私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

文字の大きさ
14 / 45

2日目(火) まったりお話会inまりも2

しおりを挟む
……ふぅ、着いた。喉乾いたなぁ……

私は公園の中にあるベンチに座り、ペットボトルのお茶を一口飲んだ。そして私は何故か分からないが、急にブランコに乗りたくなった。

誰も人来ないよね……? よぉし……

私はベンチから離れ、ブランコに座り、少しゆっくりめに漕いだ。淡いピンク色のロングスカートが風に乗り、ふわりと動いた。

あぁ……懐かしいなぁ……私が子供の頃よくブランコに乗ってたっけ。

私は漕ぎがながら、懐かしいなと思い、ふふっ と一人笑った。

そして、私はブランコの漕ぐ勢いを抑え、徐々に停止した。久しぶりにやってみたけど、楽しかったなと思い、また今度暇な時にでもブランコに乗ろうかなと考えた。そして私はちらりと木の方に目をやった。

やっぱり、今日もいてくれた。あの猫。

だが、今回はこっちのことを、くりっとした大きな金色の目でじっと見ていた。私はブランコから降りて、木のそばまで駆けて行った。猫は私のことを見上げるようにして見てから、「にゃー」と呑気に鳴いた。それから、てててと歩いた。私もその後を追った。


喫茶店『まりも』。今日も無事に着くことが出来た。草木が生き生きとしていて、少し風に煽られている。心地いい風だ。ふっと風が止まり、私は喫茶店の中へと入った。

ベルがチリンと鳴り、三人の「いらっしゃいませ」と言う声が店内に響いた。

「おはよう。瀬良ちゃん」
「おはよう、今日はいい天気だね」
「うん、そうだね。明日も晴れてくれないかな?」
「うん、晴れて欲しいね。私、雨降りは嫌いなんだよなぁ~」
「あ!僕もだよ。同じだね」

と私達は、あははと笑い合った。そんな会話をしてから、彗くんは「こちらへどうぞ」と私を席へ案内してくれた。そして、メニュー表も渡された。

「お決まりになったら、お呼びください」

と彗くんは笑顔で言ってから、厨房へ入っていった。

うーん…… どれにしようかなぁ~……
前、初めて来た時はショートケーキを頼んだっけ。じゃあ、今日は……

これにしよう と考えが定まり、私は「すみませーん」と店員さんを呼んだ。すると「はいー、ただいま伺いますー」とカウンターの方から声がした。その人はカウンターから出てきて、私の近くまで来た。

「ご注文はお決まりですか?」

と明るい声と笑顔で言った。夕佳さんだ。私は「ホットのコーヒー一つとフレンチトーストを一つ」と頼んだ。夕佳さんは「かしこまりました」と私にぺこりとお辞儀をし、厨房へ行った。

午前中はしっかり仕事をしよう。それで、午後からはみんなと話せるといいな。

と頭の中で考えた。でも、そもそも午後から話せる時間があるのか気になったが、まずは、仕事に集中しようと窓の外の草木が太陽に照らされ、きらきらと輝いているキレイな景色を眺めて、そう思った。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。

ガネット・フォルンは愛されたい

アズやっこ
恋愛
私はガネット・フォルンと申します。 子供も産めない役立たずの私は愛しておりました元旦那様の嫁を他の方へお譲りし、友との約束の為、辺境へ侍女としてやって参りました。 元旦那様と離縁し、傷物になった私が一人で生きていく為には侍女になるしかありませんでした。 それでも時々思うのです。私も愛されたかったと。私だけを愛してくれる男性が現れる事を夢に見るのです。 私も誰かに一途に愛されたかった。 ❈ 旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。の作品のガネットの話です。 ❈ ガネットにも幸せを…と、作者の自己満足作品です。

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

処理中です...