私の片思いの相手は不思議な喫茶店で働いている猫さんでした。

*花*

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3日目(水) 楽しい家族とのお出かけと静寂に包まれた喫茶店5

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私の髪を少し冷たくなった夜風がふわりと通った。辺りはしーんと静まり返っている。いつもは生き生きとしている草木も、今は寝ている時の寝息のように微かな動きを見せるばかりだった。小鳥の明るいさえずりも聞こえてこない。夜って何だか寂しいな としんみり思い、辺りを見回している時、いつもの喫茶店にほんのりと明かりが見えた。そこには明かりに照らされて、ぼんやり二つの影が見えた。

「誰……?」

私は気になった。また夜風が私の横を通り過ぎ、草木を揺らしていた。まるで、行ってみればいい とでも言うように。道筋を示すかのように風が吹いた。私は勇気を振り絞り、喫茶店の近くまで行き、二つの影にバレないように、そっと中を見た。覗き見なんてしちゃって、何だか悪い人になった感じがする。ちょっとの間、そこにとどまっていた。そして様子を見ていた。すると、私は何かに気づいた。

ん……?なんか話している……?

でも、もごもごとしていて何を話しているか分からない。私は気になり、うずうずしていた。

……でも、これって入ってもいいのかなぁ?それともだめなのかなぁ?

私はそこで時間を費やしてしまった。我ながらに優柔不断な性格だと思った。あぁ、どうしよう。入るべきか入らないべきか。気になるけど……邪魔したら悪いしな……でも……気になるんだよなぁ。ここにグズグズとどまってもだめだ。大切な時間を費やして、私は決断した。よし、入ろう。

私はドアの前で深呼吸をした。そうしてから、ぐっと手に力を入れ、思いっきりドアを開けた。ベルがチリンと甲高い音を鳴らした。そこには唖然としてテーブル席に座って、頬杖をしている彗くんの姿があった。

私のことを見てから、彗くんは頬杖をやめ、「いらっしゃいませ……」と驚いたような声で言った。私は「こんばんは」と言い、彗くんの向かいの席に座った。さっきまであった影が…… 視線を椅子の方に向け、さらりと撫でた。あれはなんだったんだろう。私の幻覚かなぁ……  私は目をゴシゴシと擦った。彗くんはどこか一点を見つめて、また頬杖をしていた。

これは気まずい雰囲気になった。

今は夕佳さんがいなければ、零さんもいない。二人っきりの空間だ。店内は時計の針が動く音しか響いてなかった。私がどうすればいいかと考えていた。うーん…… ずっとこの雰囲気でいるのもなぁ…………あ、そうだ。私は今日のことを話すとこにしよう。そして、ペンダントを渡して、さっさと帰ろう。今日は彗くんの様子もちょっと変な感じがするし。しかも、今日はペンダントを渡すのが第一の目的だ。
私は「ねぇ」と彗くんに呼びかけた。すると彗くんは「……どうしたの?」と少し間が空いてから、私の方を向き、優しい微笑みを浮かべていた。いつも通り……じゃ、ない。やはり、いつもとどこか違う。どうしたのか気になったが、今は触れておかないことにした。今日は楽しい雰囲気で終わりたいという思いで私は彗くんに話を続けた。そして最後にこのペンダントをあげて、笑顔になってくれれば今はそれでいいよね と心の内で密かに思っていた。でもあの正体が気になる。本当にあれはなんだったのか。と頭の片隅で考えていた。不思議だなぁ なんてちょっぴり思いながら。


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