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◇本気の恋を教えます⑨
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「あのね、さっき言ってたことなんだけど……」
竣が宇田さんと交わした会話で、私には気になっている言葉がある。
「……さっき?」
「宇田さんに、この後私をお持ち帰りするとか言ってた気がするんだけど……あ、冗談か」
竣があまりにも私の言葉に無反応で花火を見続けているから、私は最後に冗談なのだと理解した。
あれはただ、宇田さんに対して思わず言ってしまっただけなのだろう。
「冗談ではないけど? 舞花が嫌ならやめるけど、俺は最初から持って帰るつもりだった」
花火に夢中だったのか、私の言葉が耳に入っていないみたいに無反応だったが、実は竣はしっかりと聞いていた。
「言っとくけど、今度はなにもせずに帰したりしないからな?」
「え?」
「俺はそこまでいい人じゃない」
ポカンと竣を見つめる私をよそに、竣は意地悪そうな笑みを浮かべている。
花火が終わると、竣と私は電車で竣のマンションへ向かった。
竣が、終始私の手を放さずに繋いでいてくれたことが、単純にうれしかったりする。
「怖気づかないの?」
「……どうして?」
部屋に入ると、いきなり竣がそんな質問をしてくる。
言われてる意味がわからずに、私は問い返してしまった。
そのままキョトンと小首をかしげながらも、私はソファーに腰をかける。
「舞花は肝が据わってるんだか天然なんだかわからないな」
竣は笑いながらも、グラスに入ったウーロン茶をふたつ持ってきてくれて、私の隣に自分も腰を下ろした。
そしてなぜか、そのウーロン茶を半分ほど一気飲みする。
「もう逃げられないよ?」
私を見つめる竣は、とても妖艶な光を放っていた。
「逃げないよ」
私が微笑むと、竣は私の肩に手を回して、唇にキスを落とした。
そのキスがだんだん深くなるにつれ、私の顔や体全体が熱を帯びてくる。
「ヤバい。俺、舞花に夢中だ」
竣はそう囁いて、私の耳や首筋にキスの雨を降らせる。
同時に服のボタンに手をかけ、それはどんどん下へと下がっていった。
“夢中だ”なんて、最高にうれしい言葉をもらえて、それだけで泣きそうになってくる。
きっと私は今、幸せの絶頂にいる。
どうしようもなく大好きな人に欲情され、抱かれているのだから、これ以上幸せなことなどない。
竣はこのあと私をベッドまで連れて行き、深く深く、ひとつになった。
行為の途中、何度も私に痛くないかと気遣ってくれた彼は、やはりやさしい。
竣は自分では“やさしくない”と自己分析していたけれど、私をとても大切に、やさしく抱いてくれた。
「なんか……幸せだな」
愛し合ったあと、竣の腕枕でベッドで寄り添っているときに、ふと竣がそうつぶやいた。
「今までそんなふうに思ったことはなかったけど……舞花といるとすごく幸せだ」
竣よりも私のほうがもっと、ずっと多くの幸せを感じている。
この幸せを知ってしまった今、片時も離れたくないと思うくらいだ。
「私は特別?」
「ああ。俺、今まで彼女がいたこともあるけど……あんまりうまくいかなかったりで、実はちゃんとした恋愛をしてきてないんだ」
私は竣を心から愛しているから、きっと一生敵わない。
私が泣いても笑っても、拗ねても喜んでも、頭のいい彼の手の平ですべて転がされる気がしている。
だけどそれでもいい。あなたが私を愛してくれるなら。
「大丈夫。私が本気の恋を教えてあげる!」
「はは。心強いな」
恋愛は“好き”という気持ちだけで繋がっているものだ。
本気で人を好きになる幸せを、私はあなたと一緒に感じていきたい。
この先、何年も一緒に――――
―― fin ――
※このあと続けて番外編がございます。
よろしければそちらもお付き合いくださいませ♪
竣が宇田さんと交わした会話で、私には気になっている言葉がある。
「……さっき?」
「宇田さんに、この後私をお持ち帰りするとか言ってた気がするんだけど……あ、冗談か」
竣があまりにも私の言葉に無反応で花火を見続けているから、私は最後に冗談なのだと理解した。
あれはただ、宇田さんに対して思わず言ってしまっただけなのだろう。
「冗談ではないけど? 舞花が嫌ならやめるけど、俺は最初から持って帰るつもりだった」
花火に夢中だったのか、私の言葉が耳に入っていないみたいに無反応だったが、実は竣はしっかりと聞いていた。
「言っとくけど、今度はなにもせずに帰したりしないからな?」
「え?」
「俺はそこまでいい人じゃない」
ポカンと竣を見つめる私をよそに、竣は意地悪そうな笑みを浮かべている。
花火が終わると、竣と私は電車で竣のマンションへ向かった。
竣が、終始私の手を放さずに繋いでいてくれたことが、単純にうれしかったりする。
「怖気づかないの?」
「……どうして?」
部屋に入ると、いきなり竣がそんな質問をしてくる。
言われてる意味がわからずに、私は問い返してしまった。
そのままキョトンと小首をかしげながらも、私はソファーに腰をかける。
「舞花は肝が据わってるんだか天然なんだかわからないな」
竣は笑いながらも、グラスに入ったウーロン茶をふたつ持ってきてくれて、私の隣に自分も腰を下ろした。
そしてなぜか、そのウーロン茶を半分ほど一気飲みする。
「もう逃げられないよ?」
私を見つめる竣は、とても妖艶な光を放っていた。
「逃げないよ」
私が微笑むと、竣は私の肩に手を回して、唇にキスを落とした。
そのキスがだんだん深くなるにつれ、私の顔や体全体が熱を帯びてくる。
「ヤバい。俺、舞花に夢中だ」
竣はそう囁いて、私の耳や首筋にキスの雨を降らせる。
同時に服のボタンに手をかけ、それはどんどん下へと下がっていった。
“夢中だ”なんて、最高にうれしい言葉をもらえて、それだけで泣きそうになってくる。
きっと私は今、幸せの絶頂にいる。
どうしようもなく大好きな人に欲情され、抱かれているのだから、これ以上幸せなことなどない。
竣はこのあと私をベッドまで連れて行き、深く深く、ひとつになった。
行為の途中、何度も私に痛くないかと気遣ってくれた彼は、やはりやさしい。
竣は自分では“やさしくない”と自己分析していたけれど、私をとても大切に、やさしく抱いてくれた。
「なんか……幸せだな」
愛し合ったあと、竣の腕枕でベッドで寄り添っているときに、ふと竣がそうつぶやいた。
「今までそんなふうに思ったことはなかったけど……舞花といるとすごく幸せだ」
竣よりも私のほうがもっと、ずっと多くの幸せを感じている。
この幸せを知ってしまった今、片時も離れたくないと思うくらいだ。
「私は特別?」
「ああ。俺、今まで彼女がいたこともあるけど……あんまりうまくいかなかったりで、実はちゃんとした恋愛をしてきてないんだ」
私は竣を心から愛しているから、きっと一生敵わない。
私が泣いても笑っても、拗ねても喜んでも、頭のいい彼の手の平ですべて転がされる気がしている。
だけどそれでもいい。あなたが私を愛してくれるなら。
「大丈夫。私が本気の恋を教えてあげる!」
「はは。心強いな」
恋愛は“好き”という気持ちだけで繋がっているものだ。
本気で人を好きになる幸せを、私はあなたと一緒に感じていきたい。
この先、何年も一緒に――――
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