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supplementary tuition番外編
初恋ほど無意識なものはない 03
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「夢月って、オレのこと恋愛の百戦錬磨みたいに言うけどさ、ソレ違うから」
足を組み頬に片手をついた有都が不服そうな声を出す。
「確かに適当に身体だけって言う相手は過去に多少あるけども」
「…………多少?」
「いや、伝えたいのはそこじゃねーけど」
有都の横顔は伝える言葉を探し弱り切ったように見えた。
いつもの有都にはない言い澱む口調が、過去の行いを真に恥じている事を示している。
新城柚李の事、春香の存在も、有都にとっては忘れてしまいたい黒歴史なのだ。
普通に考えると、そんな春香が佐竹と付き合うような事になったら心中複雑だろう。
佐竹の淡い想いを知り、今回のWデートに出向いたものの浮かれ過ぎた勇足だったのかもしれない。
夢月が有都の横顔を見詰めていると、淡く頬を色付かせた有都が視線を向けて来た。
「とにかく、恋愛なんて呼べるもんは夢月としか知らねーし、恋愛スキルなんてもんねーよ。あるとしたら、夢月をどうにかしたくてやってる悪足掻きだし」
照れたような拗ねたようなその表情には、等身大の18才の有都がいる。
「くだらねーことでイラつくし、自制できねーし……」
…………か、かわいいかも!
夢月は滅多に見ることのない有都の表情に、甘酸っぱい愛しさを覚え、つい顔を緩めていた。
ぎゅっと抱き締めてその柔らかい髪を撫ぜたい衝動に駆られる。
夢月がソファに片手をつき距離を詰めると、少し驚いたように有都が顔を向けてきた。
有都の瞳は館内を照らす明かりのように、柔らかく温かく包み込んでくる。それでいて、その奥に持て余した感情が押し込められ、切な気に揺れるのだ。
真っ直ぐに頑なに秘められた想いが、出口を探しているようだ。
ふと、夢月の脳裏に橙色の景色が浮かんだ。
赤と橙色の炎が熱に揺らぎ、少年たちの声が辺りを埋め尽くす。歓声と笑い声の中、炎の向こうに誰かを見た。
揺れる熱に隠されながら届いた視線。
一瞬の邂逅のように、それは胸を掴んだ。
あの時…………あれって。
その視線を、眼差しの持ち主を確かめようと目を凝らした時にはすでに見失っていた。
気のせいだと、今まで忘れていた。
なぜ、有都に見詰めらるたびに胸が甘く締め付けられるのか、そこから逃げ出せなかったのか、分かった。
知らず知らずのうちに、探していたのかも知れない。
そこに答え、を。
「…………私が恋をしたのは、必然だったんだね」
胸に芽生えた甘いときめきがどこからくるのか。
恋とは、何なのか。
「真崎くんがずっと見ていてくれたから」
有都が想ってくれていた4年間が、少しずつ見えて来る。
知らずに過ごした2年間、気付けなかった2年間、未だに知らない想いの丈がそこにある。
夢月、と名を呼びながら有都が慈しむ様に瞳を細め首を僅かに傾げた。
キスの予兆に夢月は息を呑んでいた。
足を組み頬に片手をついた有都が不服そうな声を出す。
「確かに適当に身体だけって言う相手は過去に多少あるけども」
「…………多少?」
「いや、伝えたいのはそこじゃねーけど」
有都の横顔は伝える言葉を探し弱り切ったように見えた。
いつもの有都にはない言い澱む口調が、過去の行いを真に恥じている事を示している。
新城柚李の事、春香の存在も、有都にとっては忘れてしまいたい黒歴史なのだ。
普通に考えると、そんな春香が佐竹と付き合うような事になったら心中複雑だろう。
佐竹の淡い想いを知り、今回のWデートに出向いたものの浮かれ過ぎた勇足だったのかもしれない。
夢月が有都の横顔を見詰めていると、淡く頬を色付かせた有都が視線を向けて来た。
「とにかく、恋愛なんて呼べるもんは夢月としか知らねーし、恋愛スキルなんてもんねーよ。あるとしたら、夢月をどうにかしたくてやってる悪足掻きだし」
照れたような拗ねたようなその表情には、等身大の18才の有都がいる。
「くだらねーことでイラつくし、自制できねーし……」
…………か、かわいいかも!
夢月は滅多に見ることのない有都の表情に、甘酸っぱい愛しさを覚え、つい顔を緩めていた。
ぎゅっと抱き締めてその柔らかい髪を撫ぜたい衝動に駆られる。
夢月がソファに片手をつき距離を詰めると、少し驚いたように有都が顔を向けてきた。
有都の瞳は館内を照らす明かりのように、柔らかく温かく包み込んでくる。それでいて、その奥に持て余した感情が押し込められ、切な気に揺れるのだ。
真っ直ぐに頑なに秘められた想いが、出口を探しているようだ。
ふと、夢月の脳裏に橙色の景色が浮かんだ。
赤と橙色の炎が熱に揺らぎ、少年たちの声が辺りを埋め尽くす。歓声と笑い声の中、炎の向こうに誰かを見た。
揺れる熱に隠されながら届いた視線。
一瞬の邂逅のように、それは胸を掴んだ。
あの時…………あれって。
その視線を、眼差しの持ち主を確かめようと目を凝らした時にはすでに見失っていた。
気のせいだと、今まで忘れていた。
なぜ、有都に見詰めらるたびに胸が甘く締め付けられるのか、そこから逃げ出せなかったのか、分かった。
知らず知らずのうちに、探していたのかも知れない。
そこに答え、を。
「…………私が恋をしたのは、必然だったんだね」
胸に芽生えた甘いときめきがどこからくるのか。
恋とは、何なのか。
「真崎くんがずっと見ていてくれたから」
有都が想ってくれていた4年間が、少しずつ見えて来る。
知らずに過ごした2年間、気付けなかった2年間、未だに知らない想いの丈がそこにある。
夢月、と名を呼びながら有都が慈しむ様に瞳を細め首を僅かに傾げた。
キスの予兆に夢月は息を呑んでいた。
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