出来ない。
このスキルを持つものは、戦闘での経験値を得ることが出来ず、ステータスの変動は一切起きない。
また道具を装備した際にも効果はマイナスに働くため、無装備が基本的に一番強い。
このスキルは世界中どこにいても、自動的に発動する。


「……逆チートだな」

「逆チート??」

「簡単にいえば、クソ雑魚だ」

アリスは膝をついた。
やっぱり、どこにいてもクソ雑魚のゴミだった。

「あんた!凄いじゃない!!」

クラリスは、跪くアリスの背中に足をのせ褒める。

「……はは、そうだよな。すげぇよな。こんなクズ見たことないもんな」

「違うわよ!こんなハンデを背負ってバジリスクに勝ったことよ!!」

「いや、それはフレイヤやハクのおかげで……」

「でも、あんたがいなかったら私達は今ここにいないわ!この最悪最凶のスキルを持って、私達を仲間にするなんて、あんた只者じゃないわね!!」

「クラリス、褒める体勢がおかしい」「当たり前よ!こんなやつ足置き程度で十分だわ」

「褒めるのか貶してるのかどっちなんだよ!!?……はっ!!」

アリスは、クラリスの小さな足を乗せられ気付く。

これは……これはもしや!噂に聞く、、、、、、


ツ、ン、デ、レ!!!!


「ありがとう、クラリスちゃん。俺、頑張るよ」

「と、突然立ち直ったわね。わかればいいのよ」

「うん、ありがとう」

歴戦の戦士のような顔をして立ち上がるアリス。ライリ以外の全員は首をかしげている。

「ほんとに変態ですね」

ライリはジト目でアリスに話しかける。

「違う、変態紳士だ」
「体が変態震死しそうです」
「どんな状態だよ!!」

アリスはライリを裏手でしばいた。すると、アリスの手の方が真っ赤になる。

「ふふ、まぁ何はともあれ元気になられてよかったです……これからが本番なのですから」

「えっ……」

                    ***

ファミリーの顔つきが変わった。

広間の中央に紫色のブラックホールが現れ、中からゴスロリファッションにシルクハット目元に黒の帯状の目隠しをした少女が現れる。

「うおぉおおお!ゴスロリ魔法使いだ!」

アリスは1人空気を読まず、興奮していたが、それは一瞬で冷めることとなった。

「はぁい、皆さんごきげんよう。私の名前はハンプティ。この城の城主……」

明るいトーンで話しているハンプティめがけ、瞬時にジェードが動いた。数多の魔神の手をハンプティの足元へ召喚し、一斉に掴みかかる。

「はぁ……懲りない人ね。それはもう効かないって、正直に説明したのに」

ハンプティの身体に当たった瞬間、魔神の手は砂のように霧散していく。

「まじか!?」

「なに……!?どういうことよ!!」「ジェードさんの魔神の手が……」

「あいつは、グランドレッドに翼竜を呼び出した本人よ!!私はあいつにやられたわ!!」

アリスでも、空気が変わったのがわかった。隣から異常な殺気を感じる。

「へぇ、あなたがやったのですか」

「ライリ、今日は思う存分暴れていい」

いつも冷静なクリムも、表情に怒りを隠せていない。
ライリは頷くと、腰のラインブレードに手をかける。

「ふふふ、いいわね。その表情嫌いじゃない。まぁ、嘘だけど」

「ダメ!あの子に嘘をつかせてはいけない!!」

「えっ、どういう……」


【私は嘘をつく──私の姿は風景になじまない】


彼女が嘘をついた途端──彼女の姿は消えた。

「魔力……ある」

ハクは目を閉じ、禍々しい魔力を感じそこに向け粉砕の迫撃を撃つ。


【私は嘘をつく──閃光は桜にはならない】


迫撃は見る見るうちに、桜の花びらとなり城内をいろどる花吹雪となる。

「なっ……!」

「これよ……これが厄介なの」

「あっ、そうだいいこと思いついたわ。これをプレゼントしてあげる」


【私は嘘をつく──バジリスクは未来から帰る】


ハンプティの横にブラックホールができ、そこから冠が現れる。

「まさか……!」「目を閉じろ!魔力で感じ取れ!」

ファミリーが目を閉じる。魔力で場所を把握していった。
奴が来る。……バジリスク。

「ハンプティ、我をまた使うか」

「あなたが負けなければこんな面倒しなくてよかったのに。早くやっちゃって」

「そうか、我はやられたのか。今度はしくじれんな」

「早く、撒いてきて」

「御意」

城内にいくつもの強力な魔力が現れる。

「どういうことだ!バジリスクは1匹ではないのか!?」

「いや、1匹だ!羽をまいている!飛んでるのが本体だ!!」

アリスはすかさず叫ぶ。アリスは自分に効かないことをいい事に目を開ける方にかけた。

「んー、なるほど。見えないボスか……それは確かに厄介ね。残念ながら私にも見えないけれど、まぁ、何が出来るわけでもないし。ほっとくか」


「あいつを倒す方法は一つ!嘘をつかせないように倒すこと!」


「そんなことできるの!?」「簡単、その隙を与えなければいい」

クラリアはクラリスの手を取り、願う。

「この世にただ平穏な闇がありますように」

クラリアスの姿になると、すぐにクラリスを寝かせ全身を白く染め上げる。

聖属性になった、クラリアは堂々と目を開く。

「なるほど、天使となり私と同格の存在になったか」

「同格なら、受けないでしょ君の毒」

クラリアは舞い散る羽を全てロックオンし、白の双剣で虚空を切る。その瞬間、羽は全て切り刻まれた。

「よし!行くぞ、ライリ!」「はい!」

それを合図にファミリーは同時に駆け出した。

クリムは右手に炎を浮かべ、そこから黒の大剣デモンメアを引き抜く。

ライリは腰からラインブレードを引き抜き、ラインを、クリムとクラリアスにつないだ。

「クラリアさん!誘導お願いします!」

「了解!」

クラリアは、ハンプティに照準を合わせ白の双剣で虚空を切る。

その速度に合わせ、ライリとクリムが瞬間移動した。

「まぁ、早い」

「失せろ!グランドレッドの仇だ!」

魔界最大火力の炎を剣に纏い、切りつける。

「確かに嘘はつけない。けど」

ハンプティは、両手に紫色のライトエフェクトを浮かび上がらせ、切りつけられた剣の刀身を右の人差し指でちょんと触る。

クリムの右腕に強力な力が加わり、斬撃の方向は大きくずれ、地面に直撃した。

ドンッ!!

豪快な音と共に、城の床に大きな地割れができ、振動で壁にまでヒビが入った。

「なに……!?」
「ひぇええ、こわ。」
「まだです!」

ライリは、クリムの纏っていた炎とハンプティを結び、ハンプティに炎を浴びせようとしたが、ラインを左手で切られ、ライリは慌ててアリスとクリムを結び、アリスの方にまで瞬間移動した。

「何が起きてる!?全然ついていけねぇ!」

「あの人異常です。嘘が強いんじゃない」

「本体が普通に強い!!」

クラリアは上空でバジリスクとの攻防を繰り広げていた。

「ふむ、魔界に天使とは、おもしろい」

「ごめん、あんたに構ってる暇ないんだ」

クラリアは、アリスの方をじっと見つめる。

「クラリア……??」

「ごめん、怖いかも知れないけど。君の音もらう」

「えっ、?」

アリスが目をまん丸と開けていると、クラリアは瞬間移動し、アリスの耳にキスをした。

「えええええええ!?」

その声は、出なかった。次第に音を聞けなくなっていく。アリスの中から音という概念は消え、ただクラリアのキスの感触だけが生々しく伝わる。

「ふふ♡ラブロマンスね」

ジェードはクラリアの行動を魔力で感じ取り、頬を赤らめた。

クラリアの白はどんどんと黒くなり、堕天使の姿へとなっていく。

真っ黒な翼と髪、瞳も黒く染め上がり、白かった双剣も今では邪悪な黒。

「バカな、悪魔として私と同格になろうというのか」

「そうよ。人間の音をいただいたんだもの。誰にも負けないわ。屈辱だけどね」

額からは小さな角が生え、にやりと笑うクラリス。

口を大きく開くと、バジリスクに向け、音の振動を発射する。

「おっと、それは面倒かな」

ハンプティはめずらしく血相を変えて、クラリスに飛びかかる。

「させない」

ハクがクラリスの前に回り込み、ハンプティの紫の手刀を腕を交差して受け止める。

「流石は白龍。別格ね」「……人間……風情」

ハンプティは笑い、ハクは無表情につぶやく。

                    ***

「これはまずい予感がする。」

バジリスクは見えない攻撃を避けるため、瞬間移動移動しクラリスの上空へと逃げる。

「ふふ、はずれ」

クラリスは笑った。本来の射程に、バジリスクが入ったからだ。


角笛悪魔の幻想曲アムドゥスコード


クラリアの角が振動し、空気に振動することなく、直接バジリスクの頭に死の旋律が響く。

「なっ……!」

バジリスクは金縛りにあったかのように体を硬直させ、落下する。

「もらったわ!」

クラリスは、クラリアに主導権を譲り、翼を白く染め上げる。

角はなくなり、頭の上には天使の輪が浮かんでいた。

「なるほど、これが本来の姿なのか」

剣先を地面に向け、力を貯めると目の前に落ちてきたバジリスクを容赦なく切りつけた。

「ぐぁああああ!」

バジリスクは、叫び声と共に闇となって消えていく。

「ふぅ……大したことなかった」

クラリアはため息をついて、アリスの元へと舞い降りる。

「ごめんよ、音が聞こえないのは怖いよね。今戻すから」

                    ***

「ふふふ、これで終わりかしら?」

ハンプティがハクと応戦しつつ笑うと、消えたはずの闇はクラリアの上空に形どられていく。

「うそ……!」

「ふむ、少しはやるようだな。堕天使とやらは」

バジリスクは元の形のまま、蘇った。

                    ***

「長期戦になりそうだな」
「必ず倒しましょう」
「ああ……!仇討ちだ!」
ライリとクリムはもう1度剣を強く握る。
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