現実世界でも異世界でも最弱の俺が最強として扱われているのはどう考えてもおかしい。

友樹 みこと

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雲のアトリエ

【天界】突然天界に乗り込むなんて、どう考えてもおかしい。

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「クソガキとはなんだ!俺もう8歳だし!!」

「こっちは16だぞ!てめぇ年上のこと敬えよ!」

「敬うかどうかは俺が決める!!なんか目腐ってんだよてめぇ!」

「はぁ!?そんなこと言われるいわれねぇし!!」

「ぜってえ!お前とは旅しねぇ!」

「別に頼んでねぇよ!」

「はぁ……私あの人のことちょっと見直して損しました」

「フレイヤ様の目が元に戻ったようで良かったです」

「お父さん……かっこわるい」

アリスとマリの部下に連れてこられた少年は猿と犬のように言い争いをしていた。
大人気ないとファミリーからは痛い視線を向けられている。

「仲がよろしいようですね。やはり、人間同士ウマがあうということでしょうか」

「そ、そうか?」

クリムとマリは苦笑い。
2人の周りには柔和な雰囲気があった。

「でも、わかってますよね。クリム様達がルールを破っていること」

「ああ、わかっている。だから、この城に来たんだ」

「それは助かりました。私達がここにいるのはクリム様達のおかげです。でも……」

マリはクリムの前に立つと、丁寧に膝を折り、頭を下げた。



「お願いです。魔界から出て行ってください」



魔界にはルールがある。
魔界ランキング上位の者が同じ国、組織にいれる人数には人数制限があるのだ。
それをアリスファミリーは大きくはみ出している。
魔界の社会のバランスを崩しかねない状況なのだ。


「わかっている。一国の首脳陣より、力を持つ組織がふらふらとしているのはまずい」

クリムは、目をつぶり顔をしかめる。
だからこそ、魔界政府に対し得になるであろう【神隠し事件】の解決に乗り出したのだ。

敵ではない、争いは望んでいない、そう、示すために。

「クリム様達のお気持ちもわかっています。けれど、怖いものは怖いのです。純粋な暴力的なまでの力量差。人間が操る組織。私達は夜も眠れないのです」

マリは声を震わせる。
胸が張り裂ける想いだ。
クリムを慕っているのにも関わらず、国民のため、魔界のため、自分の想いを押さえ込んで言わなくてはいけない。

消えてくれ、と。

「彼は整備士なのか」

「はい。飛行艇を作ることのできる、雲の一族の者です」

「雲の一族か……」

雲の一族
空を旅する一族で、その実態はよく知られていない。
空浮かぶ島に国を作り、魔界や天界など異世界を旅する一族と言われているが、本人達しかその実はわからない。

「おい!少年!名前はなんという!」

東雲しののめシノ。そこのお姫様に捕まった」

悪態をつくシノ。
シノは妹を探し、妖精の森に迷い込んだところをマリに見つかり、激闘の末捕まった。

「彼は【神憑き】で……とても面倒でしたわ」

「神憑きなのか!?よく捕らえられたな」

「いくら神憑きとはいえ妖精の森では負けません。魔力も溢れてますしね」

「確かにここでお前とやろうとは思わんな」

マリの力は妖精の森と密接に関係している。
妖精の森で最も力が発揮できる場所、ホームグラウンドだ。

「で、彼の妹の場所は案外簡単に見つかりました」

「ほ、本当か!?」

シノはマリの方へ駆け寄る。

「ええ、クリム様のアリスファミリーと同じAの名前を持つ、アクアファミリーにいます」

「アクアファミリー!?てことは……」

「ええ、今の所在は天界」

「天界!?」

つまり…………………

「次の行き先は、天界ですね」
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