現実世界でも異世界でも最弱の俺が最強として扱われているのはどう考えてもおかしい。

友樹 みこと

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雲のアトリエ

天界が超巨大森林なんてどう考えてもおかしい

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お前にはあるか? 何かを成し遂げる為に、自分を変える覚悟が。

よく聞く言葉なのかもしれない。でも、俺にとってそれは聞き慣れない言葉だった。
けどアイツは即答した。
「当たり前だ!この世界を救ってみせる!俺の元に来い!」
海鳴海斗。俺はアイツが嫌いだ。



「ここが……天界!?」
クジラが辿り着いた場所は雲に浮かぶ巨大な森だった。
巨大な森とは言葉通りの意味で、木は1本1本がアリス100人分ほどの大きさはあるかというほど巨大で背の高い木ばかりだ。

「大神殿への森。この奥にある神社に続いてる。俺たちはここにある木で様々なものを生み出すんだ」
シノは大人びた声で、アリス達に説明する。
クジラは森の西側に着いたようで、雲の海の上に浮かぶ巨大な森の島は、圧巻で神聖な場所に思えた。

「なんか、でっけー……」
静かな森。風の通る音だけが静かに聞こえる。
何もかもを受け入れ、離さない。そんな威圧感と雰囲気があった。

「……やはり、聖気が強すぎる」
「クリム様……」

中学生の風貌になったクリムは、魔力を圧縮し体の存在を保っているが、今にも倒れてしまいそうだ。
ライリが駆け寄り、背中を支える。
クラリス、フレイヤ、ジェードも同じように頭を抱えていた。

「私が行く……みんなクジラで休んでて」
「えっ……!ハクちゃん!?」
「はっきりいって、お父さん1人なら私だけでも守れる……」

ハクは、屈託のない笑顔でそう言った。
それは、暗に実力の差をはっきりと口にしたのだ。

「でも、ファミリーは離れれば離れるほど力を失ってしまう」
「一応、私がラインブレードでつなげればある程度軽減できるかもしれません。困った時は転移できますし……。正直、今の私達がここにいる天使に立ち向かうのは難しいかもしれません」

不安を口にするフレイヤに、ライリは納得したように呟いた。
アリスは不安げにファミリー達を見たが、自分に心配するほどの力がないことを悟りすぐに俯いて目を瞑る。所詮は無力なのだ。

「わかった……言葉に甘えよう。私達はクジラで休ませてもらう。ただし、アリスのことは任せたぞ、ハク」
「うん……!クリムおねぇちゃん、ゆっくり休んで……」

「私達出番なさすぎ!」「いや、今回は活躍できる。主に僕がね」「はっ!まさか!」「うん、僕は聖属性だしむしろ心地いいくらい」
クラリアはそういうと思いっきり羽を伸ばし、みるみる姿を変えていく。
白のワンピースの胸元は僅かに膨らみ、背はアリスと同じくらい。短いピンク色の髪は子供っぽさではなく、大人の明るさを演出しており、整った顔立ちはより凛々しく、しかし、特有の抜けた雰囲気は残っている。

「じゃーん、僕パーフェクトフォルム」「なんで、クラリアだけ大きくなるのよ!おかしくない!?」「僕は曖昧な存在だからね」「なんなのよそれずるい!」

「どうでもいいけど、行くメンバーはお姉さん2人とそこのバカでいいの?」
「だれがバカだ」「自覚してんじゃん」
「それでいい」「うん……!」
「私だけ留守番なんて!」「クラリス、お願い。ここは僕に任せて」
半泣きの姉の頭を撫でる妹。6.8歳の姉と20前後の妹、今はクラリアのほうがずっと大きい。
「なら、いそぐよ!妹の気配が近い……!」

シノが走り出すと、アリス、ハク、クラリアも慌てて走り出す。
クラリスは、寂しそうに手を伸ばすがその手は何も掴まない。

ライリはファミリーとシノ、アリスと線を結び、クジラに乗り込んだ。クラリスはしぶしぶクジラに乗る。

「クラリアと別行動なんて、初めて……」

不吉な予感が、クラリスの胸に残った。

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